閑話 妖精至高超絶美少女女王アナスの優雅?な日常 ある日
いらっしゃいませ。飲食中注意。フンコロガシ探しです。
<アナス。ちょっといらしゃい。>
…嫌な予感しかしないのですけど…
「はいぃ?何でしょう?精霊様…?」
<そんなに離れていないでもっとこっちにいらっしゃいな。クス>
「…はい。それで何の御用でしょうか?父様にワイン集ってきます?」
<…集るって…まぁ、それも魅力ですけど、最近は住人の皆さんがお供えしてくれるの。…ワインの話じゃないのよ。土精霊に言わせると”分解者”が足りないっていうのよ。共有階層に。>
はぁ?”分解者”ぁ?何よそれ!物騒な…
「…あたいの知り合いにはいませんが?そんな人。」
<スカラベっていう虫さんが効果あるようなのよ。Gの何倍も。>
「はぁ?どんな虫です?」
<…知らないわよ。適当に捕まえてきて。”使徒”様なら知ってるでしょう?じゃ、よろしくね>
「ちょ!…行っちゃった…もう!」
またえらいこと頼まれたな…スカラベ?何じゃそりゃ。しょうがない…父様に聞いてみるか…あ!マンクット!干しブドウ食べてないで付き合いなさいよ!
「で、何者よ?そのスカラベって?あ!パパヤ!貴女も来なさいよ!」
「良くわかんないけど、父様なら知ってるって。」
「なになに?アナス?マンクット?」
「精霊様から”命令”があったの。虫捕まえに行くわよ。適当に集めておいて。」
「…そりゃ、遂行しないとだわね。追い出されちゃうわね…わかった!適当に集めておくよ。」
「…という訳よ。父様。力貸してよ。」
「ふ~ん。スカラベ…かぁ。魔の森のと平地の方どっちが良いかな…魔の森にいるだろうし…デカそうだな…」
「やっぱり知ってるのねぇ~さすが父様!」
「で、おじさん。スカラベって何者?」
「うん?分解者…だな。」
「だからぁ。何よその物騒な虫は。」
「牛やら、馬のウンコを食べる虫だ。フンコロガシともいうな。」
「「げ!」本当?」
…そういや…前にも話は聞いた…な?すぐ忘れちゃうから…あたいら…
「ああ。牧場エリアにもいるぞ?前に捕まえてきたからなぁ。じゃ、早速行くかぁ。」
「アナスぅ。留守番いい?」
「…つき合いなさいよ…」
「おお?結構集めたなぁ。これだけ妖精族がそろうと…」
「すごいでしょう!女王の号令よ!精霊様の命令でもあるけど…」
「…めっちゃ、うるさいな!」
{失礼ね!}父様!」
「アナスはいいけど~皆、そんな恰好で行くの?相手は手ごわいわよ?」
「バッショ?貴女知ってるの?」
顔に布を巻き、長い棒を持っている…武装?バッショの周辺の連中は皆同じ格好だ。
「私ら、前回参加したしぃ。相手はウンコ丸めて転がしてるのよ?臭いわよ?」
「はぁ?ウンコ転がしてるの?何よそれ!」「本当!」
「…父様本当?」
「ああ。ウンコを幼虫の餌にするのに巣まで運ぶんだよ。ある場所じゃ”太陽”を転がす聖なる虫って言われてるんだぞ?転がさない別の種類も居るからそういうのも捕まえよう」
「なんでうんこ玉が太陽なのよ…意味が解らないわ…」
「おじさん?転がさない奴って…まさか…」
「ほじくりゃ出てくるべ。」
{やっぱり!}
いやぁーーーーー!
「で、バッショ、なんで私は良いのよ?」
「私らじゃ捕まえられないしぃ。見つけて、足止めするだけだよ。アナスが大きくなって捕ま 「いやぁーーーーーー!」 …しょうがないじゃん?虫、すげぇ~力だしぃ。」
なんてこった!
「ははは。挟む道具もあるから。終わったらちゃんと”洗浄”掛けてやるぞ?」
「父様…慰めにならないんだけどぉ!」
「新鮮な物を探すんだぞぉ~」
{…おぅ…}
父様と、でっかいおじさん(カイエンさん)が手伝ってくれるのだが…”勇者”様は…逃げた…。新鮮…って…もう!
とりあえず、地上、人族の管理する、馬の牧場に来ている。
「アナスぅーーーいたわよぉ!」「こっちも!」「おじさん~!」「臭!くっさ!」「うげぇ!」
「…今…行くわよ…」
父様から大きな挟む道具を借りたのだが…なるほど小さいくせに力が強い…そりゃ、自分よりでっかいウンコ玉転がしていくのだもの…ね。
仲間の連中は新鮮なウンコ、それに群がる虫。または、移動中の者の発見。木の棒で逃亡を阻止し、あたいと父様が回収するって寸法だ。でっかいおじさんは父様から離れられないから収穫は少なめね…
あ…マントック…器用に糸を巻きつけ、運んでくる。本当に力はあるわね…
”ぽとり”?ん?
「あ?…!ごめん。虫落したわ…ははは」
「ん?なぁあああ!人の頭に墜とさないでよぉおお!父様!父様ぁ!!”洗浄””洗浄!”」…。
…そんな、こんなで捕獲作業は進んだ…のか?ぅえぇ~~~ん!
<これは使徒様、御助力感謝いたしますわ。>
「いやいや、精霊さんにはお世話になってますから。お安い御用ですよ。」
「精霊様…これだけ居れば…良いでしょうか?」
<…どう?>
ぼこぼこと地面の表面に顔?目と口だけど?無数の顔が現れる。土の精霊様だ。
<…どどぉどどどぉ!><…どぉど!>
…しゃべるんだ…土の精霊様…
「喋るんだねぇ…」
父様…
<うんうん…足りるって。適当に放していてくださいな。これで馬達が来ても大丈夫でしょう。>
そう言い残すと、領域にお帰りになってしまった…ふう。
チラと袋を…蠢いているのですけど…ああ…。袋の紐を解く…あわわわわ…わらわらと…うじゃうじゃと…ひぃ!
「気持ち悪いわね…」
「これで、ここの馬のウンコも無くなるでしょう…虫、増えたらどうすんの?アナス?」
「知らないわよ…精霊様がどうにかするんでしょ?」
「そうだなぁ。その時は他の階に連れていくよ。」
「父様に任せた!じゃ!”洗浄”お願いしまぁ~~~~す!」
{おねがいしま~す}
依頼達成で良いわね?…報酬…無し?いいわ!父様から干し果物とナッツをもらうから! <完>
本編もヨロシク!




