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お風呂に入りたい!ー1

 言語や習俗など色々な壁を乗り越えてきたあなた。

 頑張ってきたあなたには一つだけ我慢できない事があります。

『シャワーだけなのはもう嫌だ!大きいお風呂に肩まで浸かって入浴したい!』

 日本からシャンプーやボディソープを取り寄せられる能力を持つ人もいるかも知れません。

 となれば、やることは一つ!

 日本人の魂である風呂文化を異世界に広めるのだ!

 ………とりあえず大きなお風呂になる桶を買いに行くところから始めようかな?


 ・・・

 ・・

 ・


 確かに入浴する習慣をつけて身体を清潔に保てば健康になれる。と思うのは、我々日本人ならば常識として持っていることです。

 お風呂に入る入浴習慣がある人の方が、シャワーのみで済ませる人より清潔という印象があるかも知れません。

 海外の方から『日本人は綺麗好きだ』なんて言われたりします。

 でも、日本に観光に来た外国人から温泉や銭湯などは非常に好評ですよね。

 こう思ったことはありませんか?

『自分達もシャワーだけじゃなくて、肩まで浸かることができるお風呂を作れば良いのに』

 技術的に作れないわけではないでしょう。

 お風呂に入るのが好きなのに、自分達の国では作らない。

 何か理由がありそうです。


 では、なぜ海外では入浴文化がそれほど一般的ではないのでしょうか?


 このことは、結構無視できない問題です。

 日本準拠で考えるとおかしなことになってしまいます。


 答えは、水にあります。


 日本の水は『軟水』です。

 そして、ヨーロッパの水は『硬水』です。

『軟水』と『硬水』の違いは、「硬度」です。

 硬度というのは、水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量で、WHO(世界保健機関)が定める基準では硬度120mg以上が『硬水』、120mg未満が『軟水』とされています。


『そんなの知ってるよ!要はヨーロッパの水はミネラルウォーターってことだろ!』

 と思った人も少なくないでしょう。

 正解!ではあるのですが、これもちょっと違うんです。


 飲用した場合にはどのような違いがあるのでしょうか。

『軟水』は、まろやかな口当たりとさっぱりとした風味が特徴です。

 私たちが普段日本で飲んでいる水道水はほとんどが『軟水』ですので、日本人には硬度の低い水のほうが合うといわれています。

 日本産のミネラルウォーターもよく販売されていますよね。

 これは、成分的にいえば『硬水』ではなくて、ミネラルを含む『軟水』なんです。

 海外旅行にいった際、現地で購入したミネラルウォーターが少し苦い気がしたあなたは、味覚が鋭敏ですね。

『硬水』はミネラルが多いので、口当たりが重く苦みを感じます。


『軟水』と『硬水』の違いは何処から来るのでしょうか?

 それは、土地です。

 日本は、花崗岩(かこうがん)が多い上に山から海までの傾斜がきつく起伏の激しい地形です。

 水の浸透が早い花崗岩を通ってろ過された雨や雪は、山から海まで流下する速度が比較的早く、ミネラル成分の浸透が少ない『軟水』なります。

 ヨーロッパは、石灰岩が多く山から海まで傾斜のゆるやかな地形が広がっています。

 雨や雪はゆっくりとミネラル豊富な石灰層を通ってろ過され、ミネラル成分がたっぷり溶け込んだ『硬水』になります。


 むしろ、『軟水』が基本である日本は世界的には珍しい地域だということをご理解ください。



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