自宅のあれこれ
さて。今回のミッションはトワ君、カイエン、おいらの3人で良かろうと思ったが…
「ダメです。」「…。」
マーレン町長ににべも無く却下を食らった…
「先行出てるのだろう?合流すればよかろう?」
「合流するまでが危険です。マルロ様かディゴ様をお連れください。別に斥候小隊がお守りします。」
「…過剰戦力と思うが…んじゃ、マルロつれて…何やってんだ?ディゴ?」
「そこは私でしょう!お付き合いだって長いのですぞ!マルロもヴァンも外に出てたのですから。お連れくださいませ。道中の鍛錬もお任せくだされ!」
…それが嫌なのよ…
「よし!許そう!おっさんの鍛錬も任せた!」
「んな!」
「はっ!ありがたき幸せ。」
「明日、3の鐘に出発する。準備しておけ。」
「トワ氏…おのれは…」
「いいじゃん。外にでたいんだろうさ。」
…強いんだから勝手に出ろよぉ~。頭領の決定だ。致し方なし!
屋台で飯を買い漁り、旅の準備をする。布地なども放出したからダンジョン国で仕入れてこなければ。古着も何だかんだ言ってもあった方が良いだろう。
万一に備え、備蓄の麦の一部を収納に。こちらに向かう難民にあう可能性だってあるからな。そうそう”車検”に出していた馬車を引き取らなくちゃ。
この町製の馬車ができ始めたので、ディフェン製の物…トワ君が大量にかっぱらって来たもの。…は順次置き換えられる。
使用に耐えられるものはそのまま近場運搬用の荷車や、町内の物に改良または、箱家に改装される。この箱家は野営用の家、妖精族の家または、側面を開け”屋台”としても利用される。ぼこぼこなのはしょうがない。薪だわな。
「お玉さん。また明日からしばらく旅に出ますので。よろしくお願いします」
《…はい。了解しました。そうそう。人口5千人突破記念?の特典で階層2つ増やせそうですよ。すぐに1万人にも手が届くでしょう。特典あるといいですね。》
「ダンジョン育成ゲームか!でも折角だから開発よろしく。精霊界を無理のない形で下層にスライドできる?」
《…全然余裕ですよ。広く取れますし、精霊たちも安心するでしょう。後は適当に農地にでもしておきますね。まだ手は回らないでしょうが…。》
「うん。よろしく。そうそうこの石の解説お願いできる?”濡羽色金”ていうんだけど。」
《…おおお!まさしく神の金属…同様のフリー素材の”神金””緋緋色金”などがあれば持ってきてください!》
「お、おおぅ。食い付くな。フリー素材って?」
《…これらの金属はお告げと共に何らかの”目的”をもってこの世に降ろされます。が、極く稀にこのように入手できることも。》
「なら、お玉さんが”会う”という目的のために降ろされたのだろうさ。で?こいつはどうなるの?」
《…私の血肉となります。もともとこの物体は加工はかなわないでしょう。全てのエネルギーを吸収しますので。》
「…おいおい。お玉さんも無事では済まないんじゃない?」
《…そこは大丈夫。”そういうもの”ですから。》
…。そういうもの…理の一つか?まんまダンジョン育成ゲームじゃん…
「…んじゃ、やっちゃって。どうぞ。」
《…ではさっそく……”ぶっ”…》
な!
メインコアと思われる一番奥のコアの色が消えた?おいおいお~い!お玉さん自慢のクアッドコア?作業視野の二つのコアも消える…完全に作業視野分離されてる言ってたじゃん!これってヤバイ?理じゃなかったのかよぉ!
「お、お玉さん?」
《…》
「…おいおい…誰か呼ぶ…って…げ…ゲート動いてない?…機能停止?…住人も閉じ込められるのか?」
おいらは一蓮托生で良いが…住人たちが…
”ぶん””きゅきゅきゅきゅ…”
《…再起動シークエンス…電源を切らずにこのままお待ちください…》
「ウィンドウズか!余裕あんな!めっちゃ心配したんだぞ!」
《…電源を切らずにこのままお待ちください…》
「…このまま押し切る気だな?お玉さん。」
ジト目で見てやる…このぉ。
《…電源を…ふぅ。御心配おかけしました。人的被害0。ゲートも直前に進入禁止にしてましたので大丈夫ですよ。いや~びびった。びびった。》
…ビビったのはこっちだよ…
「…大丈夫なのか?」
《…もちろん。既に通常の機能に復帰しています。ご安心ください…。まさかこのような事態になるとは理の外でしたね…。あ!特典でフロア5階層の開発許可が出ています。》
「…任せるよ…」
もう…どれだけ焦ったか…
《…関心ないんですねぇ?フロアの広さ制限も撤廃されましたが?》
「なんと…じゃ、広さは無限と?」
おお!
≪…いえ。一番広いフロアが最大値ということは変わりません。10層まではそのまま。それ以降の階層の拡張を推奨します≫
…そうそう上手くはいかないのね…しかし…ありがたいな!だいぶ広くなるぞ!
「うん。今の壁を維持しつつ拡張お願いします。一回整理してみないとね。」
《…こっちでも適当に階層をソートしてみます。広さ制限解除されましたのでカテゴリー別に並び替えても良いでしょう。精霊界は下層に2階層分献上しても?》
「うん。任せる。うちの根幹だもんな。世界樹も枝だけなら階層越えてちょろっと地上に出ても良いのだけど…」
《…アヌヴィアトを手に入れてから考えましょう。》
…お玉さん。あんたもか…
それから小一時間、お玉さんと雑談。屋敷地下の部屋計画。風呂やおいらの部屋なんかは地下でも良いと思ったら、囲った範囲でも明るくできると。子供部屋を適当に作ってもらうことにする。冷凍室も保管庫も…また場所無くなるな…ははは。
ダンジョン国行ったら部品を沢山購入しくるようにと念を押される。関心は高い。
そうそう、会頭の許しを得て”依頼の物”をお玉さんに渡す。そう、トワ君が持っていたものだ。その際に勘のいい会頭殿にあれこれ聞かれたがね。まぁ、あの会頭の事だ。おいら達の動き位把握してるだろう。行ったら”冷凍庫”買いしめられていたりして?
何となくだが嬉しそうに仕舞ってるな…これは沢山購入してこなければ…。
代わりにと、アーティファクト、”体脂肪計”を渡されたんだが…風呂場にでも置いておくか…銭湯の女湯に…殺される?で、やはり、神龍は出なかったそうだ。期待していたのだがな。
子供部屋を覗いていく。まずは女の子部屋。寝るときは皆一緒だ…無理に分けなくともいいのかなぁ…?しっかし可愛いのぉ~おっと。触ると起きる。最初の頃は足跡でも起きたものなぁ。雪…腹出てるぞ…毛布くらいは大丈夫だろう…
お次は野郎部屋。…ハセルの周囲には誰もおらん…ハセルには部屋が居るな…
「ん?父ちゃん?どうした?」
「おう、ニコ、起こしてしまったかい。悪いな。」
「ううん、今寝ようとしたとこだったから。」
「いやな、明日からまた出るだろう?だからなぁ。」
「お疲れ様です。また救出?」
「いや、約束…留学みたいなものさ。その迎えにね。大怪我した子でねぇ…」
ザっと事情を説明する。
「ふ~ん。トワ兄がねぇ。でもちっとも休めないね、父ちゃん。」
「まぁ、せこせこ動いてる方が楽でいいさ。ははは。そういや、コクヨウたちって何処にいるんだ?ここに帰ってきてないのか?」
「今のとこは共同訓練みたいな?宿舎の方だと思うよ」
「それでも”部屋”位用意してやらんとなぁ。ここが実家だしな。ニコも一人部屋欲しいだろう?」
「う~ん。勉強部屋?ハセルには寝室が要るね。危険だあいつ。」ははは…
「雹にも部屋位用意してやらんとなぁ…」
「雹兄は、全部バッグに入れてるから?寝床だけか?」
そういや、無限バッグ持ってたな…
「それでも心休める場所はないとなぁ。やっぱり必要だなぁ。一応、計画はしてるから。」
「はふぅ。それは楽しみだねぇ。父ちゃん、気を付けて行ってね。」
「ああ。ゆっくりお休み。」
…さて。おいらも寝るか。おやすみ~




