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WIZARD KNOW FATE  作者: 詩星銀河
序章「切り開かれた未来」
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第一話「栄光の始まり」

いきなり主人公に好機が訪れる。戦闘シーンはまだ出ません。申し訳ない。でも、取り敢えず第二話に繋がるので、読まないと先に進めないでしょう。

 俺たちが知っている人類は子孫に向けて伝承されて来た時から【魔術】と言う存在が多く語られていた。魔術は人類の歴史が紡がれて書物に記す技術がもたらされた時に記録されていた一種の術として扱われた。魔術が起動するために不可欠となる魔力を持たないで生まれる赤子は存在しないと記述されるぐらいの要素だと魔術学会の発表が塗り替えられることはなかった。


「ふーん? 未だに外国は復興が出来ていないんだな? それはご苦労になっているみたいじゃん。しかし、俺はそこまで興味はないかも知れない」

「同感です。しかし、先輩は恐れないんですか? 日本人は他国と比較しても体格差がある事実を? やはり、こちらも体格に恵まれたいと思っている人たちの声が頻繁に上がっています」

「バカを言うな。体格で比べるなよ。お前は日本人がどれだけ優秀に至る人材が多い理由も分からないか?」

「いいえ。確かに日本人は魔力量と技能で外国人を遥かに超えた存在だと世界の学者は語ります。しかし、先輩の場合は規格外です。それに現在の学説は一人に一つまでが条件だと記してあります。しかも、先輩の他に二つの術式を持つ術師はいないです。その点はどう説明するんですか?」

「三年生にもなれば分かるよ。複数の術式が扱える人物は歴史を振り返れば【竜神会】を結成した御門竜一だって一緒だろ? まだ調べてないのか?」

「はい……」


 俺の隣を歩いている稲葉九音が俺に向けて尋ねた質問は大した疑問にも捉えない解答を示す。それでも九音の表情は晴れない様子が窺える。それも当然の話だと理解している時点で九音に掛けた一言は簡潔に短い答えを授けた。


「ま、そんな気にすることはない。大丈夫だ」

「――は、はい……」

「じゃ、俺は教室に戻る。後で下駄箱に待ち合わせよう」

「了解です」


 そんな約束を交わして俺たちは別れた。九音を後輩に迎えて二年が経過するが、お互いの関係は崩れる気配を感じさせない。実際は九音の方が立場が上に思えるほどの実歴を持ち合わせているが、それは俺の示した実力と二年生の時点で修めた成績で覆っていた。それに俺は一般に定義されている法則を卓越した特徴がる。それが作用して稲葉家と仲良くさせてもえる理由になった。


「天翔真誠! 今回も凄い結果を出したな! この記録は我が校の歴史を塗り替えてみせたんだ! 誇りに思いなさい!」

「どうも」


 最後に呼ばれた俺が採点を終えた五教科のテストを受け取ると、周囲が一斉に俺を囲って点数を尋ねて来る。これは一年生の時に返された最初のテストから連続で取り続けられたことでお約束みたいになっている。俺の通う学校は日本でも上から三番目の難関校と呼称されているが故に他の八割が八十五点に至ることはなかった。しかし、俺はそんな限界を遥かに超えた点数が取れる唯一の天才と噂される逸材だった。それが理由で俺の目指す場所は当然ながら【正規術師】として契約を交わすことに定めている。正規術師になるための条件は大学を卒業した時点で一定の魔力量と素質を持ち合わせた人材だけが契約の対象である。その枠に入れる人材は基本的に二十五歳までに一級の資格を取る必要が生じる。そこで日本で定められた階級は全部で二十五個に及んで存在する。

 ちなみにうちの学校に入学する場合は五級の取得を求められる。小学校を卒業した頃までに五級を取得するなんてことは一般だと少し難しいと言われるレベルである。中学一年生に上がって実践経験を積んでからの方が五級は取得しやすい傾向が強い。しかし、五級に関しては小学五年生に上がった時点で取得は出来てしまう。


 そんな俺が視覚で捉えた点数は見事に満点が記されていた。この結果に周囲は唖然として驚愕する。こんな点数を叩き出した人材はこれまで一人もいなかったぐらいに希少だと言われていた。もはや、これなら学力だけで上から二番目に高い偏差値を誇る大学に通えてしまうレベルに達しているとも評価できる。しかし、それは実際に学力に限定した場合の話に過ぎなくて本来は魔術技能でも一定の評価を超えないと入れなかった。


(ま、こんなもんだよな? しかし、何でこれだけ簡単な問題で八十五点の達成が難しいんだろう。そこが少し疑問すぎる)


 実際は周囲が取れる点数が一般で出せる記録で、俺が記録を更新する前は九十点が頂点だった。それが俺に越されるなんて以前までの記録を出した奴はきっと悔しく思うだろう。


 そして周囲を先生が沈めて全員が席に戻った後で全体に宿題の話が始まる。

それはテストの解き直しであるが故に俺はあまり関係なかった。しかし、宿題に関す

る話を終えた後になって先生は俺に向けてだけ放課後の呼び出しを告げる。


「真誠は放課後に校長室を尋ねなさい。そこで校長先生が今回のテストを通して伝えたいことがあるらしい。きっとお前も歓喜するような内容だ。期待すると良いかも知れないな?」

「――え? は、はい……」


(話って何だろうな? 少し気になるぜ)」


 そうやって俺は校長室に呼び出された。そこで何の話がされるのかなんて分からない。しかし、そこまで悪い話は聞かされないはずだと思いながらも放課後を迎えて速やかに向かった。


「失礼します!」

「入りなさい」


 俺が校長室の扉をノックして中にいる校長先生が返事する。そして入室の許可を得た俺は中に踏み入ると、そこで待ち構えていた校長先生は背を向けた状態で話を始めた。


「よく来てくれたね? 君は入学した当初から凄い成績を残してくれたことはこれまでに報告があった。そして今回も見事に歴代の記録を超えることが出来たようで何よりだ。取り敢えずそこに座りなさい?」

「失礼します」


 俺は言われた通りにソファに座った。この経験は俺に初めての感覚を味合わせてくれた。それと校長先生の話した成績が今回に深く直結している事実は分かり切ったことだった。しかし、成績が良かったとしても、それでどんな用件が聞けるのかは未だに不明である。けど、それが良好な話だと少しだけ期待しながら校長先が事情を説明する。


「実は君の卒業した後に進学したい志望校はすでに聞いている。そこを目指したがる理由は私にも分かるような進路だった。そんな君はすでに我が校を大きく揺るがす成績を叩き出したことで志望校の了承が得られたよ。君だけが【都立天成高等専門学校】の入学試験をいち早く受けても良いと了解された。つまり、君は誰よりも早い段階で試験を受けられる」

「――え? 俺がもう天成高専の試験に受けても良いのかぁ?」

「そうだ。これも君の実力が本物だったことが大きな理由になる。きっと天成高専でもやって行けると判断して下した結果だと思ってくれ。君は生まれ持って二つの魔法が扱えるだけの実力者でもある。これまでの成果が君を進みたい道に行かせることを早めた事実は決して揺るがない。だから、三ヵ月後に天成高専で入学試験を受けなさい。君なら出来ますよ?」

「――なっ⁉ ほ、本当ですか!? そんなことがあるなんてとても信じられません」

「嘘だと思うなら机の上に置いてある封筒から中身を取り出して読み上げなさい」

「こ、これですか……?」


 俺は目前の机に置いてある封筒を手に取った。その見た感じは大して普通としか思えない茶色い普通だった。そこまで特別と言えるような印象は感じられない。しかし、肝心なのは仲間の方だろう。

 俺が封筒の中身を取り出してみると、そこに入っていた紙を広げて読み上げる。それを読んだ瞬間に驚愕の事実が記されていた。


「ほ、本当に早期の入学試験を行う権利が記されてやがる……! 三ヶ月の期間で入学試験に受かるための猶予が与えられたのか?」

「分かったようだね? まぁ、急にも思えるが、君なら出来ると思って提示した話だ。後は君が受けてくれると了承があればこちらが伝えておく。どうするんだ?」


(こ、こんなチャンスは滅多にない。それにチャンスを与えて来たのは俺の憧れた天成高専だろ? それがこれまで頑張って励んだ勉強と魔術技能に見込みがあるからだとすると逃して良いはずがない。ならば、これは受ける必要性は十分にある……!)


「こ、こんなお誘いなんて本当に良かったんでしょうか? やはり、単純に

成績が良かったからと言ってこんなチャンスが与えられるなんて簡単に信じる方が難しいですよ」

「分かっている。だから、明日は一時間目の授業に出ないで校長室に来なさい。そこで天成高専で現代最強とも言われた鬼桜桃介先生とお話が出来ると良いだろう」

「ええっ⁉ あの桃介先生ですか!? それはやばいですよ……。さすがに現代で最強に近い桃介先生が話の相手になるなんて前代未聞です!」

「そうは言っても彼だって一人の人間だ。誰と会話を交わしたって良いと思うんだけどな? やっぱ君のように希少な人材は是非十話したいと希望しているぐらいだ。そこは高を括って話しなさい」

「そ、そこまで言うなら良いですけど……」


 そうやって俺は明日の一時間目を潰して伝説にもなるかも知れない桃介先生と対面する予定が組まれた。これを実現させることなんて一般人では出来ない話だ。つまり、俺に実現できる理由はそれだけの価値があるからだって考えるのが普通だろうと考えた。


 そして次の日。俺が約束した時間に校長室を訪れる。校長室に入った瞬間に俺は目の前にした光景に驚愕を覚える。


「お? やっと来たのか? お前が天翔真誠だな?」

「――へっ?」


 そこで聞き覚えのある声が俺に呼び掛けた。実際に声の主は俺の驚愕に対して済ました笑顔で一言だけ返す。


「初めまして。僕は鬼桜桃介と言います。今回は君の噂を確かめるために来させてもらいました。どうかよろしくお願いするよ」


 この瞬間が始まりだった。この後で話される内容は想像を遥かに超えた一言で俺の好奇心を掻き乱す。

次回のお話で術式が明かされます。少し術式の解説があるので、お楽しみに!

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