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File.7 レイラ・グレイス

File.7 レイラ・グレイス

 ※森陰五十鈴様 作:「再臨の魔女」のダブルヒロインの片割れ。

 (https://ncode.syosetu.com/n3655ej/)


挿絵(By みてみん)


 平民から貴族の世界に入った絶世の美少女。

 栗色の長い髪に青い瞳(やや吊り上がっているらしい)。スタイルも抜群。

 しかし本人はお洒落に興味はないらしく、髪も野放しで化粧もしない。


 ……ということから、野性味のある、女豹系……いや、獅子系美女(美少女というより美女といった方がよさそう)かなあ、と想像しました。

 わ、私の画力ではその美貌も色気も出ませんでしたけども!

 ちなみに手にしているのは、彼女お手製の「紙の花」。


   * * *


 この物語の第1ヒロインはユーフェミア。聖セラフィーナ魔法学院に通う男爵令嬢です。膨大な魔力を制御しきれず、まともに魔法を使えたことがない女の子です。

 学校でも「魔力はあるのに魔法が使えない落ちこぼれ」として有名で、先生からも腫れ物に触るかのような扱いを受けています。

 そしてまたもひどいやらかしをしてしまい、人が滅多に来ない場所へ逃げ込んだところ、第2ヒロインであるレイラと出会いました。


 レイラはこの聖セラフィーナ学院でも一、二位を争う優秀な生徒でしたが、講師に反抗的な問題児としても知られていました。

 というのも、レイラはもともと平民出身で、生まれながらの貴族の人間ではない。ずば抜けた魔法の才能を買われて子爵家に引き取られたからなんですね。(厳密に言うと間に伯爵家が介在してるんですが、それは後ほど)

 ただこれも、一応表向きは「魔法の才能を買われて」ということになってはいますが、グレイス子爵は三十歳とまだ若いので、「自分の愛人にするために引き取ったのだろう」という噂になっており……まぁ恐らく、彼女はあまりよろしくない視線に晒されながら生きてきたのだろう、と思われます。


 言葉も汚いし、ズバズバ言いたいことを言うレイラですが、彼女は噂だけでユーフェミアを馬鹿にしたりはしなかった。

 魔法の研究に関しては熱心で、

「なぜユーフェミアは魔法を失敗してしまうのか」

と真剣に考え、独自の理論でユーフェミアの長い間の悩み「魔力の出力を制御できない」をあっという間に解決します。


 まず彼女が好きだなあ、と思ったのは、ここのくだりですね。

 彼女はユーフェミアに同情したとかではなくて、単なる好奇心だったんですね。そしてそれを隠しもしていない。ユーフェミアも話を聞き出そうとするレイラに対して「面白がってる」と憤慨したぐらいですし。

 でも、そこがいい。それが逆に、彼女の正直さといいますか嘘や誤魔化しは言わない、とても性根が真っすぐな人間だということを表しています。


 誰でも褒める人の誉め言葉って、信用ならないじゃないですか。

 誰にでも「好きだよ」「可愛いね」という男性の言葉は全く信用できないのと同じですね。(……おや?)


 ではそういう誉め言葉ではない場合……そうですね、例えば誰かに「忠告」をするとしたら。

 それは本当にその人のためを思っての「忠告」なのか。単に「忠告」するのが好きなのか。それとも「忠告」をして()()()()()自分が好きなのか。

 あるいは、「忠告」することで逆に何かを「牽制」しているのか。

 ……そう、勘繰りたくなる時もありますよね。人間関係において。

 

 だけど、レイラはそうではない。

 レイラが「大丈夫」と言えばちゃんと「大丈夫」と思って言ってくれているとわかる。

 レイラが「それじゃ駄目だ」と言えば、見下げたりしている訳ではなく純粋に「駄目なのだろう」とわかる。

 そういう当たり前のことがユーフェミアにとっては当たり前ではなかったのだな、と思うのです。


 この世界は貴族社会なので(彼女たちは貴族しかいない校舎に通っている)、魔力、知力だけでなく財力・階級やらも関わってきます。人間関係もそれだけ複雑で、一部には歪みもある。

 周りに気を使われ続けていたユーフェミアが、悩みが解決した後もレイラに惹かれていくのはわかるなあ、と思いました。


 終盤、ユーフェミアは窮地に陥り、レイラはジュリアス(ジュリアス・グレイス子爵。レイラを引き取った子爵です)によって監禁状態になります。


 レイラはそもそもは伯爵家の庶子で、捨てられたあとは平民として生母と養父とそれなりに幸せに暮らしていました。

 ですが、その容姿と魔法の才能から「資金援助の取引に使える」と目を付けた実父である伯爵に無理矢理家族と引き離されます(生母と養父へ脅しをかけられ、逆らえなかった)。

 そしてそこからさらに、金とコネ目当てで子爵家に引き取られるんですね(少なくともレイラはそう思っている)。


 だから貴族なんて大嫌いだし、引き取ったジュリアスのことも好きではなかったのですが、その彼に頭を下げるんですよ。自分のことは好きにしてくれていいからどうしてもユーフェミアを助けたい、と。


 カッコいい!

 ジュリアスはレイラを見下げたり粗雑に扱ってはいませんでしたが、レイラは「金で買われた女」。やはりジュリアスに屈服させられたようなものですから、生半可なプライドなんか持ってたら頭なんて下げられませんよ。

 それができたのは、ひとえに「ユーフェミアを助けたい」という純粋な想いがあったからです。いや、その時はそれしか無かったと言ってもいいかな。


 この物語は少女達の「己の存在価値とは」というのが大きなテーマになっています。

 その中でもレイラは、自分の価値をある程度は見極めていましたが、ずっと抗っていました。(なぜある程度なのかというと、作中の少女達は、それぞれ自分の価値を少しずつ見誤っていたから)


 ですがここで、他ではなくユーフェミアのためにそれを最大限生かす――あるいは全て使い切る覚悟をした訳です。

 でも、そこには計算はない。ただただ必死だった、というだけ。


 ですので、この作品はダブルヒロインですが、いわゆるヒーローポジションでもあるのがこのレイラかな、と思います。

 最初のユーフェミアへの対応にも表れていますが、噂や伝え聞いた話を鵜呑みにはしません。これは彼女自身が色眼鏡で見られることが多かったから……かな。


 先入観に囚われない。自分の見た物を信じる。

 そしてあくまで、自分の頭で考える。

 それが最終的に、少女達を救うことになります。


 そしてレイラに頭を下げられたジュリアスについても本当は語りたいところですが、それはやはり、ここで語るより作品を読んでもらった方がいいですね。

 とにかくエンディングが最高です!

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