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閑話 七夕?

なんとなく。よく考えると知らないことが多い、謎のお祭りですよね。おいらだけ?

 「ねぇ?お父ちゃん?七夕って何?」

  「願い事?」「なになに?」

 「うん。こいつに”願い事”を書いてな…笹にぶら下げて川に流す…」

 なんとなく七夕祭りを提案。したは良いが…

  「…なんで?」

  「川の神様がお願叶えてくれるの?」

 「うん?…なんでだ?」

  {お父ちゃん…}「知らないの?」おふぅ。知らん…

 「…ねぇ、トワ君、知ってる?」

 「知らん。織姫様じゃね?姫だし。彦星って…牛飼いかなんかだろ?ダメだろ奴じゃ。」

 「…おい…彦星様、夜空から睨んでるぞ。…よく考えたら由来…知らんな…一年に一回の逢引デートってくらい?…なんで一年に一回なんだ?」

  「なんで?」「なんで?トワ兄?」

 「なんでって…確か…結婚したは良いが…仕事もしないでイチャイチャしてたから神様が怒って天の川で分けた…だっけか?…おっさんみたいな神様だな…きっと呪詛吐きながら別々にしたんだろう。ぷっ。一年に一回ってのもなぁ。くくく。余程ムカついたんじゃね?」

 「おいらはそんなに心は狭くないわ!…すいません!神様!」…いらっしゃるかもしれん…。

  「…よくわからないお祭りだね…父ちゃん。」「うん。微妙ぉ。」

  「お父ちゃん。お祭りだからご馳走食べたりする?」

 「…ご馳走?無いよな?…う~ん。」

  「つまんない。」「うん。」

 「何やってるのよ…おじさま…七夕って織姫…天衣作るのが上手だった…かしら?それにあやかって、はた織りや裁縫の上達を願う儀式よ。技巧を授かるよう願う。中国のお祭りだったかしら?」

 「へぇ!さすがセツナっち。女の子だねぇ」

  「裁縫の技?」

  「わかった!服屋のブラウンさんをお祭りするんだ!」

  「…筋肉ダルマ…」「筋肉のお祭り?」

  「なるほど!筋肉祭りか!それなら神様も喜ぶね!」…おぅ…。

 「…違う…のだが。」

 「…皆、違うわよ…」

 どうしてこうなった…その後、神様に”技術の向上をお願い”する事と、”遊んでばかりいると神様に怒られるぞ”って教訓?…もう、何が何やら…七夕なんか幼稚園までだもな…。


 「何々…肉塊?まるかじり?誰だこれ…。…ブラウン師か良く描けてるな…ムキムキだわ…こっちもか。むきむきになりたい?…ふぅ」

 数日後…ちらほら短冊が下がってたので覗いたら…うん。おいらの思い伝わってねぇな。

 「いいじゃない。おじさまもよく知らないのでしょ?」

 「…まぁね。今年限りかな…」

 「良いんじゃないの?べつに。ふふふ」

 「うん?黒い短冊?…魂1000個ぷりーず?…ブランデー100本頂戴?…ルカちゃんか…。これ。」

 「そういえば、さっきいたわね。」うん?

 黒い短冊の傍らに、首を紐で括られたオウン殿人形がテルテル坊主のごとくぶら下がっていた…クルリと回り…こちらをジッと睨め付ける…恨みのこもった目で…自業自得だろうが…ま、彼はその”業”を死した今でも返済しているのだ。おいらに恨み…すでに思うところもない。今となっちゃ、こっちの世界の方が良いものな。

 「…オウン殿。久しぶりだね…「どうしたの?おじさま?」…いや、何でもないよ。それよりセツナっちは書かないのかい?」…教育的には良くないので直ぐに撤収させねば…ルカちゃぁ~ん!かたしておいて!

 「…良いわ。今は満たされてるしね。地球よりも。これ以上望むことは無いわ。」

 「…そうか。どう?ワインでも飲む?」

 「良いわねぇ」…。


 

 「いやぁ、今年も見事でしたね。」”わいわいがやがや”

 興奮冷めやらぬといった風の住人たちが神殿からぞろぞろ出てくる。神殿前…今日は校庭の一角に多くの屋台も出ており、思い思いに酒宴が始まる…

  「ええ。今年の”織姫”トニ様の肉体といったら…」”わいわいがやがや”

  「ブラウン様も負けていないわよぉ!」”わいわいがやがや”

  「ドルトン様も惜しかったなぁ」”わいわいがやがや”…。

 

 …どうしてこうなった…

 

 『筋肉バトル!IN七夕』…人気投票で選ばれた偉丈夫たちの筋肉比べのバトルが繰り広げられる…優勝者は”織姫”の称号を得…おっさんだぞ!…皆の願いを神へと祈るという…

 ちなみに、初代織姫はブラウン師だ。

 子供達の祭りが…一応、子供たち用に短冊は用意しているが…みな、憧れの偉丈夫たちの似顔絵とかだ…

 「…なぁ。誰だ?リークしたの…」

 我が家中で完結したはずだが…何時の間にやら町を挙げてのこのような行事に…

 「…さぁ。私は知らないわよ…。本当よ!ほんと!」

 「疑っていないって、セツナっち。」

  「どうせ、神が暇こいていて聞き耳でも立ててたのじゃなくて?」

 「うん…それが一番しっくりくるね…」

  「でしょ。暇神ひまじんだしぃ。」

 「でも住人も神様も楽しんでるのでしょう?ならいいじゃないの?おじさま?」

 「そうだな…うん?神様主体の行事…神事ってことか?これ?…子供達も楽しめるようにお菓子か料理でも考えるか…」

 「そうね…いい案ね!建設的で…神事…かぁ…」

  「ほんと、アホね。」…聞いてるぞ?ルカちゃん…

 

 こうして我が町に新た祭りが加わる…一応、子供達の短冊やら折り紙の鶴などを神様に奉納しよう!という条文を加えそれらしくまとめる。もう勇者来ないし…変な七夕だと指摘されることもあるまい…。


 「おお!”織姫”様だぁ!」”おおお!”

  「トニ様!」”わっしょい!”「トニ様!」”わっしょい!わしょい!”

 大きな神輿にトニさんを乗せて…その神輿をブラウン師らゴリゴリ共が担ぐ…暑苦しい…そのまま役所の広場まで練り歩くとか…やっぱり変な祭りだ…。    <完>

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