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秋葉原ヲタク白書63 ゆるカル▼

作者: ヘンリィ

主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。

相棒はメイドカフェの美しきメイド長。


この2人が秋葉原で起こる事件を次々と解決するオトナの、オトナによる、オトナの為のラノベ第63話です。


今回は、ユルく"人類の終末"に備えるユルいカルト"ゆるカル▼"のJKが失踪し、コンビはアキバ中を探します。


どうやら、裏には終末に備えるプレッパー専用の"方舟"の存在があり、ソレに秋葉原名物の悪徳絵画商法が絡み…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 悪戯仔猫(イタズラこねこ)の家出


厨二病は、その多くが自閉症を自称するが、一口に自閉症と逝っても症状は多様なのだ。


「テリィたんは特別なの。私の中の悪魔を封じ込めてくれる人…だから、また話せる?」


そして、仔猫は僕を見上げ小首を傾げる。


「でも、私と絡むとちょっち厄介カモょ?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


場違いな御帰宅だ。


ココは僕の推し(てるメイド)ミユリさんがメイド長を務めるアキバのメイドバー。

人類初の月面着陸直前に起きた事象に準えて"訓練にない警報(アラーム1202)バー"と呼ばれる。


で、一応バーなんだけど、田舎の修学旅行みたいな赤ジャージの3人組が御帰宅してるw

まぁアキバのバーだからコスプレは慣れてるけど、その、何か、直球のジャージ姿だょw


AVにはナイ、モノホン田舎JKオーラだっ!


「あ!テリィたん様だ!ホントにいる!」

「きゃー!どぉしよぉ!」

「アキナ、チャンとテリィたん様に話しなよっ!」


御屋敷に衝撃が走り、僕の周りの人影が瞬時に消えて、半円形の人だかりに散開w

突然、動物園のパンダになった気分wミユリさんを見ると声を殺して笑っている←


ジャージαがオズオズと1歩前に出る。この子がアキナ?

ハリポタを無理やりツインテにしました式の眼鏡女子w


「テリィたん様。先日は御帰宅ありがとうございました」


ドッカーン!メガトン級の手投げ弾、炸裂!

全く覚えナイがどの御屋敷?ブルマカフェ?


「あ、あれ?どっかで会ったかな?ホントに僕かなー?もしや、お人違いでは?」

「高架下にオープンした"終末カフェ ノストラダムスのたまご"のアキナです。御帰宅いただいて楽しかった」

「あ、あのシェルター型の御屋敷(メイドカフェ)…」


数日前、スチームパンクの友達から蒸気系カフェが開店と聞いて逝ったら…終末カフェw

総武線の高架下にある雑居ビル3Fにあり、ヤタラ分厚いドアを開けると窓のない御屋敷←


核戦争の生き残りが集まるシェルターとの設定…ってその設定自体に無理がアルよっ!

せっかく3Fなんだから窓から外を見たいょ!メイドのヤタラ煤けたメイクも意味不明←


「で、あの時、テリィたん様に優しくしていただいたリンナが昨日から姿を消したのです」

「え?人探し?そーゆーのは万世橋(アキバポリス)に頼めょ。僕は1民間人なんだゼ?探偵でも傭兵でもありませヌ」

「ソレがリンナ、最近スミレさんと上手くいってなくて」

「スミレさん?誰ソレ?札幌ラーメン横丁の味噌ラーメン屋?」

「うふっ。テリィたん様、面白い。彼女は、イケてる(コスプ)レイヤーさんで(ヤク)の売人なのです」

「そ、そりゃマタ凄い人物設定…と逝うか、少し第1章から飛ばし過ぎでしょ?で、リンナちゃんとの関係は?」

「彼女と逢い、リンナはたちまち薬漬けにされてしまったのです!」

「ホ、ホントかょ?どんな凄腕売人なんだ?とりあえず、重要参考人αと命名しておこう」


ココで、巨乳担当?のジャージβが1歩前へ。

胸がプルルンと震え…ません。単なる妄想w


「だから私達、リンナが姿を消す前日だったけど、センセをカツアゲしたのん」

「カツアゲって…ソレは死語だょね?そもそもカツアゲをスル"不良"自体が絶滅危惧種だっ!」

「ゴメンナサイ!やっぱり私達の如き軟弱者にカツアゲは無理でしたん!」

「あっという間に撤回された!とりあえず、逝ってみましたって奴?しかし君、ゆるふわムードに反して発言がハードだねぇ」

「テリィたん様にホメられたん!」

「うーん。絶対に何かの禁断症状が出てるょな、君は?薬漬けなのはリンナじゃなくて、もしかして…」

「先週も、リンナを部活に誘ってたん。せっかくパーコ(レーター)でお茶会だったのにバイトと逝われて逃げられたん。ねぇ。ウチらのコト、カツアゲ三昧のビッチと疑っとるん?」

「だって、友達が失踪しても全く全然カラキシ心配してる風情がなけりゃビッチでしょ、普通は」

「心配はしとらん。怒っとる。リンナは、売人の女と逃げたん。友達が見たのん。女とランチしてるトコ。周りをヤタラ気にしてたって。ガリガリ女だそうょん」

「本人に直接聞いたの?」

「問い詰めたら黙ったん。で、アレやコレやで警察には届けランない。でも、最悪の事態も考えられるん。だから、昨日ちょっちサービスしたら、ヤタラと舞い上がってアキバで困ったコトがあったら何でも相談してくれ、探偵は(メイド)バーにいる、とか大言壮語してたトコロのテリ…」

「ちょっち待ったぁ!と逝うコトは…あ、あの、僕を見上げる、あの幼気(いたいけ)な眼差しは…」


ココでジャージ3人娘がドッと沸くw


「アレ、リンナの得意技」←

「…よ、よくワカラナイ展開だっ!ま、先ず、そのスミレ先生に会ってみるか!で、スミレさんはストリートのヒト?何処に逝くと会えるの?」


3人目のジャージγが前に出る。

彼女は…ツンデレ担当?一言w


「アキバ医院」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


名前からして、てっきり萌え系の店舗だと思ったら、ホントの医院。

裏アキバにひしめく中小の雑居ビルの中でヒッソリ営業中って感じ。


保険とか効かなそうw


「リンナちゃん?昔から弱い子でした。怪我も絶えないし…最近では腰痛にも悩まされてました」

「突然ですが…貴女は薬の売人デスか?」

「ええっ?!まさか!診断結果に応じ処方箋を書くだけです」


受付女子を即診察しないと自殺しそう!と脅して長蛇の老人行列を飛ばし診察室に突入。

中には日に焼けた人体模型や断面図、古びた機器に囲まれ、妖艶に微笑む白衣の美魔女。


ちょっと意味は違うが掃き溜めに鶴w


「父の診療所を継いだのです。未だ市場があった頃からの」

「おお?もしかして、ムチャ医師ともお知り合いですか?昭和通りの?」

「あぁ。やっぱり。貴方達がムチャさんが話してる"メイド長と作家のコンビ"ね?ホントにいたンだ。彼の妄想かと思ってたわ」←


こんなコトもあろうかと、昼からミユリさんにメイド服を着せて来て正解。

発言順は"メイド長と作家"ではなくて"作家とメイド長"が望ましいが…


「えっと…念のために伺いますが…リンナちゃんには麻薬性鎮痛剤とか、処方されてましたか?その、あの、まぁ例えばモルヒネとか?」

「いいえ。私は出してません」

「すみません。実は、彼女の友達がセンセをカツアゲしたと息巻いてたモノで。もしかしたら、何か横流しのルートでもお持ちかと思って」

「初めて会った人のコトを、実はヤクザの愛人で医療倫理に反して薬を組織に横流ししてるけどカラダが抗えない薄幸の女医みたいに言わないでください!」

「おお!コレまた完璧な人物設定だ!」

「とにかく!実は…リンナちゃんは御家庭が複雑なのです。父が診てた頃は、夏でも長袖に長ズボンばかりで、慢性的に痛みを訴えていました。恐らくアレは…」

「アザを隠すためですか?」

「DVですね。だから、確かに父が1度も鎮痛剤を処方したコトがないと言えば嘘になるでしょう。いずれにせよ、ウチの看板に精神科と大書きしてあった頃の話ですの。あ、今は心療内科を名乗ってます。やってるコトは同じだけど患者が倍にw」

「コチラは、アキバが長いのですね」

「アキバではなく秋葉原の頃からです。で、彼女達も恐らく高校の部活の一環なのでしょう。先週、お友達が麻薬系鎮痛剤(オキシコドン)が大量に欲しい、と言って来ました。もちろん、断りましたが」

「部活の一環?」

「ええ。"終末クラブ"。彼女達は"プレッパー"ですょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


プレッパーとは、社会は崩壊寸前と信じて、ソレに備えて準備を進めている人達だ。

自然災害、経済破綻、人口爆発、放射能…あらゆる"世界の終わり"を信じる人達。


「でも、JKですょね?ホント"世界の終わり"とか信じてるのかな。部活って"オカルト研究会"でしたっけ?」

「だから"終末クラブ"ですってば。JKなりに"世界の終わり"に備えてユルく行動してるみたいですょ?」

「やっぱりよくワカラナイ。部活ナンですょね?毎回集まって何やるの?オカルト雑誌の輪読?」


プレッパー活動は、日常の買物の余分な買い増しから核シェルターの建設までと幅広い。

右翼文化の産物なので、太平洋の対岸では"暴徒に対する軍事訓練"とかも盛んらしい。


「聞くトコロによると、自力で生き延びる訓練として、週末にキャンプをしては非常食に舌鼓を打つなどしていたようです」

「あ、なーんだ"週末クラブ"ですね?あー驚いた」

「いいえ。"終末クラブ"です。あくまでキャンプ生活は"世界の終わり"に備えたモノであり、ソレを身の丈に合った範囲で"満喫"する"ゆるやかなカルト"名付けて"ゆるカル▼"だそうです」


あぁ激しい頭痛が…


念のため海外プレッパーのサイトを見るとシェルターや(お金のナイ人は)星条旗の前で銃を構えて愛国者アピールw激しく右翼文化←


しかし、さらにググると最後の方に"終末クラブ"のサイトもあり、コチラは何処かの公園でテントを張り楽しそうに焼芋を食べている。


も少しファッションがガーリーならJKの"ピクニッククラブ"に見える。

まぁ、もしJKでなければ、単なるホームレスの年越し宴会にも見えるがw


とにかく!少なくとも政治的に最右翼と最左翼ぐらいの差があるw


「ま、まぁコレなら、テントさえ買ってしまえば、後は余りお金がかからなくて良いかもしれませんね」

「ええ。でも、リンナちゃんからは、何回かお金の無心をされたコトもありました。カツアゲとは言わないまでも、何かイジメられていたように思います」

「イジメ、ですか?」


なるほど(自分が幸せになれない)この世界など早く滅んでしまえ、と逝うワケか。

まぁある意味"終末クラブ"って、最も今時のJKっぽいクラブなのカモしれナイ。


第2章 "マジックレール"の調達屋


「テリィたん!JKを"踊り場"に連れ込んだンだって?ミユリ姉様が"小さな胸"を痛めてるそーじゃナイの?このロリコン!」

「何なんだ。そのミユリさんの名を語りつつも、実は上から目線の切り出しは。ソレにJRだって中学からは大人料金だから"リアルJK"は完全もうオトナだょ!ロリコンじゃねぇ!」

「お?開き直った?とにかく、元カノ会長である私に恥をかかせるよーなマネ厳禁だからっ!」


翌日の夜、意気揚々と御帰宅して来たのは、女サイバー屋のスピアだ。

あ、勝手に僕の元カノを自称してるがカノジョだった事実は全くナイ。


まぁ彼女が"踊り場"にコダワルのは、ソコが僕とのファーストキスの場所…あわわw

とにかく!凄腕サイバー屋のスピアにはネット経由でリンナを真っ裸にして貰ってる←


あ、因みにスピアも年中ジャージ姿で、その下はコダワリのスク水なんだが…

日頃こーゆーのばかり見てるから"リアルJK"に接すると目が洗われるンだ。


「"終末カフェ ノストラダムスのたまご"の運営会社をハッキングしたらリンナちゃんの給与振込口座がわかった。芋ヅルで彼女のカード履歴やソレに付随する個人情報までオールヌードに出来た。何ならスマホも乗っ取れるわ。やっちゃう?」

「STOPそこまで!アタリをつけて、とだけ頼んだのに凄まじ過ぐる!何か執念を通り越して"リアルJK敵視"の怨念とか感じまするぞ。拙者は」

「ありがと。元カノ会長として当然の務めを果たしたまで。礼には及ばヌわ」


何と、リンナは"マジックレール"と逝う薬の密売組織の調達係をやっている。

"マジックレール"は、名が示す通り恐らくTX(つくばエクスプレス)沿線をシマとする組織らしい。


ココでもう1人"怪しいJK"の登場だ。


「テリィたん!JKを"踊り場"でくわえ込んだンだって?ミユリさんが"微小な胸"を痛めてるそーじゃナイの?このロリコン!」

「今度はジュリか…そのミユリさんの名を語りつつ、実は上から目線の切り出しヤメろ。銭湯だって中学からは大人料金だから"リアルJK"は完全もうオトナだょ!ロリコンじゃねぇ!」

「お?開き直った?とにかく、セクシーボーイズ(ストリートギャング)のヘッドの妹である私に恥をかかせるよーなマネ厳禁だからっ!」


スピアに続いて、意気揚々と御帰宅して来たのは、スピアの上司?のジュリだ。

あ、スピアはセクボ専属のサイバー屋&ジュリのスクールキャバで嬢やってるw


で、ジュリは商売柄年中セーラー服なんだけどアラサーだからヤタラとAVっぽい。

日頃、こーゆーのばかり見てるから"リアルJK"を見かけると心が洗われルンだ。


わかってください(誰に?)。


「始めにテリィたんに逝っとくけど、先ずセクボは薬はヤラない。寅吉さんとの約束もあるからね。ただ、兄弟分の"新線組"は、その、まぁ、もしかしたら、何か知ってる…カモ。ホラ、TX沿線のコトだし」


解説しよう。


TX沿いに拡大を続けて来た"新線組"はアキバでセクボと激突、昭和通りを挟んで戦争となりジュリの兄が逮捕されたりもしている。


その後、ジュリと"新線組"No.2との間に恋が芽生えw万事がウヤムヤになってセクボが"新線組"を吸収する形で急転直下、終戦←


ま、直後にジュリは万世橋(アキバポリス)に赴任してきた新橋鮫に乗り換えちゃうンだが…


コレがストリートで語り継がれる"昭和通りロミジュリ戦争"の顛末だが終戦処理を仕切った僕は両ギャングにソレゾレ貸しがある。


で、ジュリの後ろから姿を現した革ジャンが"新線組"ヘッドのレット。久しぶりだな!


「始めにテリィたんに逝っとくけど、先ず"新線組"も薬はヤラない。モンタ(セクボのヘッド)との約束があるしな。ただ、従兄弟分の"マジックレール"については、その、まぁ、もしかしたら…とにかく、知ってるコトは話すょ…ホラ、TX沿線のコトだし」


レットは、ココで一息つく。


「リンナは"マジックレール"の凄腕調達屋だったみたいだ。薬が手に入りそうと見るや、誰彼構わず、あの、ワケわかんねぇ、上目遣いで迫りまくってたらしい。男も女も見境いナシの両刀使いって噂だw俺は営業とわかってるから誘いにゃ乗らなかったが…あ、ワンオーダー?えっとハーパーの水割りを」


御屋敷でバーボン飲む人も珍しいが、マァいいやwヘルプのつぼみんが如才なくサーヴ。


「ただ、ココに来る前に"マジックレール"の連中にも聞いてみたけど、奴等はリンナの失踪を知らなくて何か慌ててた。探すンなら協力スルから後で連絡くれ、とか頼まれちまって」

「あのさ。僕達は、単なるアキバのヲタクだ。司法取引とか考える必要ナイんで正直なトコロで頼む。お互いのためだ」

「おお!モチロンだとも!ただし"マジックレール"はモチロン"新線組"もリンナの失踪には関与してナイってコトだけはハッキリさせときたい。OK?」

「いいとも!」

「じゃ続けるけど"マジックレール"の連中は先週、リンナから相談を受けてる。リンナは、麻薬性鎮痛剤を他の売人にも流してたらしい。最初は少量でお小遣い稼ぎ程度だったのが、最近は、その売人からもっと流せと脅されてパニくってたみたいだ。きっと俺達…じゃなかった"マジックレール"よりヤバ目の売人なんじゃナイか?」

「しかし、麻薬性鎮痛剤って…モルヒネ?オキシコドン?」

「両方ってか、とにかく何でもカンでもだったらしい。とうとう"マジックレール"の在庫から回してくれとか泣き付かれて、連中、後で返してもらう前提で融通したりしてたらしい。あ!ソレで奴等もリンナの失踪で慌ててるのか!」


頭の中がよく整理出来て勝手に合点が逝ったレットひとりが晴れ晴れとした顔だw

関係ないけど、誰かに話すのってモヤモヤしたコトを整理する時とか意外に有効←


聞かされる方は迷惑だけど。


「すると、リンナは今頃、そのヤバ目の売人に消されちまったに違いない!」

「余計なトコまで合点が逝って晴れ晴れしてる?!コラコラ。カワイイJKを勝手に殺すな。未だ死体が出てナイょ」

「売人とは必ず手を切らせるって"マジックレール"の連中は息巻いてたが、間に合わなかったか。いずれにせよ、リンナが行方不明になったのなら、その売人が絡んでるコトは間違いナイ」

「で、その"ヤバ目の売人"の手がかりは?"マジックレール"は何か知らナイの?」

「知らナイ。ソレを求めて俺をココに寄越したくらいだからな。唯一の手がかりは、いつもリンナと売人が落ち合う場所だ。"絶滅の岸辺"って逝う店らしいンだが」

「何ソレ?"ゆるカル▼"のメッカ"ノストラダムスのたまご"みたいな"絶滅カフェ"かな?ってか最近"絶滅カフェ"って流行ってるの?今回ヤタラと出て来るケド」


ココで例の赤ジャージ3人娘がいれば何かわかるカモだが、18才未満なのでいない←

ソコへ、元祖?赤ジャージ(で下はスク水)のスピアが巨大な胸を張って割って入る。


彼女はトランジスタグラマーなんだw


「"絶滅の岸辺"は御屋敷(メイドカフェ)じゃナイわ。ダークウェブにあるプレッパー限定の掲示板ょ。でも、ホント奥深いトコロにあるから、とてもリアルJKが入って来れるような板じゃナイわ」


"サスガはアラサーJKだね!"と逝いかけてスンデのトコロで踏み止まる。危ねぇw

とりあえず"ビックリ"って顔でスピアを見たら彼女はエラい勢いでPCを叩き出す。


「リンナちゃんのメールの文法構造に似たレスをつけてるのは…恐らく、この"遺伝子プールの黄昏"ちゃんだと思うわ。本人との合致率97.2%。 ビックリマークの使い方とかソックリだから多分本人だと思う」

「おおっ!で、その"遺伝子プールの黄昏"ちゃんのチャット相手は?」

「よく絡んでるのは、何人かいるけど…共通してる最近の話題は"天守閣(キャッスルキープ)"ね…何なの?この"天守閣(キャッスルキープ)"って。ええっ?方舟型のシェルター?」

「ええっ?シェルター?またヒゲ面のマッチョなオッサンがガスマスクつけて庭に何か掘ってる系?」

「いいえ。ココに"乗船案内"の動画が貼ってアルけど…ヤタラとラグジュアリーみたいよっ!動画、流しまーす!」


バーカウンターに開いたスピアのPCをみんなで覗き込む。


「"人類絶滅の時、備えはありますか?御家族と何処へ逃げますか?プレッパーのみなさん、その確かな回答がココに。方舟"天守閣(キャッスルキープ)"。豪華な船室。ワイン庫。グルメキッチン。トレーナー付きのジム…"」

「何なのコレ?ダークウェブ限定でお金持ち相手の乗船案内?方舟の船賃は…10万ドル?何で無駄にドル建て?コロナで急落中だからお買い得感?」

「ドッチにせょ人類が絶滅したらクズになるのに…つまり、コイツら絶対"絶滅"を信じてないってコトだ」

「リンナは、プレッパー仲間と"絶滅の岸辺"で"天守閣"についても意見交換してる。医師っぽい数名を除き、ほとんどのプレッパーは10万ドルなんて払えナイから"絶滅の岸辺"は呪詛に満ちた"絶望の岸辺"と化してるw」

「そりゃ何せ人類滅亡の恐怖に取り付かれた連中だものな。"天守閣"だけが最後の希望、最後の救命ボートだった、と逝うワケだ」

「で、リンナは、この方舟に乗るつもりだったのか。ってか、その方舟は何処にあるの?」

「ダークウェブ内にリンクが張ってある。募集をかけてるのは"天守閣委員会"。そして、方舟の位置は…あら?」

「あら?アララト山ってシャレ?ノアの方舟が漂着した山の名前だょね?」

「そうみたい。中央通り沿いにあるタワービルだわ。そのビルには…新興宗教"洪水の化学"が入ってるw」


第3章 方舟漂流


僕達は頭を抱える。


"洪水の化学"は、比較的メジャーな新興宗教で中央通り沿いのタワーに総本山がある。

実は、聖都アキバを目指し、様々なカルトが集まルンだが、宗教も決して例外ではない。


中でも"洪水の化学"はカルト教団のチャンピオンなんだが、僕は大教祖に貸しがある。

そして、ミユリさんの大の親友リンカも信徒だが大教祖の"愛人枠"で幹部をやってる。


コレが厄介ゴトがメイド服を着たような女で"お騒がせメイド"として聖地に名を馳スw


「ただいまー!ミユリ、今、ココの誰かが"絶滅の岸辺"にアクセスしてるでしょ?直ぐ切って!邪教の神に魂を奪われるわょ!」


颯爽と御帰宅して来たのが…リンカだ。あ?今宵はメイド服じゃなく純白のナース服だw


似、似合わねぇ笑


「今度"洪水の化学"の新規事業でナースバーを始めたから。"癒しの病棟 ホワイトナース"テリィたんも御来院よろぴんく。今なら浣腸無料だから」

「リンカ!」

「冗談ょ、ミユリ。でも、テリィたんもコンナトコロで燻ってないで、タマには"ホワイトナース"で青春を謳歌してネ!で、例の方舟の件なんだけど。実はウチの教団も頭を痛めてるワケょ」

「お?既にかなりの信徒が方舟に流れてイルとか?」

「うーん、微妙。でもね。奴等は本来、神聖であるべき"洪水様"を冒涜してるのょね」

「な、何だょ。その"洪水様"って。まさかメジア大教祖のコトか?」

「違うわょ。だから"人類を終わらせる大洪水"のコトょ。方舟の連中は、ソレを逆手にとって救われるには方舟に乗るしかナイって方舟乗船料をムシり取るビジネスモデルなの」

「ビジネスモデル?"天守閣委員会"って新興宗教と逝うより、プレッパー業界への新規参入ってコトか!」

「そうょ!まぁウチの教団も株式会社みたいなモンだけど…とにかく!本来"洪水様"から助かるには"洪水の化学"に入信すべき人達が、金さえ払えば方舟に乗れて助かっちゃうワケょ。早い話が"弊社"の強力な"商売仇"が出現したワケね」

「競争のない"ブルーオーシャン"だったのが、一夜で激烈競争で流血の"レッドオーシャン"に様変わりしたワケだ」

「新興宗教業界もタイヘンなのょ」

「"世界の終わり"に備えるのは宗教か?ビジネスか?片や若き宗教家、メジア大教祖。対する"天守閣委員会"の委員長は…おお!元自衛隊の特殊作戦群(レンジャー)?サバイバルの専門家じゃナイか!」

「当然、安全性を売りにしてマーケットを席捲中ょ!しかも、奴等の顧客は全員セレブ。確かにラグジュアリーなのょね。溜め息出ちゃう」←

「しかし、人類滅亡後もナルシスト連中と方舟で生き延びたいか?俺は大衆と滅びるよ。"天守閣"は、下劣な金持ち趣味の集団に思える」

「テリィたん!アンタはエラい!本来、人類が恐れるべき終末のシナリオは疫病、核戦争、社会主義のゾンビとかょね?でも、方舟に逃げ込む金持ちが恐れてるのは、私達が松明や鎌を手に蜂起するコトなのょ!」

「おお!プレッパーのフランス大革命だ!自由!平等!友愛!」

「ソコで!大教祖直々の命令で私が女スパイとなって奴等を探るコトになったの。実は、"絶滅の岸辺"で"遺伝子プールの黄昏"ちゃんとチャットしてる"熱烈右翼(アーデントライト)"って私なの。立ち上げたIT企業を3年前に売り、大金を手にして以来、日々を"絶滅への備え"に費やす筋金入りのプレッパーって設定ょ。"絶滅の岸辺"で"天守閣"を勧められ会員権を買うフリをして内部に潜入調査するの。文句ある?」

「全くありませヌ。ありませヌどころか、いやいや天晴れな志。僕の手間も省けてありがたい。大変結構だ。しっかり調べてくれたまえ」

「そう。手伝ってくれるのね?じゃ、テリィたん。貴方は今から私のフィアンセだから」


しまった!僕とミユリさんは顔を見合わすw

メイド服を着た厄介ゴトょ汝の名はリンカ←


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「コレはコレは!リンカ様にテリィ様。ハレの御成婚を機に会員になられるコトを御決意とか?本日は方舟"天守閣"にようこそ!私は"天守閣委員会"委員長のアァクと申します。さ、急ぎましょう。"洪水"は近い!なんちゃって」


軽い野郎だ。1枚布をカラダに巻きつけてローマ人?"アァクお前もか"なんちゃってw


「賛成です。是非"洪水前"に話を終わらせたい。先ず、会員の選び方は?誰を入れて誰を断ったか?会員になるにしても、将来の同居人をゼヒ知っておきたいので」

「ごもっともです!しかし、非会員に情報は明かせません。明かせば、貴方は方舟に乗れなくなってしまう。貴方にしても、自分だけが方舟で助かるなんて、貧乏な大衆に知られたくはナイでしょう?松明や鎌を持った群衆に囲まれますょ?」

「そ、そぉかっ!」

「大丈夫。入会後にはお教えしますょ。どの道"洪水"が来たら、全員で毎日暮らすコトになるセレブ同士です。先ずは"天守閣"へどうぞ。見れば必ず納得しますから」


僕は"フィアンセ"のリンカと腕を組み、中央通り沿いにある高層タワーの屋上にいる。

遠く地平線が丸く見える高さでヤタラと風が強い。屋上の大部分はヘリポートなのだが….


「コチラです。コレが方舟"天守閣"です。まさにアキバを、いや、東京を睥睨する"天守閣"そのものだっ!」


アァクが自信満々に指し示したのは、ヘリポート下のアチコチに置かれたコンテナ群だw

ハッキリ逝って、外見は良くて南極の昭和基地、悪けりゃ河原のホームレスのテント村←


ジョーク?


「乗船システムは、貸金庫と同様で全会員が鍵を持ち、私をはじめ"天守閣委員会"の委員が、常に副鍵を携帯します。委員は、常に1人が必ず方舟から30分圏内におり、決して1カ所には集まりません。だから、方舟は安全だし、イザという時は、誰かが必ず乗船させてくれるのです!」


誰かが乗船させてくれる?

ソレでは鍵の意味がナイw


そもそも鍵が必要か、このコンテナ?

確かにドアはなく梯子で屋根に登る。


で、鍵は上部についてるハッチのだ。

ハッチから"船内"へと入る。狭いw


「ココは、元DOKOMOの通信基地局で核戦争にも持ちこたえます」

「実験したのか?」

「いいえ」←


抑えきれない"何だかな感"が高まるw


「アキバの宙に浮かぶ方舟"天守閣"にようこそ!ココまで水が来た時は必ず浮きます!コチラのキッチンと貯蔵庫に80人が4年暮らせる食糧を備蓄しています」

「非常食しかないのね」

「私は、若い頃に板前のバイトをしてました。味の苦情は随時受け付けます。何せ長い航海になるので…」

「長い後悔?」

「さらに!コチラの設備コンテナにはディーゼル発電機があって停電時も安心です。超高性能のエアフィルター完備で病原体が地表に蔓延しても大丈夫。あ、その頃は海底か、なんちゃって。医務室もあります。手術設備に抗生物質、抗ウィルス薬、ヨウ素剤。絆創膏なら山ほど。会員に医者もいますし、私の妻は若い頃、歯科医の受付をしていました」

「実は、僕もドクターなんだ」

「きっと、お知り合いでしょう!でも、今は名前はお教え出来ませんw」


おお!立て板に水だ!

サスガは特殊作戦群←


「居住区に案内します。ココがAコンテナ。他3つのコンテナがあり、寝室は5つずつ。ココがゲーム室です。ジムはBコンテナでワイン庫はC、武器庫はD。何と、会員になれば行き来は全て自由です!」


当たり前だろうw


「さぁ。広い方舟の中をグルグル案内されて、お疲れでは?ココで、お茶でも如何ですか?秋葉原名物のメイドカフェの紅茶です。メイドさん達、どうぞ!」


武器庫前の待合みたいな狭い応接に座らされるや隣のコンテナからメイドが入ってくる。

奇妙な2人組だ。1人は明らかにアラサーでメイド服がイタイけど何処かで見覚えがある。


うーん、何処だったっけなぁ?

そして、もう1人のメイドは…


リンナ?!


第4章 絵を売る女達の末路


さて、どうやら今回も色々とピースが集まって、ジグソーパズルの絵が見えてくる。

ただ、全体の絵を語る前に、今回はもう1つのジグソーパズルの話をしておきたい。


クリスチャン・リース・ラッセン。


ハワイの元プロサーファーなんだけど、独学で画家になる。

海中風景やイルカをモチーフにしたマリンアートが得意だ。


昔、よくジグソーパズルになったから、お馴染みの人とかも多いかもしれない。

ただ、彼の絵をアキバで見たら一目散に逃げよう。誰かに追いかけられようと。


せいぜい原価数千円の版画のソレまたコピーを下手すりゃ数十万円で買わされてしまうw

元キレイ系お姉さん達に言葉巧みに騙され、後はローンを払うだけの地獄が待っている。


よくある悪徳絵画商法なんだけど、場所がヲタクの街アキバなだけに始末が悪い。

ナゼなら社会的に無価値なモノにこそ萌え、数十万の価値を感じるコトって実は…


ヲタクの本質ソノモノだから←


そんなヲタクの心理を逆手に取った悪徳商法を許すコトは出来ない。

ソレは立派な詐欺であり、アキバ式の美人局とでも呼ぶべき犯罪だ。


ところで、彼女達のマニュアルにある騙しやすい人のリストには女性も含まれている。

ヲタク女子って自分ではヒネくれてるつもりでも、根は素朴で純真なカモ女子が多い。


だから、キャバ嬢と同じ"聞き上手"が家族や過去の辛い話を始めたら、もう赤信号だ。

返報性原理をベースにしたマニュアル話法で承認欲求を刺激され契約させられてしまう。


アキバが萌え始めた2000年代半ばとJKブームに沸き返る2010年代半ばの2回。

この2回の"黄金時代"を経て都や区の行政処分&是正勧告の総攻撃を受ける。


電気街口を追われて、今では遠く末広町で亡霊のように営業を続けてるようだ。

毎春上京して来るアキバ初心者を弄んだ君もいつの間にやら残念なオバサンに…


やっと思い出したょ。


あの日、恐らく君が騙したリンナと一緒にお茶を淹れてくれた君の名前はミーラ。

画廊仲間の女子達からはミイラ取りをミイラにする名人だと恐れられていたょね。


僕は結局、君のコピー画を買わない。

悪く思わないで。実は泳げないンだ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


アキバで落ち目の詐欺師達が出逢う。

片や終末を語る男。片や絵を売る女。


男は、女の絵を方舟の乗船券とするアイデアを思いつく。

女は、プレッパーが自分の絵の在庫を一掃する夢を見る。


全ては、マヤカシだ。


モチロン、方舟はただのハリボテで、超高性能フィルターなど存在しない。

空調パネルの裏は錆びたコンテナの壁で、結露した水がヤタラとカビ臭い。


カモを騙すためのお洒落な家具や高画質TV、そしてマリンアートには金をかける。

だが、直ちに目につかないモノは存在しないか、悲しいほどお粗末に済ませてる。


保存食は空箱ばかりだし、発電機はナイも同然、さらに医務室に至っては…

リンナが方舟用に集めたナケナシの薬物はアァクにより横流しされているw


アァクと逝えば、自衛隊の特殊作戦群にいたと逝う話も、どうも真っ赤な嘘らしい。

彼は、インピンジメント症候群で肩より上に腕が上がらナイのでハネられたようだ。


コレが"世界の終わり"に備える高級シェルターの実態だw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


リンカは、今"天守閣"の暴露記事を描いている。

"金持ち向けのシェルターは詐欺!洪水様は目前"


露骨な入信誘導だw


考えてみれば、架空のIT起業家に化けたのも大したモノだ。

新興IT長者なら、ネットに履歴が乏しくても怪しまれないw


ソレにヤタラ右寄りな発言でプレッパーの掲示板に潜ったが、彼女自身は実は左翼で、そこら辺がプレッパーの左翼化とも合致スルw


いずれにせよ、大勢のプレッパーが詐欺の餌食になりかけたワケだ。

極秘とか特殊作戦とか、右翼好みのワードにも、今後は要注意だね。


コレからは、プレッパーの世界にも"ゆるカル▼"の発想が大切だ。

ヤハリ、いつの世も気負いなく時代を切り開いて逝くのはJKなのだ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


翌日。オープン前の"ノストラダムスのたまご"で、僕はリンナと向き合う。


「無理に呼び出してゴメンね。テリィたんはプレッパーじゃナイけど、ゆるカル▼として会うのなら問題ないわ」

「リンナは、正直に話すのを好むから、率直に逝うけど、君は勘違いをしてる。僕は君を責めてるンじゃない。知って欲しいだけナンだ」

「何を?テリィたん」

「僕には、過去と今、2人の推しがいる。ミユリさんはともかく、最初の推しは、推しと呼べたかは怪しいし、実は良い関係でもなかった。でも充分だった。もともと、人間関係が苦手なせいもある。だから、今日から僕達がアキバの同じ空の下で暮らすには、ある種の努力が必要だ。でも、それはリンナが普通と違うからじゃない。僕が違うからだ。この先、アキバの何処かで、また会うにせよ、会わないにせよ、コレは逝っておきたかったんだ」

「わかった。私も、テリィたんのそーゆートコロが大好きょ…今宵はミユリさんとは同伴?」

「いや。直接ご帰宅するって逝ってある」

「今すぐセックスを。テリィたんは…したい?」

「えっw」



おしまい

今回は海外ドラマでよくモチーフになる"プレッパー"をネタに、人類の終末にユルく備えるユルいカルト"ゆるカル▼"のJK達、方舟詐欺を企てる男、悪徳絵画商法の女などが登場しました。


海外ドラマで見かけるNYの都市風景やプレッパーをめぐる政治情勢などを秋葉原に当てはめて展開しています。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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