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祝福

 「いらっしゃいませ。ミッツさん。あらあら。」

 おいらの前には”身分証”を手に、娘達が待機中だ。

 「これはリッツさん。ご出産おめでとうございます。あ、私の娘です。 「ラグ!」 「ハル!」 「「よろしく!」」 …それで、男の子とか。」

  「ふふふ。ありがとうございます。跡継ぎを生むことが出来ましたのでホッとしてますよ。」

 …だよなぁ。なんだかだいっても網元、次期村長のお家だ。しかも、ド田舎。その奥方にはプレッシャーも半端なかっただろう。ご苦労様です!

 「お祝…先ほど知ったばかりで…あり合わせで悪いのですけど。後、祝いのワイン置いていきますね」

 玄関先に祝い酒、ワインを樽で出す。それと、うちの町で作った綿の上反物を。おむつにもできるしね。魔蟲布も手持ちはあるが、ヘタをすると災いを呼ぶからな…。特に人災だ。

  「い、いえ、いえ。こ、こんな。」

  「いただいておきなさい。ミッツ様の御気持ち。ありがたくのぉ」

  「はい。ありがとうございます。」

 「じゃ、栄養もしっかり取ってもらわないと。肉も出しましょう!」

 バンバン食べて、良いお乳をたくさん出してもらわないとね。 


 村のお偉いさんにセツナっち達を紹介し、会場に移動。

 勿論、竜様…ルージュ殿には皆さんびっくり。

 村長はじめ年配連中は拝みだす始末。人族社会でも只、”敵”としての認識ではなく敬う存在なんだなぁ。特に田舎に行けば行くほど…昔の伝承なんかも残ってるのかもしれないな。

 お年寄りたちを立たせ、準備。我が町の肉の加工品、魔猪、途中で仕留めた角兎などをだす。漁村故、肉類は大人気だ。野菜も提供しよう。あ…メロンあったな。お祝いに加えるか。

 

 「やぁ!ミッツ殿ぉ!よく来たなぁ!」

 そこに旦那さんのフランツさんが帰宅。

 「お帰り!フランツさん!漁の方はどうでした?またしばらく世話になるよ!」

  「おう!うちの離れはミッツさんとこの別邸だ!好きなだけ遊んで行ってくれ!漁?そんなもんより、我が家は大漁だ!」

 「ああ。聞いたよ!おめでとう!」

  「へへへ。ありがとうよぉ!折角だし、抱いていってくれ。是非にカイエン様も。御利益在りそうですし。」

 …うん。おいらより絶対あるな!

 「丁度いい。ドルトン爺さんもいるし。ドルトン老も人族じゃ人気だろ?」

  「ドルトン老?…ドルトン様!”聖拳”様か!そいつはありがたい!うちの子も丈夫に育ちそうだ!」

 「お~い!ドルトン老!」

  「はい、”使徒“様、いかがされた?」

  「ま、まさしく”聖拳”様…リッツ!リッツ!リッツぅ!」


 ムキムキのドルトン老の腕の中。大泣きすると思ったのだが…大モノなのか、老が慣れてるのか…てか、何故に脱ぐのだ?ドルトン老…立派なお乳(大胸筋)だけど、ミルクはでんぞ…なんね。

  「うむ。良い子だ。健やかに。では、カイエン様」

  「うむ。」

 ドルトン老からカイエンどんに。

  「ありがたい…これでこの子も…ありがたい。」

 さすが”肉体”重視の漁師の村。”聖拳””魔戦将”の祝福。これ以上のものはあるまい。

  「フランツ殿、これからが本番ですぞ!さぁ!”使徒”様!”祝福”を!」

 「…ドルトン老…まぁ、おいらも健康を祈らせてもらうよ。この子の名は?」

  「は、はい、リンクと言います」

 「そうか。リンク!健やかに、心もおおきな男にな!」

 天より一条の光。その幼子を照らす…

  「な!神さま!」「奇跡だ!」

  「”祝福”?ほ、本物の!」「神よ…」「すげぇ…」

  「み、ミッツ様…あ、ありがたい、ありがたい…」

  「ミッツさん…」

 この場にいる者皆、涙を流し、跪いて神に祈る。

 「ふぅ。神よ。ありがとうございます。」

  「神様…なの?…」

  「…お父ちゃんは神様のお使いだ。ゼクスの所のインチキとは違う。本物。安心して良い」「…安心すると良い!」

  「お使い様…」「お兄ぃ?」

  「…うむ。今ならお父ちゃんになってくれるぞ?」「…うむ!」

  …ははは

  「…ところでお父ちゃん。いい匂い…腹減った!」「…ハルも腹減った!」

 「おう!そうだね!ささ、皆さん始めましょう!」

  「は、はい!ミッツ様!」「どうぞこちらへ!」

  「使徒様!」「使徒様!」

 ははは…祝福は良いけど…大ごとになったな…


 浜焼バーベキュー会場に移動。そして村長の歓迎の挨拶で宴が始まる。ありがたいなぁ。 

 いつの間にかに竈も増設されており、網元たちや、海女さん達も参加している。大きな網の上ではアワビが身をよじり、魚やエビが跳ね!…

  「あ!お父ちゃん逃げた!脱走!」

 カニが逃亡…と。そのカニを追うハル。ふふふ。

 

 おいらは、ラグ、ハルちゃん、リック、シャンちゃんを連れて、会場を巡る。勿論、カイエンどん、ヴァン同伴だ!


 「くっはぁ!漁村で食事したこともありますが、焼いて、塩、醤油だけでここまで美味いとは!」

 レスト殿、ここでも皿を器用に持ってあちら、こちらと。

 「そりゃ、鮮度が良いからなぁ。さっきまで生きてたし。ここの連中の仕事も良い。」

  「…お師、あんまりいいもの食ってなかったのか?」「…貧乏?」こら。

  「うぐぅ…ラグ、ハルちゃん。お金を持っていても食べられないもの、手に入らないものは、ごまんとある。むしろ、お金で手に入る物の方が少ないよ。知識然り。友人然り…」

 お?いい事いうねぇ!さすが大魔導士!蘊蓄が違うね!

  「…お師…。小難しいこと言って誤魔化す。いけない。お金ないと奴隷にされる。」「…貧乏?」

 …こらこら。

 が…実際そうだな…過酷な人生…さすがレスト殿、彼女の言葉の意味を察したようだ…珍しい、”収納”持ち故の…

  「ふむ…じゃ、美味しいってことは素敵じゃん!ってことで。」…。

  「…うむ。」「…うむ?」

 良いのかね…君達…


 うん?子供も結構いるな…村の風習?焼き場には来ず、ぐるりと回りに。親が取り分けている、そうだ!焼き網に我が町産のトウモロコシを並べる。そう!焼トウモロコシだ!焼番の人に火が通ったら醤油をかけて一炙りと。2~3回分の生の物も置いてその場を後に。直、いい香りが漂って来るだろう。

 

 「ドルトン老、やってる…な。」

 さすが筋肉の漢!浪漫の漢!”聖拳”様は大人気だ!参加している他の網元、漁師に囲まれている。酒も入っているようだ。なぜか皆、上半身裸だ…

  「は!使徒様。美味いですな!滋養のある食事…また寿命も延びようというもの!はっはっは!」

 ”ぶきき”…此処でポージング!”おおおおおお!”歓声が上がる!

 「…そ。良かったよ…」

  「…筋肉お爺」「…筋肉おじじ。」「ドルトン様?」

 …放置でいいな。ここは。

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