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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第3章 冒険者の少女、新しい力を求める

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77.5話 親友の過去 その2







「とはいえ、例えすごく強い力を与えられても、私は戦うのがそもそも怖くて無理なので、やはり転生は無理です」


 アキのこの言葉に、フェミニースはいい事を思いつく。


「では、アナタの代わりに戦う者がいればどうですか? 例えば……、ゴーレムとか?」


「ゴーレムが戦ってくれるなら、戦闘は大丈夫かもです。でも、どれくらい強いゴーレムを何体創り出せるんですか?」


「始めはやはり、弱いのを一体……。いえ、五体程……」


 フェミニースは、弱い設定にするとアキが再び転生を断ると思って、数を多めに言っておくことにした。


「では、そのゴーレム製造能力をいざって時に、強く出来る切り札的な武器をください」

「……わかりました。あとで、特別な武器を渡しましょう」


「ありがとうございます」


「あと、信頼できる者にアナタを任せることにします。そうですね……。フェミニース教総主教フィオナ・シューリスにしましょう。まあ、少々のんびりした所はありますが、彼女はとても良い子で信頼できます。彼女にアナタのことを言っておきますから、安心して世話になるといいでしょう」


 アキは最後に質問する。


「どうして、私にそこまでして転生させてくれるんですか?」


 アキのその質問にフェミニースはこう答えた。


「そうですね。私は頑張る女の子が、そんな子が活躍するところを見るのが好きなのです」

「私は親友と違って、頑張るタイプの女の子じゃないですよ?」


 アキのその言葉に、フェミニースは笑顔でこう答える。


「親友が落ち込んだ時に慰め、そして傷ついているかも知れないと心配して涙する。そのような子はきっと頑張る子です、どの様な道に頑張るかはわかりませんがね」


 アキはその答えを聞くまでは、何か裏があると思っていたが親友の件を持ち出されて、少し警戒心を緩めた。


「わかりました。私、転生して頑張ってみます」


 まあ、せっかく二度目の人生のチャンスがあるなら、乗ってみるのも悪くないかも知れない。


 もしかしたら、まだ見ぬBLに出会えるかも知れないし……

 アキは少し希望を持って、異世界への転生を決める。


 フェミニースは紫音の時と同じ様にアキに手をかざし、彼女の新しい体と服・装備を創り出す。


 作り出されたその装備は、紫音と同じくお洒落を一切廃した機能性重視の服と短パンにタイツとブーツ、腰には【女神武器】エメトロッドが装備されている。


「では、これでお別れです。今からあなたを私の世界【フェミニアース】にあるフェミニース大教会に転送します。そこにフィオナがいるので頼るといいでしょう」


「はい、ありがとうございます女神様」


 アキがそう答えると、フェミニースは転送ゲートを開く。


「では、アナタが活躍するのを楽しみにしています」


「そんなに期待されても困りますけど、私なりに第二の人生を頑張ってみます。ありがとうございました」


 アキは別れの挨拶をすると、転送ゲートに入って旅立っていった。

 彼女が転送された後、途中から黙って見ていたミトゥースが、フェミニースに語りかける。


「お姉様のすることですから黙って見ていましたが、あの子にあそこまでお膳立てしてまで、転生させる意味があったのでしょうか? 良い子だとは思いますが……、やはりクリスティーナだけでは、魔王を倒せるかどうか心配だからですか?」


 ミトゥースの質問にフェミニースが答えた。


「今回の魔王は、私が思っていたより優秀です。アナタの言うとおり、おそらくクリスティーナだけでは倒せないでしょう。でも、あの子を送ったのはその為ではありません。まあ、来たるべき時の保険というところでしょうか。勿論、あの子は良い子なので、活躍させてあげたいという気持ちもあります」


(まあ、紫音が転生するとは限りませんが……)


 フェミニースは、そう思いながらアキのこれからの人生に、幸あらんことを祈る。


 ######


「という訳で、ここまでで第一部”アキちゃん転生する”終わりだよ。紫音ちゃん、何か質問ある? なければ続けて、第二部”アキちゃんBL漫画家になる”を始めるけど……」


 突然のアキからの質問の受付に、紫音はどうしても聞きたいことを聞く。


「アキちゃんは、いきなり【女神武器】を貰ったの?!」

「うん、少しゴネたら貰えたよ」


 紫音は自分も、もう少しゴネればよかったと思ったが、後の祭りであった。


 フェミニースの性格上、お気に入りの紫音がゴネても上手く言い包めるか、例の金色瞳洗脳で渡さなかったであろう。彼女は紫音に頑張って活躍して欲しいからだ。


「でも、紫音ちゃんは頑張って、努力して女神武器と戦う力を手に入れたじゃない。だからフェミニース様の言った通り、紫音ちゃんの周りの人達は、その力を認めているし、期待しているんだと思うよ」


「そうかなぁ……」


 紫音はアキの言葉を、聞いて少し照れながらそう答える。

 アキが続けて話をしようとした時、時計が夜の11時を告げる音を鳴らす。


「もう、そんな時間なんだ。紫音ちゃん続きは明日にするね」


「そうだね。じゃあ、おやすみアキちゃん」

「おやすみ紫音ちゃん」


 二人は就寝することにした。

 紫音はすっかり忘れているが、リザード侵攻まで後2日。



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