File.3 佐久野剛
File.3 佐久野剛
※由 様 作:「樹木の精霊たち」の主人公・森山樹希に想いを寄せる男の子。
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穏やかな微笑みを浮かべていて、髪の毛も自然というか、ワックスとか使わなさそう。
もし高校の制服が学ランだったら、襟のホックもちゃんと止めてそう。ブレザーだったらきっちりとネクタイを締めてそう。
大学行くときもTシャツとかじゃなくて糊の利いたシャツを着ていきそう。多分なで肩で、こんな時代でも腕時計してそう。
もしこの作品が実写化されるとしたら、主人公の樹希ちゃんは若手人気女優さんでいいけど佐久野くんは一般公募してほしい。
……そういうイメージ。
* * *
さて、佐久野くんは第二話「桜の精霊」で初登場する、主人公・樹希ちゃんの同級生の男の子です。
なぜ主人公じゃないんだ!……というツッコミが来そうですが……いやいや、樹希ちゃんが嫌いな訳ではないですよ。
何しろ樹希ちゃんが一筋縄ではいかない娘なので、佐久野くんがどうしても心配になっちゃうだけなんです(笑)。
先に主人公・樹希ちゃんについてちょっと説明しますと、彼女は「樹木と会話できる」という特殊能力を持ち、樹木医を目指しているんですね。
精霊の血を引いていまして、樹木の精霊たちは彼女を必要としているし、彼女も樹木の精霊たちに精一杯応えたいと思っている。
ですので普段からあっちの世界に行きがちというか、「樹木の精霊の世界」と「現実世界」、それぞれに魂がある、とでもいいましょうか。
「天然」という意味ではなく、文字通り「魂があちらとこちらを彷徨っている人」なんです。
そして佐久野くんはと言いますと。
結構大きな病院の息子で、高校では学年1位の優等生でした。樹希ちゃんはどうやら有名人だったらしく(後に判明するが高校では高嶺の花のその上ぐらいの存在だった)佐久野くんも当然知っていました。
そして現実世界の男の子にあまり興味がない樹希ちゃんは、当然、佐久野くんを名前ぐらいしか知らなかった……。
ここがまず不憫に思う第1ポイント。そもそも樹希ちゃん、友人の乃愛ちゃんに教えてもらうんですね。つまり乃愛ちゃんは別のクラスの佐久野くんを当然知っていた訳で、佐久野くんって多分それなりにモテていたんじゃないかと思うんですよ……。
相手が樹希ちゃんじゃなければ! きっと苦労しないのに!
ただ、やはり真面目で優しく、ちゃんと話を聞いてくれる佐久野くんは信頼できると思ったのか、樹希ちゃんは自分が樹木と会話できるということを早々に打ち明けます。
よかったね、佐久野くん! 「特別な友人」にランクアップだ!
ここから佐久野くん、頑張ります。何と志望校を変更して、樹希ちゃんと同じ大学の農学部に入るんです。お兄さんが医者になってるので彼の進路は自由だったとは言え……すごい決断したな、佐久野……。
その後、大学のキャンパスで熱心に話しかけたり、ちょっと恋愛方面の話を振ってみたりするのですが、樹希ちゃんの反応は薄い。(不憫に思う第2ポイント)
樹希ちゃんは高根の花だったんだよ、という話になったとき、
「そんなこと言われても」
と困る樹希ちゃんに
「森山さんは気にしなくていいよ」
と佐久野くんが言うと
「じゃあ気にしないことにするね」
と樹希ちゃんがあっさり返したときは、ちょっと涙が零れそうになった……。
樹希ちゃん待って、それは「自分も樹希ちゃんに好意を持つ男子の一人なんだよ」というアピール……!
もうちょっと考えてあげてー、と言いたいところですが、樹希ちゃんには無理からぬこと。
何しろ、彼女は現実世界には魂の半分しかない。その半分に一生懸命アピールしなければならないのだから……。
頑張れ、佐久野!
ただ、佐久野くんの地道な努力も無駄にはならなかったようで、その現実世界において彼の存在の占める割合は増えていきます。
そして、天が味方したのか(私の応援が通じたのか)絶妙なタイミングで樹希ちゃんに告白し(多分ココを外してたら絶対に無理だった)、紆余曲折を経て、晴れて付き合えることになったのでーす。ひゅー、ひゅー!
だけど……。
最新話では、樹希ちゃんに
「佐久野くんと付き合うようになってからも特に何かが大きく変わることはなく」
とバッサリやられてました。(不憫に思う第3ポイント)
さ、佐久野くん……(涙)。
まだまだこれからだね。頑張って樹希ちゃんの心を揺さぶる存在になろうね。
応援してるからー!
ちなみにこの作品はあくまで樹希ちゃんと樹木の精霊たちとの触れ合いの物語です。そっちが主軸です。お間違いのないよう……。
勿論そちらも堪能していますが、何か気になっちゃうんだよね、佐久野くん。