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シルバーバック!参上!え?違うの?

いらっしゃいませ~

 ブラウン夫妻の件。容疑者の奴隷商、アルという助祭も牢に。

 一応の解決を見たが…。教会関係者だ。まだ色々あるだろうねぇ。衛兵さんと。おいらにゃ関係ないし。

 と、おいらにゃ、まだ聞かねばならないことがある。

 「ところで、スルガ隊長。」

 「…なんだ?…旦那?」

 「話まだ途中なんだよ。ほら、先生のとこに居た、今うちで預かってる二人の子供だよ。

 一人は貴族に家族をひき殺され、自身も死にかけてる。

 もう一人は冒険者ギルドのいざこざと称して殺されかけた子。

 二人とも意識不明だが、何とか命はとりとめた。」

 「…馬車の件は聞いてる。…子爵だろ…すまんが、手が出せない…一応、貴族院には報告が行ってるが…どうなるかな。

 もう一件の冒険者同士のいざこざの件?詐称?というのは、どういうことだ?名前は何て言うんだ旦那?」

 「たしか、ニコ君と言ったな。」

 「…ニコ?…おい、調書はあるか?…うん?北門の調書?で、担当ムサ?だれだそれ。…で?旦那、詐称とは?」

 「事の発端は冒険者同士のいざこざ。これはいいです。そこに薬師の依頼で瓶を回収にいった少年が巻き込まれ、半死に。その冒険者が冒険者ギルドと結託して偽の証を作成。ギルド員に仕立て、冒険者同士のいざこざで負傷、自己責任に。これすらおかしいと思うがね。力が無い方が蹂躙される…だから嫌いなんだよ。短慮の馬鹿の集まりの冒険者ギルドは…

 っと、おいらの意見は今は良いな。で、その子を裏路地に放置。って流れみたい。メアリー先生によるとね。

 で、これが、偽証。でもおかしいんだよなァ?こんなの要らんでしょうに?獣人の子だし…逆に、不正の証拠になっちゃうよね。」

 「…おい。うちの出動は?調書は?…ふむ。子供のこと載ってないな…同じ事件で2件の調書か。全員で結託…か。質が悪りぃな!たとえ、獣人でも”一般人”を殺害すれば下手すりゃ”死罪”だ。な。ムサってヤツ、呼んで来い。で、北門隊長、オウシュにも来てもらってくれや。」

  「しかし…何ですこれ。偽証?稚拙な…。恐らくギルド員としての”存在”が必要だったのでしょう。馬鹿ですねぇ…」

 ここの、文官君、頭、良いんだよなぁ。なるほど、死んじまえば如何様なりにもってな。くそ!

 ここにいると、血圧あがりそうだわ。ここは任せて帰るとするか…

 「っと、今から?帰るよ。おいら。ブラウンさんもいるし?賠償金、バッチリむしり取ってくださいよ。」

 「うん?折角だし、観てけよ旦那。」

  「俺はかまわんぞ。」

 おいらは、構うよ。

 「奥さんにも会いたいでしょ?ブラウンさん。」

  「元気になったのだろ?なら、後でもかまわん」

 面倒くさい…

 「…付き合え、旦那。解決すれば飯ウマだぞ。」

 「いやいや、こっちで勝手にやろうと思ってたんで。意識戻ったら。」

 「…勝手にって…貴族にもか?」

 「もちろん。慰謝料払わなかったら、おんなじ目に遭ってもらうつもりですよ?」

 「…ここで言うなよ…」

 「街内じゃやりませんよ?もちろん。犯罪になるでしょ?」

 「街外でも犯罪だよ…」

 「ええ~!馬車で事故、殺して無罪でしょ?街中で。両親2人よ?」

  「…いじめなさんな、旦那。隊長も悔しいんだ。」

 「わかってますよ。悪いのは”屑”だよ。まぁ、誠意があれば引きますよ。どっちにしろ、意識が戻ってからですけどね。」

 「旦那、ほどほどに。」…


 暫く隊員さんとだべって待っていると、

 「おう!スルガお前の呼び出しなんて珍しいな!結婚するのか?」

 …おおお!ゴリラだ!真ゴリラだ!白髪!シルバーバックか!なんだ…猿人族いるじゃん!」

 「おい。失礼な奴だな!」

 ”ぶひゃひゃひゃ!””はっはっはっはっは”

 スルガさん達、ブラウンさんも爆笑?ん?

 「旦那、途中から心の声が漏れてたぞ。ゴリラて。」

 「…どのあたりから…」

 って、ゴリラ言うとるな…最初からやん。

 「ゴリラがどうのって」

 「貴様ら!」

 真っ赤な顔で怒るゴリラ殿。凄い迫力だ!

 「失礼しました。ゴリラいるんですね?」

 「ああ、居るぞ。北の森の奥に。似てるな!確かに、っぷ!」

 「誰が、猿人族だ!勝手につくるな!れっきとした人族だ!」

 {…}

 …沈黙…

 「皆、なぜ黙る?…まぁ、いいで、スルガ、用件は?」

 仏頂面のゴリラ…もとい、オウシュ隊長。白髪、2m超えのマッチョメ~ン。

 腕も長い…背筋を伸ばした、まんまゴリラだ。ブラウンさんがキュートにみえるぜ。ブラウンさんも2m超えてっから2人並ぶと圧がすごい。ごりらっくま?

 「ファイト!」

 「…旦那?」

 「なんでもないです。大変失礼しましたMr.コング、私めはミッツですお見知りおきを。」

 「…ミッツ殿…慇懃無礼って言葉知ってっか?…オウシュだ。」

 「ぶぷぅ……で、来てもらったのはこの件だ。みてくれ。」

 スルガ隊長が二枚の報告書を、オウシュ隊長に渡す。

 「ちっ…ん?…なんで、2枚あんだ?…場所から言ってお前んとこの案件だろうが?…ぅむ!…なるほど。で、アホだな。こんなの作りやがって。回収し忘れなんていったら爆笑もんだわ。」

 「だろう。」

 おいらが提出した”偽証”を手で弄びながら

 「ああ、本物の証に”手書き”だぞ、ところどころ。筆跡でもバレらぁあな。で、このアホがムサか。」

 「話が速くて助かる。それで、この旦那が、その子を保護、治療している。メアリーさんも一緒だそうだ。旦那の”信用”は商業ギルドが保証するさ。で、目覚めたら、賠償金を貰うという話だ。」

 「ええ、すべては目覚めてからと思ってたんですが…スルガ隊長が暴走しまして。」

 「暴走じゃないぞ。時が過ぎれば忘れる。逃げられる前に、さっさと奴隷落ちやら財産没収しちまうに限る。」

 「ああ、その子の治療費もいるだろうさ。万が一の時もいろいろ金は要る。」

 「そうですね。おっしゃる通りです。ちなみにその子、まだ12歳(7から変更。24.1)ですよ。ギルド員になれるんですね~」

 「はぁ?未成年の一般人かぁ?」

 「何とも…」

 そこへ…

  「なんのようだぁ!」

 大声で小太りの男が入ってきた。同じ制服…このアホが、ムサか。

  「わざわざ来てやったん…た、隊長?なんでここに?」

 「偉そうだなぁ、おまえ、ここには南門の隊長格もいる。平のおめぇが、何様だぁ!あぁん?」

  「し、失礼します!お呼びとのこと!何のようでしょうか!」

 びしり!と、オウシュ隊長に敬礼!

 「…おい、これ見てみろ。」

  「これは…調書です。」

 「んなこと見ればわかる。中身だよ」

  「…はい。」

 「で申し開きは?下手したら罪人だぞ?」

  「?俺…私は調書を取っただけです!冒険者集団同士のケンカがあり、重傷2名。冒険者同士のいざこざ、喧嘩両成敗。おとがめなしと。」

 「で、こっちの調書読んでみろ。」

  「…ケンカの調書ですか?負傷者なし?」

 「で、お前の書いた調書の重傷者は、冒険者のニコだな?NO,02342106の。」

  「ええ。証見て確認しましたよ。ギルド職員も立ち会って。死にそうでしたんで今頃…」

 「で、相手は、この”救いの手”?はぁ?洒落にならんな!こいつ等だな。」

  「ええ。」

 いけしゃあしゃあと。…この…

 「旦那」

 おっと、すぐに顔にでる。最近抑えがきかんのか?鉄面皮仕事しろ!

 「で、なんでお前?調書取ってんだ?南門より先に。引継ぎすりゃいいじゃねえか。おまけに申し送りもねぇ。どういうこった?」

 「急ぎの用があって、南門さんが遅すぎたのでは?」

 「スルガ、トロいってよ。しっかり仕事せんと。ぷぷ。」

 ギロリと睨み殺気をとばす。大人げないぞ!スルガ君。

 「で、誰の指示だ?協力者は?いくらもらった?」

  「な、何のことで…」

 「生きてるぞ。坊主。」びく!

 「命に別状ないようだ。」

  「…嘘言っちゃいけませんよ。あの出血じゃ助からない。あんな…」

 「子供だろ…ニコって。一般人の未成年で。」

  「知らねぇ、ちゃんと証に…」

 「これか?年齢と登録日、ランク等が手書きの」

  「な、んで、ここに?」

 「名前、NOはあってるな。」

  「…」

 「さぁ、聞かせてもらうぞ。おい。」

 二人の隊長に睨まれるムサ。

  「獣人のガキだろ!俺たち人族で仲間 ”ずううぅど!” げぇっへいい…ぅおぇ、ぐえぇえ。」

 良いレヴァーブロウ!だ。痺れる角度だぜ!シルバーバック!完全にムサの肝臓を抉る!

 「罪人が……恥知らずめ…ちっ。」

 「ふん。何が仲間だ。おい、オーシュ」

 「ああ、旦那手間とらせたな。こいつはしっかり罰する。命が助かってるので”極刑”はないが…やってることが酷すぎる。こいつ、ギルド、加害者、共に相応の罰が下るとおもう。賠償金も上限で請求する。今回はそれで納得してくれ。」

 「ええ。お任せします。お金はメアリーさんに。それじゃ帰りましょうか?お腹減ったし。あ!チビ達が餓える!急ごう!」

 「調書があるんだが?ビルックやお嬢がいるだろ?」

 「今、依頼で出かけてんだよ。飯の用意しないと。」

 「…わかった…こっちで作っておく。次の鍛錬の時、確認してくれ」

 「了解。帰りましょう!」

 餓えた野獣が!…


 急いで帰ったけど、メアリー先生とブラウンさんの奥様のマーレさんで調理され、食事も始まっていた。

 「さっきまで、我慢してまってたのよ。」

 とマーレさん。

 久々に旦那にあえて幸せそうだ。爆ぜろ!大熊!せっかくなのでご相伴にあずかる。素朴で心にしみる。どこにいてもおふくろの味ってのはあるんだなぁ。安心する味だね。

 食後に報告会をする。お子ちゃま達はうさ耳っ子を混ぜて、草原にいくようだ。?ん

 「何でコップもってくんだ?あっちの水飲み場にもあるだろ?」

  「鹿さんにおっぱいもらうの!」

 だそうだ。乳しぼりしてんのかよ…

 「蹴とばされないようにするんだぞぉ!」

  {うん!}

  「のびのび暮らしているのね。」

 と、マーレさん。

 「狭い中ですが…孤児院じゃ表も歩けないと聞きます。せめてこれくらいは。」

 「その孤児院も此方にくるんだろう?」

 「ええ。先生。もともとお世話になっていたってこともあるのですが、今この街内で獣人のいる孤児院には補助金が出ないらしいのです。」

  「まぁ」

 「はぁ?ほんとうかい?」

 「それが、私たちが援助してた孤児院が多少ですが、裕福になったのが気に入らないようで。隣の教会が茶々をいれてくるんですよ。」

 「そんなことが…腐ってるね…あすこは」

 「子供たちを受け入れる準備にじっくり時間を掛けたかったんですが…そうも言ってられずに。」

 「受け入れ準備と言いますと?旦那?」

 「主に、教師や講師ですね。子供の将来です。なにか手に職をと思いまして。一般教養もその一つですね。鍛冶師、革職人で、今回都合よく、治療師、裁縫師が手に入ったと。当面は間に合うと思いますが、後々、農業や、大工なども迎えたいですね。」

 「なぜそこまで…」

 「別に獣人だからとか無いですよ?たまたまです。ただ、子として迎えた以上、責任があるでしょ。」

 「それで、あの教育かい?貴族の坊ちゃんより、よほど優秀だね。」

 「まぁ、最低、文字と簡単な計算くらいはね。ただでさえ、侮られるんだ。しっかりした知識があればあがなえるさ。で、その助けをしてもらいたい。」

 「…子供たちの未来に…かね、」

 「ああ!子供たちの未来に!」

 「分かった。微力だが協力させてもらう。」

 「大熊さんが、微力?その体で?」

 ”はははははは”

 その時、

  

 「父さんただいま」

 「おかえり雹」

 ここで感動の対面だ。ブラウンさんと、雹。

  「レッグ…いや、雹、君のおかげで夫婦とも助かった礼を言わせてくれ…ありがとう。」

 大きい体を小さくして頭をさげる。ブラウン氏

  「頭を上げてください。おじさんは俺たちが一番きついときに助けてくれたんだ。礼には及ばないよ。メアリー先生も。先生いなければルルだって。お金払ってないし。あの時はありがとうございました。」

  「あんな、何も入っていないスープで…」

 マーレさんが泣き崩れ落ちる…。

 「…で、どうだった?雹に必要な情報は得られたかな?」

  「はい。ディフェンは懲りずに今度は”悪魔”を召喚しようと企んでいるようです。”都合よく”街中で召喚陣が見つかって、”都合よく”悪魔用の従属アイテムが見つかったそうです。」

 「教会か?」

  「はい。おじさんはごついから鉱山だけど、ほかの人は生贄候補だったみたいだ。あちこちの町や村から集めてるみたい。強力なのを呼ぶために、大きな魔石を運搬してるとか?」

 まだあったか。もらいにいくか…

 「そうか。教会の甘言に乗って暴走してるようだね。」

  「うん、今自国の反乱に手をやいてるって。」

 「だろうなぁ~あれだけ国力落ちてんのに、頭が内政に向かないから。」

  「王族交代?」

 「いや、無いな。あんな国でも獣王国の防波堤になってんだ。今まで脅されて嫌な目にあってた国でもいざとなったら力を貸すさ。この国もね。教会だって今の王族のが扱いが楽で良かろうさ。現に悪魔進めてるし。」

  「何でそんなに獣王国を恐れるの?」

 「そりゃ、獣人の方が強い。戦力的にね。負けると、皆殺しか、奴隷になると思ってる。」

  「しないと思う…」

 「ああ。しないと思うさ。でもね人族はやってきたんだ。愚かにもね。で、さらに愚かなのは、自分がやってきたことを相手もやると思ってる。」

 「…」

 「それが人族ってやつさ。で、どうする?」

  「破壊したい。」

 「ふむ。悪魔は”勇者”がいないとキツイからトワ兄かセツナ姉帰ってきたら聞いてみ。」

  「自分の…この手ではだめなの?」

 「聖剣や、魔剣の類があればいいんだけどね。雹のは無いよ?」

  「わかった。お金貯めて買う!」

 「お!目標ができたなぁ。じゃ、ヒントだ。貴重な金属や、聖なるもの見つけたらドワーフのおっちゃんに打ってもらう方法もある。こっちのが近いかな?今までの人脈も考えて。なにも自分で探して買わなくてもマシューさんや…おおっと。ヒント多すぎだ。」撫でり。

  「ありがとう父さん。」

 「あらあら。ホントに親子なのね。びっくりしたわ。」

 …優しい目で見ないで皆さん。恥ずかしいです。

本日もお付き合いありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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