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戦争屋  作者: l⊥l [+]
間章
6/7

間章 II 過去語り

設定的には一応現代地球の未来みたいな感じっす。

少し昔を思い出した。

私は格闘技の大会を観るのが結構好きだった。


今はもう、そんなものは無い。


私は過去の人間だ。


今から8世紀以上も前のこと。

西暦2062年12月25日。

クリスマスに世界へ届けられたのは、米国の研究所で研究中のエボラウィルスが何者かに盗まれた、というニュースだった。


思えばこれが悲劇の始まりだったのだろうか。


翌年、西暦2063年1月2日。

ウィルスを盗んだという犯行グループから、犯行声明が出された。

内容は至極単純なもので、米国大統領と話をさせろ、というものだった。

最後に彼らはウィルスは自分達が持っている、少しでも何かしようものならこれをばらまく、とこれまたシンプルな脅しを言って締めた。


その数時間後、彼らと大統領によるテレビ会談が始まった。

彼らが主張したのは次のものだった。

まず、黒人の人権について。

彼らは黒人と白人が半々ぐらいのメンバーだった。

次に、移民の受け入れについて。


それらが終わり、次の話に移ろうとしたときだった。

突然、犯行グループ側の画面が揺れた。

そして、パリンという音が聞こえた。

……犯行グループの拠点は火山の近くにあった。

その火山が噴火したのだ。


「おいまさか!」

「確認してきます!」

「大丈夫なはずだ。あれにはしっかりロックがかけられている。」

そこで彼は気付いたのだろう。画面の向こうの尋常ではなく真っ青な顔をした大統領に。


「ヤバい!ロックがハズレてる!」

「エボラは!?」

「漏れ出てる!」

「畜生!手前ぇハッキングしやがったのか?」

「あれは安全の為のシステムだってのに!」


結果として、漏れ出たエボラウィルスにより、犯行グループの拠点のあった市は24時間足らずで崩壊。

僅か3日で州全土にまで広がった。


これに対し政府は州全土に加えて隣接する市まで封鎖。

犯行グループの拠点のあった市から住民を避難させた後、そこに核弾頭を落としたのだ。

ウィルスのついた建物を壊すとかいう名目で。

大方、小型核の実験でもしたかったのだろう。

これが駄目だった。


放射線の影響によって、ウィルスに変異が生じたのだ。

より致死率が高く、感染力の強いウィルスへと。


最早終わりだった。

変異を遂げたエボラウィルスは、瞬く間に米国全土へ広がった。


他の国は、テレビ会談の中継によってウィルスの拡散を知っていたため、検疫で乗り切ることができたのだが、米国は滅んだ。


しかしこれは更なる崩壊の引き金(トリガー)に過ぎなかった。

この物語はフィクションです。

実際の国、土地、人物等には一切関係ありません。

次回 間章 III 愚者

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