表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/290

百六話 摩天楼でした!?

本日、本作コミカライズの4話-1がコミックウォーカー様、ニコニコ静画様で更新されております。

ただただ圧巻ですので、未読の方はぜひ!!

一番下のほうにある告知漫画クリックで読めます!

「こんな場所が……」


 目の前に現れたのは、とても地下とは思えないほどの巨大な空間だった。


 見上げればまるで夜空のような真っ暗闇が続いている。

 地下なのだから天井はあるのだろうが、ここに立っているとまるで外にいるような錯覚を覚える。


 もっと驚いたのは、巨大な建造物の数々だ。


 俺の暮らしていた王都は大陸随一の大都市といわれていた。


 高さを競うように築かれた数多の鐘楼、壮麗な邸宅が軒を連ねる大通りに、訪れる者は忙しく視線を動かしていた。


 しかしその王都ですら、ここの足元にも及ばないだろう。


 俺たちが立つ丘の下には、巨大な都市が広がっていた。

 世界樹のような背の高い尖塔、山のように巨大なドームを持つ神殿風の建物が、両手の指では数えきれないほどに林立している。


 いつもは比較的冷めた感じのフーレも、ぽかんとした顔をしていた。


 そんな俺たちを見て、アリエスがいう。


「そんな驚く要素ある……?」

「あんたは見たことあるかもしれないけど、私たちはこんな街見るの初めてだもん」


 フーレの言葉に俺も頷く。


「ああ。というか、地上の誰もが度肝を抜かれるだろうな」


 少なくとも街というものを知っている者は、皆目を疑うだろう。


 未だ見たこともないような都市に目を奪われていると、急に獣の遠吠えような鳴き声が耳に入る。


 遠吠えはやがて威嚇するような声や、悲鳴に変わっていく。


「……これは?」

「キメラの鳴き声です。縄張り争いでもしてるのでしょう」

「なるほど……しかし、多いな」


 最初は二体程に思えた音だったが、すでに聞き分けられないほどとなっている。


「彼らの中にも派閥があるようです。一体に見つかると、仲間を呼ぶ可能性もあるのでご注意を! 僕は十体以上に追い回されて、一年塩の入った壺に逃げて過ごしたことがあります!」


 恥じる様子もなく、アリエスはいった。


「塩漬けになってたんだ……」


 フーレがいうとタランがちょっとよだれを垂らした気がした。


「まあ、なるべく見つからないほうがいいだろうな」

「ええ。やつらは血の匂いを嗅ぎ分けてくるので、隠密行動がよろしいかと」

「そうか。ならアリエスの言う通り、なるべく隠れていくか」


 とはいったが、隠れるための魔法など覚えていない。


 姿を消す魔法とか、覚えていればな。


「地道に行くか。この街を見てみたいし」


 シエルは体を縦に振ると、俺たちの一歩前にでて矢印のように体の一部を変えた。


 指した場所は、入り口から見てずっとまっすぐの、建物が密集している場所だ。


「都市の中か。これは気を付けないとな。後ろは……よし」


 あとからやってきたのは、盾を装備したゴーレムたちだ。

 シールドの魔法が使えるだけでなく、体も装備もミスリルで固めた重装ゴーレムだ。


 彼らにはキメラが入ってこないよう、ここを守ってもらう。


「何かあったら、地上に連絡してくれ。それじゃあ、頼むぞ」


 俺たちは地下都市にむかって、丘をくだっていくのだった。

地下に眠る大都市にGO!

次回は7月22日の更新を予定しております。


本作コミカライズ、コミックウォーカー様とニコニコ静画様で現在4話-1まで読めます!

こちらも是非お読みいただけると嬉しいです!

↓の告知漫画クリックで、コミックウォーカー様公式サイトに飛べます!


書籍版の主に後半部分は、WEB版該当部と異なる展開になっております。

こちら興味があれば、手に取って頂けますと幸いです!


↓のほうにある表紙をクリックで、MFブックス様公式サイトに飛べます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術大学をクビになった支援魔術師←こちらの作品もよろしくお願いいたします!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ