到着!
いらっしゃいませ!
「ほう…きれいだなぁ。そんなに離れていないのに違う植生があるな。魔物は?」
「今のところバジリスクと鎧熊くらい?あ、魔猪は食料ね。そうそう、なんか問題あった?」
「いえ。特には。騒ぎもありませんし。そうそう。冒険者のパーティの一つの越境未遂といったところでしょうか。罠にかかっていました。」
「あらあら。で、彼らは?」
「身分証取り上げて放逐しましたよ。次は…」
…無し…ね。
「良いわね。ナイス。」
「道もきれいに整備してるんだね。」
「はい。レンガも大量に焼かれるようになりまして。」
<ふむ…”使徒”殿、魔力の入れ直しを頼もうか。>
「なんでよ!」
<”使徒”殿のほうが質がいいからだが?問題あるのか?>
「…折角…入れたのに…ドラゴンシェルも?」
<より安全を望むのであればな>
「なにが、勇者の魔力よ!」
<怒るな相棒。あの時は最善だったのだ。それに”神気”にはかなうまいよ。相棒にも分かるだろう?>
「…まぁね。そういうことで、おじさま、お願いします。」
「何やら複雑だが…安全向上は急務だからな。魔の森の中…いくら強化してもいいだろうさ。」
<炉にしても弟君の”神剣”もここで鍛えられよう。良いことづくめだぞ。>
「はいはい。わかったわよ」
<…主が込めた、バッグはこのままにするつもりだ…絆としてな>
「ルー…」
…ルー殿。
<少々不安定だがな!>
「あんた…嫌い…」ははは。
「セツナ様、そのお方が、”使徒”様で?」
「”魔王”様よ」
「へ?魔王…」
<ひがむな相棒。その通り、このお方が”使徒”殿だ。>
「ん?「父ちゃん」バジリスクだ!」
「ほう、わりなさるか。」
「「狩るか?」」
「どうする?セツナっち。」
「行ってきなさいな。今晩のご飯ね」
「「応!」」
「あ!皮は使うから」
「「了解!」」
ライがけん制、その隙にバスターソードが口に叩き込まれる。”ぎゅぉぎょぎょお”
「「はい。終了」」
「しっぽ気をつけろよ。カイ」「ああ。ライもな。」
あっという間に終わってしまった…
「早いな…」
「こいつ、速く動くやつに反応するんだよ。」「その隙にブスリ。って。」
「お見事です。おい、台車来るまで、ここに居ろ。」
「へぃ」
「へぇ、そんな習性があるのかぁ。」
「うん。俺ら、いつも二人だからね」「片方が陽動、隙見て安全に。って。こいつ等、目が良すぎるからでしょう。あちこちに動くし。」
「なるほど、強みが弱点になってるんだな。皆にも?」
「うん。ブレス躱せなきゃダメだけどね。」「そうそう。目も大事だぞ。」
…おいらのわんこが、だんだんゴリゴリに…
{おかえりなさいませ!セツナ様!}
「皆、無事?ご苦労様!ザルバック報告事項があれば、急ぎ以外は一時間後。ちょっと休憩するわ。」
「特に在りませぬ故。ごゆるりとお休みください。」
「ありがとう。おじさまもこちらへ。」
「ああ。休ませてもらおう。」
周りを見渡す。話に聞いていた通り、二通りの住居、背の高いのと低いもの。うまい具合に丘陵地の斜面を利用して建っている。居住区と畑の間に川が流れているようだな。
川べリの広場には市場のようになっている。買い付けだけじゃないのか。衛生状況もいい。匂いも一切しない。心友が大活躍なのだろう。
この建物はマーケットの中央、一段高い場所にそびえる。少々歪な城のようだ。炉と併設された倉庫、集会場みたいなものなのだろうか。ん?大きな魔力…ドラゴンシェル?向こうにも?
「ルー殿、ドラゴンシェルは二つあるのかい?」
<うむ。畑エリアをカバーするためだ。>
「贅沢ですねぇ」
<まぁ、相棒のたっての頼みだからな。>
「お嬢帰ったかぁ。」ん?
「これは、ダワーリン老。お久しぶりです。どうですここは。」
「おお!これは、これはミッツ殿。そりゃもう天国じゃよ。最高級の炉もあるしの。」
「アヌヴィアトには帰らないのですか?」
「はて?どこじゃそれは?かっかっか。冗談じゃ。馬車に乗ってまではいらんの。ここで神のもとに参る所存じゃ。」
「そうですか。楽しんでくださいね。無理しない範囲で。」
「うむ。うむ。で、お嬢はどこじゃ。」
「なによ?おじいちゃん。お酒なら夜よ。」
「ぬぅ…何でもないわい…けち臭いのぉ」
「あら、もういらないのね。」
「!冗談じゃ、そんなこともわからんのかぁ!のぉ。ミッツ殿!」
「ははは…」
<おい。爺。明日、炉の稼働を止めよ。よいな。>
「は!なんとおっしゃられた!竜様!」
<明日の炉の稼働を止めよと申した。わかったな!>
…この世の終わりみたいな顔をして…
「…は、はい…わかりました…竜様。な、なにか、我ら、失敗を…お気に障ることを…よろしければ、その理由をお教えくださらんか…」
<ん?爺、なにもないぞ。炉の改良をする。この”使徒”殿の力を借りてな。さらなる高温、気密性、硬性。神金すら楽に加工できる炉となろう。>
「なぁあ!ははぁ!有難き幸せ!早速停止させましょうぞおぉ!早速皆に!」
”どすどすどす…”
行ってしまった。
<相変わらず元気な爺だな。>
「…ですね。良いことですよ。」
”かーんかーん”
「ん?」
「炉の停止の合図ね。早いわね…明日って言ったのに」
<放っておけ。さて、相棒、ワイン出せ。のどが渇いた。>
「はいはい。ところで、ルー。ゲートどこに作る?」
<ここで良かろうが。皆の集まるところであろう?主の家も兼ねておるしの好都合であろう?>
「そうだっけ?って、違うわよ…あっちの家よ。ローラ達のとこ。」
<まぁ、ここで良かろう。使える…起動できる者…基本”勇者”殿たちと村長クラスか?”魔族”の連中も力となろう。>
「部屋…地下室あったわね…倉庫…そこでいいか。トーキルンさんに地下の倉庫の広いところ空けるように言っておいて」
「はい。」
「さてお茶にしましょ。お茶。」
「父さん…」
「おお!真火!真火!こっち来い。こっち!うんうん。しっかりしてきたな!うんうん!」
ハグだ!ハグ!
「父さん。久しぶり。」
「ああ。ああ。」うんうん…
「「父ちゃん!村見て回っていいか!」真火兄に案内してもらうし。」
「…ああ。行ってくるといいよ。また後でな、真火、あ、小遣い持っていけ!」
「うん。ありがとう。」
「兄ぃ行こうぜ!」「外も行きたいな!」
「ああ。行ってきます。」
ぽつん…皆いなくなってしまった。んじゃ、ひと眠りすっか。
「おじさま~風邪ひくわよぉ~」
お?おお?あたりは薄暗い…灯りが入っている。爆睡しちまったか?
「あら?もう夕ご飯?」
「ええ。そうよ。紹介を兼ねて食事にしましょう。」
「ライたちは…?」
「帰ってきてるわよ。大きな猪狩って。」
「そか。じゃ、御馳走になるか。」…
本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。




