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【その4】 最初の課題

 課題内容《脱出》


「この部屋は今、教室丸ごと別の場所と入れ替えておる。例えれば、異なる絵のパズルの1ピースを交換したようなものかの?……では、ここからが本題であるから、よく聞いておくように。君達へ課されるのは、全体を頑丈に封印された密室状態にあるこの空間からの離脱。手段は問わない。ただし、3人協力して事にあたるように。では、諸君らの健闘を祈る」


 がははははは……と豪快な笑い声に乗せて、言い終わると同時に掻き消えた担任。


「あたし、マアサ。真実の朝と書いてマアサよ」


 訪れた静寂を破ったのは、俺を何故か敵視する少女。

 鋭い眼光が和らいでいるようで、少し安堵する。


「えと、俺は……」


 言いかけた俺を、マアサが手を上下にちらつかせて制止した。


「アスラでしょ。知ってる。カルラ君が直々に面倒みてるんでしょ。あ~もう、ムカツク!」


 急にムカつかれて驚いた俺の横に、レアがやって来て耳打ちする。


「こやつ、カルラを好いておるのじゃが、ミヨが怖くて近寄れぬのよ。可哀相にのぉ」


 ああ、そうなんだ。あんなのが……女子はすぐに王子様な見かけに騙されるんだよな。

 しかし、どうしてそんなに事情通なんだ? レア。……とか悠長に疑問に思っている場合ではなかった。再び目の前で険悪な空気が……!


「この距離で聞こえるように耳打ちすんのやめてくれる?……あんたね、あの女がどれほど恐ろしいか知ってるの? 身の毛もよだつ幻覚幻聴の精神攻撃。カルラ君に近づく女はあいつに廃人送りにされるって周知の事実なのよ」


 一度は殺されかけた二面性ありの相手だけに、意外とまでは思わないが、軽くショックを受ける。

 まあ、俺は男だし標的にはなるまいが……。


「そうか? あれは、わらわに良くしてくれるぞ」


 レアの勝ち誇った顔。

 いやいや、お前は神獣だから。規格外だし。獣は例外なくお前の下僕……みたいなことミヨが言ってたし。


「なんで?! そう見えて、さては、あんた、女装マニアな男?!」


 何も知らないマアサは困惑ぎみである。

 すっかりレアに翻弄されて……可哀相に。


 

 ところで、課題の事、覚えてる?


 俺はクラス委員として、この場を軌道修正せねばっ!


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