閑話6 鶏を買ってきたよ!~ただいま~
鶏閑話。最終話です。
…帰ってきたぜ!マイホーム…。おじさまのだけど…細かいことはいいわ。
さあて!ワンコは何処だ?ワンコ達は!私に癒しをぉ~!
「ただいまー…ぁああ?」
「お帰りセツナっち」
リビングには大きな熊マッチョ、略して熊ッチョ。ぷぷぷ。
っと、それどころじゃないわ。あの熊耳っ子を抱いた熊獣人のご婦人がいた。それは私のだ。返せぇ。
「セツナっち落ち着いて。慣れてんのはビルックに聞いてる。それも含めた話だ。ああ、それと鶏は全部生きてたよ。今、お子ちゃま達が構ってるとおもう。ご苦労様。紅茶でいいかい」
…どうなってるんだ?
「ええ。それで」
「まぁ、一服。それからだね。」
流石、おじさま機転が利くわね。年の甲って。
「まず、この方はブラウンさん見ての通り、マッチョな熊獣人だ。で、こちらが奥方のマーレさん。」
ぺこり。
「こちらがトワ君の姉のセツナさん。」
ペコリ。
「最もきついときに雹たちがお世話になったそうだここにいるいきさつは…」
…経緯を聞く…
「おじさまも大変ね…次から次へと…スルガ隊長が言ってたことね…それで、熊ッチョ…失礼、ブラウンさんだったかしら?夫妻でその子を引き取りたいと…収入も無いのに?アホですか?」
「こら、セツナっち。小熊ちゃんがマーレさんを見た瞬間、離れなくてね…それで情がってわけさ。」
「関係ないわよそんなの。幸せにできないじゃない。ここじゃ力仕事なんていらないわよ?農家でもするの?」「…」
「そう、つっかかるなって姉貴」
うっさいわね。
「あんたは黙ってて。そうだ、エルザさんから紅茶の依頼よ。この茶葉で淹れて、持ってってあげて。ほら」
「姉貴…」
「で、熊さんはどうするの?腕力?はっきり言って私のが強いわよ。ドラゴンだって握りつぶせるし。」
「…セツナっちの心配も判かった。それで、セツナっちのブランドにも関わるんだ…」
「はぁ?この筋肉ダルマが?」
「もう。落ち着けって。ブラウンさんこう見えて…お針子さんなんだ…」
「はぁ、寝言は…マジ?」
「うんマジもマジ。しかも裁縫匠、裁縫師の最上級職だ。子供たちにも講師として迎え入れることは決定だ。おいら達の服も作ってもらうつもりだ。’ここあ’達じゃ、複雑のは無理だろ。奥様も裁縫師。これで服関係は安泰ってわけ。」
なんとまぁ…
「ブランドも服までいくんだろ?」
「…え、ええ。将来的にね。」
そりゃねぇ…その前に服は欲しいわ。
「セツナさん突然の申し入れごめんなさい。まだお世話になっていますがちゃんと働いて育てます。」
「セツナ嬢、俺の肉体は裁縫のためにある。ドラゴンでも、ベへモスでも、ギガントタートルの甲殻でも縫ってみせる!使ってくれ!」
”むぎゅう”そこでサイドチェストか!…ふふふ良いノリだ。
「…ふぅ…キレてるな!わかったわ。かわいがってくださいな。その子、幸せにしてね。」
「はい…」
お母さんよろ~
「で、キレキレのブラウンさん?お仕事の話をしましょうか?お手並みもみたいですし。」
「ああ!お嬢、任せてくれ!」
”むぎゅぃい”またサイドチェスト…ほかのポージング…知らない?ふふふ
「…そこは、フロント・ダブル・バイセップスでしょ!」
「ふむ。他にもポーズが?」
ビンゴ!鍛えがいがあるわぁ。
「こうよ、こう」
「お嬢こうか…」
”ぐぎゅむぅ”
「ここに力を…おお!キレてるーキレてる!」
「ここも鍛えねばならんな!」
すげーーー今までで一番だ!おふぅう…モフモフ以外で鼻血を催すとは!
「つ、つぎは、バック・ダブル・バイセップスね!ポーズはこう。ここに力を…」
「姉貴!興奮しすぎ!」
うっさい。茶でも淹れてろ!
”ぐぐぎゅむむぅ”
「ぬん!」
「ぬおおーーーー顔だ顔!キレてる!キレてる!」
すげ!顔がでたぞ!
「セツナっち…筋肉好きなの?」
「姉貴ってビ女子だったの?」
「びじょし?知らんけど、筋肉も正義よ?トワも鍛えれば?細マッチョよりゴリゴリよ」
なにいてんのよ。まったく。
そのあと裁縫の腕前を…うん。生体ミシンだ…。この肉体でちくちく…縫い目も完璧。何であんなごつい手でこの目を縫えるんだ?十分チートだろう?こっちの言うことの理解も速い…ジーパン一丁上がり…おじさまにあげよう。ふふふ…これで勝てるぞぉ! <完?>
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