表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦争屋  作者: l⊥l [+]
間章
7/7

間章 III 愚者

ゴミをぐしゃぐしゃにしてゴミ箱へ。

しかしこれは更なる崩壊の引き金(トリガー)に過ぎなかった。


米国は大国だ。

土地も火薬や核も大量にある。

少なくとも、それらを巡って戦争が起きる程度には。


米国が滅んだのなら、それら資源はどうなるのだろう。


各国は援助という名目でこぞって兵を挙げた。


旧米国内で起きた小競り合い。

その火種が徐々に大きくなる。

最初は数人での言い合いだったものが、殴り合いへ発展する。

殴り合いの規模が大きくなり、部隊規模になってくる。

すると、殴り合いに銃を持ち込むヤツが出てくる。

向こうも銃を持ち出し、銃撃戦にまで発展。

こんな風にどんどん規模が大きくなり、やがて旧米国内での争いから国同士の戦争になる。


旧米国内だけでなく、様々な場所が戦禍に巻き込まれていき、たどり着いたのは第三次世界大戦だった。


アインシュタインはこう言ったという。

「第三次世界大戦がどのように行われるかは私にはわからない。だが、第四次世界大戦が起こるとすれば、その時に人類が用いる武器は石とこん棒だろう」

第三次世界大戦で核が使われ、文明が滅ぶというのだ。

よもや、その予言通りになるとは。


それから数年後。

最早争うことに疲れた人類が次にしたのは群れることだった。

知識と集心力のある人の元に他の人が集まって来るのだ。


しばらくすれば殆ど集団の形は出来ていた。

そのときできた集団は二つ。

帝国と、王朝だ。


帝国はもともとある程度賢い者達が集まって暮らしていた所へ、他の者が入れてくれと頼みにきたのだ。

そのため、初期メンバーと後から来た者の立場の違いはあったものの、激しい身分差なども無く、平和な集団だった。

帝国という名前は、後から入った者の一人が、初期メンバーをふざけて(みかど)と呼んだことに起因する。


一方、王朝は付き合いのあった友達同士が、一人をリーダーとして組織を作り、そこに人を呼んで規模を大きくしていったもので、初期メンバーがリーダーの事を王と呼んでいたため王朝となった。

その後、初代王は自らの子供に反逆を起こされ死亡。

その子供がリーダーとなった。

以降、その王は初代王の頃の集団を古王朝と呼び、自らの代からの集団を新王朝と名乗った。


結局、私はこのどちらにも馴染めず、逃げる場所を探した。

一人が怖かった。

当然、逃げる場所など何処にもありはしなかった。

そこで、コールドスリープという逃げ道を選んだ。


それから800年程が過ぎ。

戦乱の音で目を覚まし、今に至る。

間章はこれで終わりです。

次回 第981次戦争 I 失われた技術

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ