ニャンコの性能とやらを見せてもらおう!3
いらっしゃいませ。
食休み後、皆に”充填”し、走り出す。リリル嬢には個別に説明をする。初めてなのでトワ君が付いてくれるようだ…もげろ…
「途中、一泊、アヌヴィアトに到着予定です。」
「ええ。」
「リリルちゃんは身分証は?」
「冒険者のしか…」
「入るのはそれでいいでしょう。その後はうちで発行してあげるわよ。ミッツさん、クラン…もう、いっそのことギルド建てたら?」
「ええぇ~面倒くさいです。」
「ミッツさんが言えば、エルザが援助してくれるわよ?」
「それなら、ヴァートリーの一部隊として所属しますよ」
「…それは困るわ…うちの稼ぎ頭ですもの…」
「あ!そいえば…恐ろしい額の入金があったのですが?」
「ああ、あれ?びっくりよね…運賃と、色付けて…ロスが0だなんてね。ありえないわ。あと、懸賞金、遺品の買い取りなどなど。特許?使用料も大きいわ…何したの?」
「特許?…ああ、”炭焼き焼肉””タレ各種”かな?」
「…ティネルの?」
「そうそう。要らんって言ったんだけど…一応共同開発者になってんな。」
「それか…ミッツさん知らないようだけど…もう何店も出来てるのよ?準備してるところも…将来的には「焼肉の町」を目指すとか…」
「んな?聞いてないし。基本、豚小屋 「父ちゃん、城だ!」 …城しか行かないからなぁ。そんなに大事なの?」
「うちの支所も乗っかろうと思ってたけど…ヴァートリーが…ミッツさん経由なら納得だわ…。もう」
「知らんがな…特許はちゃんとギルドに出したんだし?熟れてからくれって言われてもね。」
「耳に痛いわ。先見の明が無いのよ全く!」
「指定店じゃないけど紹介店にはなってたぞ。おいらもギルドに紹介されたんだからな。」
「はぁ?…あ、あそこは…緑の爺様かぁ…のんびりしてるからなぁ…」
「先生!焼肉にも関わってらしたのですか!」
「大げさな…【豚の城亭】のオヤジの力だよ。おいらはちょっと手を貸しただけ。あのオヤジの情熱は半端ないよ。これからもどんどん進化するだろうさ。」
「私も一回行ったことあります!美味しかったですぅ…予約取れないんですよ…空いてる時に飛び込みじゃないと…あの赤身の素晴らしさときたら…」
ヨダレでとるぞ。リリルちゃん…
「そ、そうなんだ。」
「そりゃ、ミッツさんはいつでも予約なしのVIP対応、食べ放題なんだから知らないでしょ…私もびっくりしたわ」
「ハハハ…」
「ん?牛のなんたら亭で問題になったのって、ミッツさんとこか!」
「そうだよ。雹に残飯食わそうとしやがった。あんな店潰れろ!」
「…ご希望とおりになりそうよ…あそこ。」
「あら。」ざまぁ。
「私達や、商会長クラスの獣人達には普通に接してたけど、通常の様子が確認できたって。受付嬢が変装して、獣人の友人に協力してもらったんだって。
で、訴えの確認が取れたから指定解除。獣人の商人たちにも伝えたわ。そういった顧客がごっそり。それと私たち商人もそういった店には近づかないし。そういう主義でも表に出せばお終いですから。」
「ふ~ん…ざまぁ。」
「しかし、問題の影には必ずいるわね…ミッツさん。」
「おいらが悪いわけじゃあない。問題があるところが悪い。まぁ当然の結果だな。」
「まぁね。そうだけど。」
「改善されてるんだろう?感謝されても良いくらいだ!」
「そうね…トワ君の言う通りね。ありがとう。」
「それにしても潰れるのか…ぷぷぷ…ざまぁ。跡地買い取って、ビルックの店にでもするか?」
「…いいなそれ…ビルック云々は別にしても、獣人のコックの店にするか。ふむふむ…ナイスだトワ君。」
「ほ、本気?」
「獣人排斥の店を、獣人が乗っ取る…いいな。マシューさん、売りにでたら教えてよ。」
「…イヤって言いたいけど…商売だものね…」
「よろしく~」
街道に沿うように進む。ケットシー族もいるしね。未だにペット感覚、見世物に攫う不届き者も多いという。隠す意味も含めてね。
「みっつニャ!休憩欲しいニャ!」
「ん?さっきしたが…かまわんよ。了解。」
休憩して直ぐだったが、長が休憩の申し入れをしてきた。
「ここで少し休憩。長…歳か?」
「んニャぁ…最近…おしっこの出がニャァ……違うニャ!キラキラ石が結構あるニャ。拾っていけば住むとこ用意してくれるかニャ?」
「大丈夫だよ。無償で用意するよ。」
「でも、折角ニャ、拾ってくるニャ!よかったら美味しいものと交換ニャ!」
「了解。一時間くらい?」
「そんなに要らニャイ、ニャ!」
「行くニャ!」
「大物は呼びに来るニャ!」
「キラキラ石?…なにそれ?」
「こっちの話。さぁ、お茶でもしますか。」「?」
途中何度か呼びに来たのでマシューさんはトワ君に任せて回収だ。おいらじゃ余計なこと漏らしそうだしね。色仕掛けの耐久度はマイナスに振れているし!
「みっつニャン、この辺りに沢山反応があるニャ!」
髭をヒクヒクさせながら長がいう。
「ふ~ん…山じゃないな…昔に地殻変動でもあったかな…長、今度調査してみるよ。」
「解ったニャ!」
周辺の大きな岩を収納。鑑定結果はミスリル銀の鉱石…レアじゃないのか?…いや、含有率か?数%じゃ、割にあわないものな…。
採集を終え皆のとこに戻る。ケットシー達にもお茶を淹れ、休憩。ここでも砂金が…上流は…魔の森か…川の跡だとしたら、大きな鉱床があるかも知れないな…これもある意味、ロマンだな。
「どうしたんだ?おっさん。」
「後でな。」
「ん?解った。」
「なによぉ?内緒だなんてぇ」
お乳を寄せても効きません!おいら個人の事じゃないし。こんなことでケットシー族が攫われでもしたら…ね。
「色っぽい声を出しても効果ありません…あしからず。」
「…わかったわ。で?」
「内緒。」
「そう…」
「まぁ、そのうちねぇ~」
この場は有耶無耶に。
再び皆に”充填”走り出す。
「先生、先ほど残ってた魔力を瞑想中に動かしたのですけど…魔力の量というのは重要なのですね。はっきりとわかりました。」
「制御ももちろん大事だが、量があっての制御だからね。地力に合わせて修行しないといけない。」
おいら、良いこといってる?
「はい!」
「先生みたいだなぁ?おっさん。」
けらけら笑いながら…このキノコが!
「先生ですけど!」
「ん!ストップ!」
「停止!どうした?臭い奴か?」
「臭い奴って…トワ君盗賊?」
「いや…ハセ判るか?」
「ん。バジリスクだね。トワ兄。」
「正解。ライ、カイ!何匹だ?」
「…2」「…3」
お!割れた!
「カイが当たりだ。あの木に一匹、あそこの木に一匹、で奥の木に一匹…おっさん、魔力視ではどう?」
「…聖なる 「そういうの良いから…」 …つまんないよ!トワ君!…3だな。ビンゴだ。」
「ば、バジリスク!」
「先生!」
「よし!今回はおっさんの援助なしで行くぞ!ライ、カイは、攪乱。ハセ!スキを逃すな!」
{おう!}
「行くぞ!」
…ライ、カイを先頭に駆け出す。
「み、ミッツさん!危険ですよ!」
「大丈夫。皆さん休憩にしましょう。」
「ミッツさん!」
「実地訓練ですよ。大丈夫。トワ君もいます。」
あっという間に一番近場のバジリスクの首が落ちる。その足で次に行くようだ。
ブレスのタイミングも見切ってるな…銀狼になってから動きの切れが上がったか?今度はカイの一撃で屠られる。ハセル君出番なし。
ん?最後のはハセル君タイマンか!な!”縮地”?なんと!一瞬で間合いをつめ、頭部を真二つに両断
「ぐおおおーーーーーん!」
ハセルの勝鬨だ。
「う、うそ…」
「嘘じゃありませんて。おつかれ。怪我は?」
「大丈夫じゃね」
「父ちゃん見てたか!」
「ああ、見事な一撃だ。そうそう躱せまい。」
「「俺たちも!」」
「うんうん。流石に息が合ってるな。見事な攪乱だったよ。力も付いて来たな。お前たち二人ならどんな魔物でも狩れるようになるさ…バジリスクごとき一人でもいけたね。よし、身体の調子、武器のチェックが済んだら出発しようか。」
{応!}
「すごいわね…冒険者ギルドならB…いえ、Aくらいもらえるわね…」
「はい…私たちのパーティじゃ一匹がやっとです…攻撃されるまでわからないのが普通なのに…単騎撃破なんて…」
「まぁ、うちの主力だし?」
「…本当?強すぎるのですけど?師も無しに?」
「トワ先生だ。強くもなるさ。」
「…まぁ”勇者”様ですし。」
「!ゆ、”勇者”様!と、トワさんが?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「”勇者”様、か、数々の無礼 「そういうのいいから。いまは身内だろう?変な気を遣うな」 …はい。せ、先生も?」
「安心してくれ。おいらは違うよ。」
「父ちゃん、チェック終了。出発できるよ!」
「よし。行こうか」
本日もお付き合いありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。




