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水が合う?合わない?ー2

 前回に引き続き『軟水』『硬水』に合う食材・料理を見てみましょう。


『軟水』に合う食材・料理は?

◯白米を研ぐとき、炊飯するとき

 お米は最初に水につけたときに最も水分を吸収するので、研ぐときも『軟水』を使用すると良いでしょう。

 おいしい『軟水』で炊飯すると、国産米の特徴であるふっくらと甘みのあるご飯が炊きあがります。

◯昆布、かつお節、椎茸、いりこなど和風だし

『軟水』でだしをとると、うま味成分がほどよく抽出され、味全体に丸みのあるおいしさが生まれます。

 水出しにも適しています。

◯野菜を煮る

『軟水』で野菜を煮ると、やわらかくなります。

 野菜の煮ものを作るときにも、だしや調味料の味染みが良くなります。

◯魚を煮る

 煮魚にも、素材の味を引き出す『軟水』が最適です。

 身をふっくらとさせ、味染みが良くなります。

◯湯豆腐

 昆布だしで豆腐をゆでるシンプルなお料理も『軟水』が向いています。

『硬水』でゆでるとマグネシウムが豆腐を固くしてしまいますので注意しましょう。


『硬水』に合う食材・料理は?

◯パエリア、ピラフなど歯ごたえのあるお米料理を作るとき

 洋風のお米料理などで、仕上がりに歯ごたえを残したいときは、『硬水』が向いています。

 また、お米は国産よりも、粘り気が少ないヨーロッパやタイのお米のほうがより適しています。

◯肉を煮るとき、肉の骨などからスープを作るとき

 牛肉、豚肉などのかたまり肉などをじっくり煮込む料理には『硬水』がおすすめです。

『硬水』に含まれるカルシウムと、肉を硬くする成分のたんぱく質は結びついてアクとして抽出されます。

 そのため、ていねいにアクを取ることで肉はやわらかく、澄んだおいしいスープに仕上がります。

◯パスタをゆでるとき

 パスタ料理も『硬水』が向いています。

 パスタのデンプンと『硬水』に含まれるカルシウムが結合して、麺自体にコシが出るからです。


 上記で少し触れましたが、ヨーロッパにも出汁文化があります。

 スープのベースとなるブイヨン、ソースのベースとして使われるフォンなどが旨味スープの典型ですね。

 これらのスープの旨味を担う主役は、獣肉や鶏肉に含まれる旨味成分であり、主なものはイノシン酸になります。

 ブイヨンやフォンの作り方として、獣肉や鶏肉を煮てイノシン酸を抽出します。

 その過程で褐色の泡が出てスープが濁ってきます。

 これが、灰汁(アク)です。

 この灰汁を丹念に取り除くと、いわゆる生臭さが取り除かれ、旨味成分が濃集したスープとなります。

 この灰汁は、肉に含まれる動物性タンパク質や脂質が、水に含まれるカルシウムと結合したものです。

 重要なことは、カルシウムを多く含む水を使った方が、より清浄なブイヨンとなるという事です。

 ブイヨンの本場であるフランスをはじめとしてヨーロッパの水は、その多くがカルシウム豊富な『硬水』です。

 フランスで肉を使ったスープ文化が花開いたのにはこんな背景があるのです。



『軟水』は昆布や鰹節から出汁を取れるが、肉から出汁を取ることが難しい。

『硬水』は肉から出汁を取れるが、昆布や鰹節から出汁を取ることが難しい。


 ということで、その土地の水や風土にあった料理や食材が選ばれて、培われてきた『食文化』があることがご理解いただけるかと思います。


 日本の食はレベルが高く美味しいと思いますし、海外からの観光客にも好評な事は事実です。


 ですが、それぞれの地域で育まれてきた文化にそのまま放り込んで、簡単に受け入れられると思うのは『傲慢』としか言いようがありません。


 それは、異世界でも同じでしょう。


 中国の現地そのままの料理を提供していた『中国料理』が、日本という国に受け入れられるためにローカライズし変化した『中華料理』を生み出したように、『日本料理』という食文化を異世界に広めたい、美味しいと感じて欲しいと思うのであれば、現地の文化を理解し、現地の人々にあった食材と水を使用してあげてください。


 日本には、水が関連する言葉がたくさんあります。

「水に流す」「水の滴るような」「水にする」「年寄りの冷や水」などなど。

「湯水のように使う」なんて、水が豊富な国だからこその慣用句ですね。

 私たちにとって常に使用している『軟水』が『何処でも一般的』という認識になりがちです。

 日本で修行した和食の職人さんが海外で出店すると困るのが、水だそうです。

 水は生物にとって欠かせない物だからこそ、粗略に扱わないで欲しいなと思います。


「水が合う」という言葉があります。

 その土地の環境になじむ。組織などに適応する。などといった意味合いです。


『硬水』はミネラルが豊富ですが、日本人の体質にはあまり合わずお腹を下してしまうことがあるようです。



 望んだものなのか、望まないものなのか、それはわかりません。

 数奇な運命に導かれ、異世界へ赴くことになった『あなた』が現地の水に合いますように。

異世界物に水をさす事ばかり、つらつらと書き連ねてきました。


また何かイチャモ…いえ、意見などを思いつきましたら、書いてみようかな?と思います。

ニーズがあるか、わかりませんが。


評価や感想などお待ちしております。

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