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3/11

~3~ レベル上げは順調也

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 この時間のニュースです

 昨夜、〇〇町の一軒家でミイラ化した死体が発見されました。警察の発表によれば、この家の住人、○△□□さんの行方が分っておらず、身元の確認を急いでいるとの事です。

 次のニュースです、

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 んーー、あ、さ、いや、もう昼だ。

 スマホの充電、忘れて寝てた。


 昨日、帰ってからエゴサしまくった。

 このゲーム、他にプレイしてる人がいるかも?って。

 ここ半年はSNSアカウントを放置してたから、知らなかったけど、マイナーゲーム愛好家みたいな奴らの間では、このゲームの噂がされていた。



「ノルマのラスト、いつも出てくる魔女、強」


「ノルマやりきらんで、日を跨いだら、ステータスがクソでワシ、シぬかも」


「クソグロ魔女がレア武器落とした」


「〜さん、見かけないけど、まさか……」



 うーん、存在は知られているけど、この呟きしてる中の、何人が本当にプレイしているのか?

 プレイヤーしか知らない内容を呟いている、アカウントは五つだった。


 その内、まだ稼働しているのは一つ。



「ランク、もうすぐカンスト」


「けど、魔女強過ぎ」


「はよ、誰かカンストして参加してくれー」


「五人はおらんと、あんなん無理」



 アカウント稼働していない残り四人?は、どうなった?

 ゲームの説明文にあった、異世界へ逝ったのか、それともこいつに殺られたのか、ラストの魔女戦とやらで死んだか?

でも、マルチプレイヤーだよね、このアカウントの中の人。



 どっちにしろ、ランクもスキルレベルも、全部MAXにしなければ!

 自分の前に立ちはだかる輩は、ブチ殺す。




 それから、三日が経ち、わかった事がある。

 その日のノルマであるモンスターは、その日のノルマである魔女の眷属らしいということ。

 つまり、モンスターを真面目に倒して得たスキルレベルで、魔女は大体倒せる。

 苦戦しないわけではないが。


 ダークモンク、特有の仕様、スキルを上手く使って、身体でブチ殺す。

 これは自分には性に合っていた。



 おかげで、今のステータスがこれ。


『ヒカリ

 ランク107

 HP34500/MP8980

 ・称号/蜂への災厄・魔女の呪いを弾く者

 ・スキル/身体強化レベル190・跳躍レベル250・クリティカルレベル255・炎拳レベル110・氷拳レベル109・毒拳レベル70・毒無効レベル50

 ・殲滅系スキル

 暴食レベル50/誘爆レベル180/幻夢4/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示]


 増えたのは、殲滅系スキルの幻夢。

 これは自分の意思で、他者に幻覚を見せられるスキル。

 バトル中じゃなくても、発動出来るから便利。


 試しに、勉強中の自分、の幻覚を部屋に掛けて、ノルマバトルをこなし、帰宅した。


 見事に成功。

 母は、幻覚の自分と会話したようだ。


「あら、お風呂に入ったんじゃなかったの?さっき、今から入るって」


 と玄関ではち合わせしてビックリ。


「あーー、その前にコンビニに行ってきた!今から入る〜!」


 幻覚との会話、その内容が自分にはわからない、それだけがネック。

 しかし、重大なのはソコじゃない。

 スキル対象はゲームの参加者限定ではない、とわかった事だ。


 全てが現実に似せたゲームの世界、という可能性もゼロではない。



【第三の目】以来、レアドロップもURドロップも無い。

 あれで幸運を使い果たしたのか?泣ける。

 そろそろ、手か脚の攻撃装備が欲しい。

 やたら硬いモンスターをイチイチ、燃やす、冷やす、殴る(蹴る)を、何体もやるのは時間がかかる。

 誘爆も外皮が硬いとダメージが低い。


 ゲーム開始から、やたら昆虫系のモンスターが多い。

 ポイズンビィはまだ軟らかかった、この前のアレはなに!

 でかいGの群れ、キモい上に硬い。

 頭イカれた魔女だよ、Gを眷属にするなんて!


 経験値だけは高かった、ランクが60から一気に100越えたもの。

 Gの群れで挫折するプレイヤー、いそう。


 そして、今日。

 目の前には明らかに昨日までとは違うモンスター。


[ケルベロス 0/3]


 強いから、ノルマ体数低め?


 大きいぃ。


 取り敢えず、跳躍からのぉ、踵落とし!!


 ドゴォッ


 真ん中の頭を地面に叩き潰し、素早く後方へ退き、そして横へ跳び、回転を加えて、炎拳誘爆!!!


 ドドドドン!!!


 残る二つの頭が吹っ飛び、討伐エフェクトが出た。


 え、全然強くない、Gより、柔か〜。

 あれか、頭三つあるだけのわんこだからかな。


 ケルベロスという名のわんこ、三体討伐すると、いつもの通り、魔女の位置がMAPに表示された。



 今日はマンションにいるのか。

 うわ、この魔女とのバトルフィールドに反転する感覚、慣れないなあ。



[魔女エリアに入りました

『哀しみの魔女サハリエル』を討伐して下さい]


 この魔女、頭三つが拘りなのか?

 流石に、人の頭が三つうねうねしているのは不気味。

 身長は五メートル位ある、魔女だろうが、頭上から見下されているのは、めちゃ気分が悪い。

 その頭を垂れさせてやる。


 一つ?一頭?だけ、目を閉じているな、瞼上げたらビームとか出るかも、そんなゲーム的予感。


「その前にブチ殺す」


 素早く魔女の下へ駆け込み、魔女の足元を潜り抜け、後方へ出る。壁に駆け上がり、跳躍!!

 身体を捩じる勢いで後頭部へ氷拳を食らわす!!


 寸前に、魔女の真ん中の首がグリンと捻れ、カパァ、と口が開く。



 口が耳迄裂けていて、魔女のギザギザの歯が、自分の右脚をガリリと噛み切った。



「っいたぁあああっ!!!!!!!!」


 マジいてぇ、グンと減ったHP、回復に即座にポーションを使うが、脚は生えない。

 炎拳を纏った掌を切断面にあて、焼いて血を止める。


「はー、はー、はー、オッケー、痛みは麻痺してきた」


 でもちょっとクラクラする、血がかなり出たから。


 魔女は自分の脚を、喉を鳴らし飲み込んだ。


 ボコ殴りで殺るのは無理か。

 あ~、もう、これ使うと一瞬で終わるから、嫌なんだよ。

 再生スキルが無いのが悔しいな。


 尻を地面についたままでいると、さっきよりクソ魔女に見下されてる感が強い。

 腹立つ、クソ魔女。


「勝ち誇った顔をだねぇ、人食い魔女」


 魔女は、自分がモンクだから脚を無くせば、怖くない、とでも言いたげだ。


「自分を食う?お前なんかに食えるかなぁ?」


 ははっ、とわざとらしく笑ってやる。


 魔女は予想通り、大きな口を開けて、自分を臭い口の中に収めようとした。


「ざぁんねん」


 ほんと、もうちょっと警戒しろよ、馬鹿魔女。


 スキル、暴食。


 魔女が一瞬で食われる、自分の頭に出来た口に。


 吾ながら、このスキルはえぐいと思う。


 げぷ。



 暴食、一瞬で丸飲みしてしまうスキル。

 ボコ殴り出来ないから、あまり使わないんだけど。

 これ、喰うだけで、自分にレベル上がる以外は、なんの効果も無いんだよなぁ。


 と、思ったら、魔女に喰われた筈の脚が生えた。

 どういう仕組み?

 暴食で喰ったものを素材として生えるとか?

 喰った中に自分の脚があったから?


 これは検証の余地がある。

 魔女エリアでの傷は、エリアが消失しても残ってる。

 う~ん、暴食で再生能力の代わりになるのか、他のスキルの影響か?



[『哀しみの魔女サハリエル』の討伐クリア

 称号・魔女喰い、を獲得

 ランクが118になりました

 討伐報酬

 SSR武具

 ・ディプライブクロー、を獲得]


 お、初めての武具ドロップ!!


[ディプライブクロー/格闘用武具/左腕用

 /武器スキル 強奪※相手のHPをクリティカルヒットでMax値の三割奪う]


 おぉ、初ドロップにしては、良い武器が来たんじゃない?



『ヒカリ

 ランク118

 HP47500/MP9990

 ・称号/蜂への災厄・魔女の呪いを弾く者・魔女喰い

 ・スキル/身体強化レベル199・跳躍レベル255・クリティカルレベル258・炎拳レベル112・氷拳レベル109・毒拳レベル70・毒無効レベル50

 ・殲滅系スキル

 暴食+レベル100/誘爆レベル181/幻夢4/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示

 ・憤怒系スキル

 怒気レベル1/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示/ランク不足の為非表示]


 一気に暴食レベルが上がってる!

 +がついている、タップで表示が出た。


 [※+の効果、暴食で喰らった容量だけ、肉体に再生効果有]


 これか!

 肉体再生の為にも今後も暴食を使おう。


 ん?

 ちょっと待って、憤怒系スキル、ってなに?

 あんまりスキルが増え過ぎると使いきれないなぁ。


 [憤怒系スキル

 ダークモンク固有スキル

 ※怒りを発端として討伐する事で獲得出来る]


 獲得設定が細かいな、まぁ、いっか。

 魔女を丸飲みしたのに、お腹が空いた、暴食は別腹ってね。


「さぁてと、帰ってご飯食べよ、明日も頑張るぞー」


 とわざとらしく大きめの声で言ってやる。

 第三の目に、物陰に隠れて、コッチをガン見してるおにーさんが見えるけど、気がつかなかったことにして、まいて帰ろう。



 あの人、魔女の空間に一緒に入ってきたから、プレイヤーだな。

 人の脚が喰い千切られても、平然と見ていたんだから、味方ではない。


 プレイヤーキル、このゲームでは禁止事項じゃない。





 楽しみが、増えた。


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