肉のストックが切れそうです!じゃぁ補充しよう!
いらっしゃいませ~最近寒いですね。今日の雨、花散らしになるかな?(関東)
新に加わった息子たちの体温で起こされた、火照り切った体に井戸の水。ふぅ~気持ちがいい!本当に子供らは体温が高い。命の温度だな。
「「俺も!」」
と真似する息子たち。ふふふ。
そのまま朝の鍛錬を行う。出先だから軽く。
「お前たち、武器は何使う?」
「俺はバスターソードがいい!」「俺は雹兄みたいに双剣が良い…。」
「じゃこれ。」
とカイに長剣を渡す。
「父ちゃん、これ長剣じゃん?」
「身長の比率的にはバスターソードだぞ?まだ体がちっこいし。」
「…バスターソードがいい。俺。」
しょうがないのぉ。
「…ほれ」
「これこれ」
満面の笑みでぶんぶんと振り回すカイ…
「す、すごい力だな。重くないのかい。」
「…ちょっと重い…暫くこっちでいいや。」
と長剣を手に取るカイ。
「で、ライは双剣ね。大きいのしかないな。」
「うん。」
「後で武器屋で調整してもらうか?剣帯もいるしね」
「じゃ、これどうだ?」
「トワ君…それ…」
…あの召喚陣の生贄の胸に刺さってたナイフだ…ダメだろ…
「じゃ~ん!生贄のナイフ!」
だよなぁ…
「…呪われてない?」
「大丈夫、でかいナイフだから、双剣代わりにどうよ。」
「トワ兄、生贄って…」
「大丈夫、よく切れるナイフだよ?」
おいこら!目をそらすな!
「…まぁ、おいおい考えよう。それはちょっと…ねぇ」
訓練後、タオルで体をふき、朝食。こっちの朝食は結構重い…。必ずと言っていいほど”肉”が付く。…まぁ、家は育ち盛りがいるから良いけどね。一人だったら残すか、朝食抜きだな。
食休み後、ぶらぶらと門を目指す。途中、数件の屋台に寄り…まだ肉食うのかよ…トワ君も…
武器屋にも寄って剣帯と細身の双剣を購入。
トワ君の在庫装備から、なんとか入る胸当てを装備させて…うんうん。何とか見れるね。
忘れ物は無いな?良し、次の町に向けて出発だ!
…ここまでくれば良いかな。
門を出てから、暫くは徒歩。街道を行く人の姿も無し。門からもかなりの距離。となれば、
「よーし。今から走るぞー。無理せずにな。特にカイ、お前は病み上がりだから注意しろよ?」
「大丈夫だ!父ちゃん!腹いっぱいだ!」「うん!」
「???良くわからんが、徐々に速くしていくぞ。今日は練習だから何かあったらすぐに言うように。休憩もだぞ!」
「「はい!」」
「にっかどぱわー!しゅびびびびびびび~」
「おっさん。どうにかならんの?それ?」
いいじゃん。面白楽しく行こうじゃないの!
「うっわ!軽い」「力が出てくる!」
「…じゃ、馬車とかいたら普通の速さになるから注意な。」
「なんで?」
「びっくりすんだろ。超速いぞ。魔物と間違われたら嫌だろ?んじゃ、今度こそ…しゅっぱ~つ!」
{応!}
…結果から言うと問題なくついてくる子狼。さすが獣人。だけど…
「「父ちゃ~ん、腹へったぁ~」」
…燃費が悪い。まぁ、まだちっこいし。
「良し、休憩にしよう。ほれ、何喰う?」
「「肉」」
だよね。オオカミだし
「たんとお食べ。」
”収納”に入れておいた猪肉の焼いたものを皿に切り分けてやる。
肉塊に美味そうにかぶりつく子狼。かわいいな!
「雹は、なににする?」
「俺はまだ飲み物だけで大丈夫。」
「おっけ~あれ?トワ君は?」
どこやった?
「トワ兄は採集に行くって。」
「カイたちの食料確保か?」
良く食うからな…
「はははは。何でもリュック?の材料探すとか?」
「はぁ、まぁいいか。」
…。
「お?帰って来たな。なんか採れた?」
「ふっふっふっふ!じゃーーーん!」…
「そ!それは!」
あれだね、
「爆発茸!」
籠一杯のキノコだ。
「違うがな…至宝火炎茸だっけ?」
「そんな感じ?おっちゃん達のお土産だ!」
「うん喜ぶと思うよ…」
さぁ、出発だ!
「今日は野宿かなぁ~」
…エネルギー充填後、疾走してる。お子ちゃまも問題ないようだ…が?お子ちゃまなわけで…
「「父ちゃ~~ん、眠い…」」
「…良し、今日はこの辺で野宿しよう。良さげなところを探すぞ。」
雹とトワ君が野営場所を探しに行く。
おいら?おいらはお子ちゃまのお守だ。おいらに寄りかかってこっくりこっくりしてる。
「腹へったかぁ~?」
「「減った~」」
「干し肉、食うかぁ?」
「「食うぅう~」」
くぷぷ…この双子、シンクロ率が高いので、こうやって遊んでしまう。干し肉をもむもむしながらこっくりこっくり。眠気には敵わんのだろう。
「父さん」
「おう!雹か。どうだった?」
「川があったトワ兄が観に行った」ガサリ…
「おっさん」
「おかえり。どう?」
「ああ、良さげなとこ見つけた行くか。」
「ああ、ん?抱いていくか。」
「初日だし。良く走ったからなぁ。疲れたんだろうさ。」
「だね。」
雹とおいらで抱いて、トワ君に続く。ちょっとした広場に到着。
「ここかい?」
「ちょ、まってね」”どずぅん”
堅牢な”馬車”が出現。
「これはすごいね…」
「大きくて丈夫そうだろ?これならみんな寝られる。まぁ、見張りもいらんだろ」
”ごんごん”と叩くトワ君。側面の板も厚そうだ。
「トワ兄すごい!」
…ふん!
「飯はどうすっか?」
「鳥と兎取ったから丸焼き?」
「いいですね!じゅるり」
雹よ…
「じゃそうしよう!水桶はここに、火はこっちね」
…鳥と兎の処理も終わり、焚き火で焼き始める。…丸焼き、丸焼き…心が躍るな!
”がばっつっつ”
臭いに釣られてわんこが起きたようだ…ライはまだ干し肉咥えている…かわいいな、おい!
「「はらへった!父ちゃん!」」
どのように生きてきたのかは知らないが…純粋に頼ってくれるのは嬉しい。
「もうちょいで焼けるぞ。さぁ、こっちにおいで。」
わいわい皆でむさぼるように食べた…最近普通の料理ばかりだったせいか、塩のみの薪焼きである”丸焼き”が新鮮に感じ、めちゃくちゃうまかった。
追伸…雹、ライ、カイの食べた後は、兎、鳥ごときでは骨一本残らない…バリバリ食ってしまう。犬に鳥の骨は硬いからダメと聞いたことがあるが、獣人だし?それに、あんなに美味そうに齧ってるんだもの…取り上げられないよね。
雹も 「普通だよ?」 って言ってたし。確かに骨髄は美味いもんなぁ。っと、お腹が痛くなったらすぐに言うんだぞ!その後、茶をしばいて、みんなで雑魚寝だ。明日も走るぞ!
朝だ~昨日は魔物、動物の来襲もなく、ぐっすり眠れた。準備体操をして、朝食だ。
「ライ、カイ体の調子は?」
「大丈夫だよ」「うん。走れる」
「良し。」
頭をなでちゃる。最初は都度、”びくぅ!”としてたが、慣れてきたようだ。
「今日中にエキドレアにつきたいな、」
「…遅れてるの?」
「いや、ぜんぜん。普通どれだけかかる?」
「ん?10日?くらい?」「もっと?」
「…良く知らんけど…おいら達は2日で行こうとしてるんだよ?余裕、余裕。美味しい店があるといいな!」
「「「うん」」」
雹…ちょいツインズに引っ張られてるのかな?そう年も離れてないんだよなぁ。猛省。ぽんぽんと雹の頭をなでる。うん。正解のようだ。
「さて、飯食って休憩したら出発な。」
「…おっさん、ここ、結構獲物多いようだ。肉在庫補充しようぜ。」
「そうか…肉ないと辛いもんな…よし、少し狩りの時間をとるか。」
「最悪、一日使ってもいいと思うぞ?それだけ反応が多い。」
「了解。その辺の判断はトワ君に任せるよ。」
「任せて~ライとカイはおっさんと一緒に行動な。何かあれば呼べ!」
「「うん。解った。」」
そういうと食事を搔き込み、颯爽と出て行った…狩りに目覚めたのか?…野人めぇ。
おいら達も林に分け入り、食料などを探す。
片っ端から”鑑定”を掛け、食えそうなものを中心に探す。もちろん、金目の物も。
”セルブリア…毒消し草、効果大””ミノノフグリ…精力成分多””ヒルンドラ…回復草、効果大”…”マンドラゴラ…練金素材、幻覚成分大”ん?キター!ファンタジー定番植物?マンドラゴラ!絞り込み”鑑定”
・マンドラゴラ…魔樹に分類される魔法植物。ファンタジー物の定番。叫び声?もちろん出すぞ!犬を使う?はぁ?モフリストとしてどうよ?…錬金術の素材、精力剤の素材、麻薬の素材、毒薬。大変高価。マジックバッグか、お主の”収納”へ。勇者のじゃ死んじゃうぞ。
…じょ、助言ありがとうございます…跪いて祈りを捧げる。これからも家族ともどもよろしくお願いいたします。マイ・ゴッド!…
「父ちゃん?」「どうしたんだ?」
「いや、神様のお告げがあったんだ。」
「「ふ~ん」」
…衝撃無しかよ…神なぞに縋るのもやめたのだろうなぁ。
「トワ君来たらだな。その草触るなよ。」
「ああ、キャーキャー草?」「一回抜いたことあるぞ!死ぬかと思った…」
「はぁ?まじか?」
「うん、クソオヤジに命令されて。一回だけ。」
ぶっ殺…もう死んでんだっけ。
「ほんと、クソジジィだな…という訳で触るなよ。」
…暫く散策…アケビの群生地みっけ…と思ったら、半分が食鳥植物?アケビに擬態していて近くに寄った鳥に食いつく…流石ファンタジー。普通のアケビを収穫。
”鑑定”もアケビなので大丈夫だろう?…種蒔くときもう一回鑑定すっか…
ここでトワ君達合流。
「どうだった?」
「ムフフフフ…みよ!」
籠一杯の…
「…至宝火焔茸?お主というヤツは…」
「これで喜んでくれるんだぞ?安いもんだ。」
「…まぁなぁ…でお肉は?」
「肉はトワ兄の”収納”に。鹿2頭、イノシシ一頭、普通の兎…沢山?」
「?普通、沢山て…普通?」
「おお!ファンタジーの定番!角兎!発見!」
”収納”から、大型犬位の兎を出す…
「うっは!可愛いなぁ…もふむちじゃん…鬼ぃ…」
「おっさん…」
「父さん、こいつ結構危ないんだよ。遠くから突撃してくる。動きも速いし。」
「なんと…」
「まぁ、おっさんなら、頭突き食らいまくって穴だらけだな。」
「むむむむむ。…でも可愛いな…コアに…」
「却下だおっさん。食用ならいいけどな」
「鬼ぃ…まぁ、いいや、トワ君ちょいと手伝ってよ。」
「なになに?」
「マンドラゴラを抜く。遮音結界よろしく!」
「あの、叫び声聞くと死んじゃうヤツか!どこに?」
「こっちだ」…
軽く周りの土をのけ、紐で括る。
「よろしく!」
「おう”結界”…いいぞ。」
「いくぞ…子供たちは念のため耳ふさいどけ。…俺らに結界で良いんじゃね?」
「周りに動物やら居たら可哀そうだろ。」
「…おっけ。抜くぞ!」
「応!」
くいっとな!”ぽん”と聞こえそうなほど勢いよく抜けた…”きょ…………!”叫んでるようだが…大丈夫みたいだ。
「…もういいか?」
「良いんでない?…何じゃこれ。」
「…可愛いな。」
そこにはニンジンに手足が付いた、滑稽な物体が…目は無いが…口みたいのはある…笑…ん?振動…震えてんのか?
「ん?寒いのかコイツ!布で包んでやるか?」
「アルラウネだっけか、それは布に包むっていうが…」
「マンドレイクってのもいるかな?」
「トワ君、マンドレイクは前世界でも実在するぞ。幻覚成分やらがあるから、マンドラゴラの原型になったんだな。」
「ふ~ん」
言いながら布で包む。震えも止まったようだ。
「あ、トワ君の”収納”は無しで。死んじゃう」
「おっけーで、どうすんだ?これ。」
「高く売れるって。結構使ったろ、お金。」
「…だな。ここらの抜くか…」
「そうしよう。」…
一時間かけて辺りの物を片っ端から抜く。布で包んでおいらの”収納”にイン!幾らになるか楽しみだ。
「さて、行こうか。うっ!ぐっぐぐ…腰…痛い…」
「ずっと中腰だったからな…風呂入りてぇー」
「同感。さぁ”充填”行こう!」
本日もお付き合いいただきありがとうございました。風邪にはご注意を。またのご来店をお待ちしております。




