グダニスク中央駅~
朝日を浴びながら駅のホームで列車を待っているわたしの鼻孔へ、微かに潮の匂いがやってきました。
ただその潮の匂いもわたしの右手が持っている物が発するスパイスで打ち消してしまいます。
当然匂いを発しているのはギターではなくチキンです。
ギターから匂いがしたら大問題です。手放してしまうかもしれません。
大丈夫ですちゃんとギターケースは担いでいます。
何故チキンかというと、朝早くからやっている飲食店が白いスーツのおじ様が目印のフライドチキンのお店しかやっていませんでした。
昼間には駅から出るとプンプンと香りだたせているケバブ屋さん達はまだお眠の用です。
チキンを買ってから駅構内の地下通路付近にハンバーガー屋を見つけて少し後悔をしました。
そこは10ズウォティのハンバーガーを1つ買うと、朝だけコーヒーを一杯サービスしてくれるそうでした。
チキンを食べ終わると同時にポーランドの高速国鉄EIPが入ってきました。
チケットに書かれた番号の席に座ります。
当然ギターの分の席も買ってあります。
他の席へと向かう乗客たちが通り過ぎるたびにちらちらとこちらを見てくるので、ギターケースにチケットを貼り付けました。
EIPが走り出すとあるものが運ばれてきました。
そう、朝食です。
ここでまたわたしはフライドなチキンを買ったことを後悔しました。
なんとギターの分も運ばれてきたのです。
最初に運ばれてきたのはクロワッサンとピエロギでした。なんとか2人前食べ終えると、乗務員さんが尋ねてきました。食後のコーヒーは一人前でいいですか? と。