夜を漂う
浮遊感。
体からふんわりと何かに抜き取られていく。
そんな感覚。
僕から抜き取られたソレは、どこへ向かうのだろう。
僕はただ抜かれるだけなのだ。
僕は僕を抜かれると、まるで目が見えないように感じる。まるで記憶を保存する脳がないように感じる。
僕の抜け殻は、命を無くしたかのように不明確だ。
そして、僕の意識はどちらともにもいない。正確には抜け殻に存在しているが、電力のない記憶端末は果たして制御するのか。ということだ。
夜に起こる不思議な必然。
今僕は、どこにいたんだろう。