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つ、ついに!マイホーーーーム!

いらっしゃいませ~

 家問題…というか宿代(高級宿)で何とかならん?とマシューさんに相談したところ、特殊な物件を紹介された。

 商業ギルドの馬車を出してくれたので、皆で移動中。マシューさんも自ら立ち会うようだ。

 こちら3人、マシューさんと、不動産?担当の方2人。支払いは確認後、住む意志があれば1000万Kだそうな。なんとか足りるか?

 「トワ君策は?」

 「誠心誠意!」

 「あれ、普通だな?」

 う~んと、考えてるようだ。ふふふ。

 「じゃ、強行突破!」

 「そりゃ、ダメだろ…」

  「父さん、住めれば…」

 「うん、考えよう。その時はね。でも買えたとしてもカツカツだし。まだまだ金が要る。」

  「うん。頑張るよ…」

 安心しろ。雹…父ちゃんも同じ気持ちだよ。 

 

 ガタゴト…馬車は進む。乗り心地…悪いなぁ…。

 「ところで、マシューさん、馬って借用できるんですか?」

 「馬?難しいわね…連絡用ならともかく…荷馬車引くのは。緊急時の時はギルドで買って貸出ってこともあるけど。まぁ馬あっての商売だから、馬無しは最初からないわね」

 「ですよね…皆さん馬はどう管理されてるんですか?牧場も無いようですし?」

 「もちろん各家の厩、荷車の引馬はそんなに走らないわ。牧場は主に連絡用ね。もちろん郊外に何か所かあるから預けられるわよ。」

 「なるほど。購入は?」

 「買うの?維持大変よ?うちでも扱ってるし、まぁ、ぶっちゃけ良い馬が欲しかったら、年数回、放牧地からのキャラバンが来るからその時買えるわ。そっちの方がお勧めね。あとは…魔の森行って捕まえてくる。魔馬テイムできればすごいわよ。タダだし?へたすると死んじゃうけど。」

 「魔馬かぁ、響きがいいなぁ。羽生えてたり、角生えてたりするの?」

 「いろいろいるみたいよ?大きいのとか?、火を纏ってるとか?、カエルみたいのとか?まぁ、魔馬は総じて肉食だから注意が必要ね。維持費も高いわよ?売って普通の馬を買うのもありね。」

 本末転倒だよ…しかし、スレイブニィルいるんか?カエル?ケルピーか?バイコーンって人食うって設定だもんな。

 

 暫く談笑をしていると、”ギイィ”馬車が止まった。そんなに離れてないな?

 「結構近いですね。」

 「ええ。立地は最高よ。旧貴族街区だし。」

 で馬車をおりる。

 「この家ですか…人、住んでるようですが…」

 生活感のある大きな家だ。庭も手入れされているし。

 「いえ、隣よ、そっちではなく…」

 うん?こっち?…?…家…無いじゃん…

 「…私にはただのだだっ広い空地に見えるんですが…」

 「敷地広いでしょう?」

 「…家無いじゃん…」

 石壁にぐるっと囲まれ、門だけがある。ええ~と…500坪はありそうだ。伊達に建設業じゃない。えへん。

 「これだけ広くて一等地。地主さんも大変だったわね~」

 つくづく。マシューさん。

 「入ってみて。」

 「はい?まぁ…」

 門を開けようと手を掛ける…うん?…開かない?鍵らしいものも無い?鎖も。只の門。

 「あれ、開かない?封印魔法…でもなさそうだな?あれれ?」

 「どれ、おっさんどいて。フン!…開かないな?」

 勇者パワーでもダメか?

 「でしょう?何にも仕掛けもないのに開かないのよ。」

 「じゃぁ、”ゴン”おぶぃ!」

 飛び越えようとしたトワ君が見えない壁?にはじかれ、落ちてくる。

 「痛たた。」

  「大丈夫!トワ兄!」

 「でしょ?入れないのよ…石とか投げちゃだめよ?そのまま返ってくるから」

 謎家…いや!謎空地か!

 「これは、手ごわいですね。」

 「不思議でしょう。前に人、住んでるときは家も見えてたようなんだけど。今は空地にしかみえないわ」

 「謎空間だな!よし!謎家聞け!俺はトワ!此処に住むと決めた!無駄な抵抗をせずに門を開けて俺を住まわせろぉ!」

 おいおい。どこの番長だよ。唯我独尊skillか。

 「早く開けろ。俺はここに住むって決めてんだ!抵抗なんか無駄だぞ!」

 「おいおいトワ君。」

 マシューさんたち爆笑しとらんで。雹もか。

 「くそ、だめかぁ。おっさん!土下座して頼んでみろよ!開くかもよ?」

 「…何故おいらが?」

 「さぁ。やってみ。」

 「何でよ…」

 「夢のマイホームだ!おっさん!ゴー!」

 「あ?ああ!」

 ”どん!”

 と押され勢いよく飛ぶ。トワ君もそう力を入れた風ではなかったが、勇者パワーが発揮されたらしい。

 ”ザザァ”

 「わ、悪いおっさん!ごめん!」

  「父さん!」

 顔面から大の字に…トワ君ひどいよ…デコ痛いよぉ。

  <上級skill、五体投地 顔面から(笑)トレース可能。祈りを込めることで開花する。かもw>

 久しぶりにいじってくださいましたね。神様!よぉし!見ていてください!おいらやいますよ!

 立ち上がり門に一礼、膝を突き、大地に、この星のすべてに身を任せる。さらに立ち上がり願いをこめて再度身を任せる。

  <トレースが昇華。五体投地を習得した。キング・オブ・土下座の称号を君に!>

 煌々と神気を讃える身体(神体)で再度五体投地。

 

 ”きいぃぃいい”

 と軽い音と共に門が開いていく。願いが通じた。『夢のマイホームが欲しい!』と。

 

 「最高!さすが土下座マスター」

 ぎゃはは~爆笑するトワ君。お主が押したのであろうが…

 「ミッツさん…す、すごいです。」

 興奮してるマシューさん達。

  「父さん、すごい光ってたよ!」

 キラキラおメメの雹。父ちゃんやったぞ!

 

 門が開き切ると同時に門から延びる小道。一歩、歩を進める。それに合わせるように、風景、景色が浮き上がる。石畳の小道。奇麗に刈り揃えられた芝生。丁寧に剪定されている木々。花壇には見慣れない花々。歩みを進めるほどにより鮮明に。素晴らしい。

 そして、空気は清浄…街の空気とは別。濃い…そんな空気だ。

 石垣が透けている?内側から外は普通に見える。驚きに大口を開けてるマシューさんもばっちりだ。が、生け垣があるのに?益々不思議だ。…高い石垣と生け垣が背中合わせで共存とか…。さらに奥に。歩を進める…

 

 「ミッツさん!ミッツさーーーん!わ、私!は、入れないんだけどぉ~~~!」

 叫ぶマシューさん美人が台無しだぞ。身内しか入れないようだ…。試しに空に向かって言ってみる。持ち主は未だギルドだし。

 「いれてあげて。」

  『…まだ』声?

 「ひとりだけ。お願い。」

 皆には聞こえていない?

  『…了…荒らさないで…私たちの…』

 脳内に響いているようだ。こちらも了承の意を念じる。

 「マシューさんだけなら良いようです。いいですかぁ?」

  「「はい。」」

 「やった!入れる!す、すごい…綺麗…楽園ね。此処は…」

 「同感です。”家妖精”が長年維持してきたのでしょう。空気すら美味しい。」

 「え、ええ…」

 小道を行く。小さい家庭菜園の畑かな?

 「色々植えてあるね。あっちはバラ園?」

 「あ…あ、これは失われたバラ。こっちの花も…この草はカジバ草の原種ね。」

 こじんまりした二階建ての住宅。そのエントランスに小さな少女が2人。透けてる?服じゃなく全身だよ!

 「君が”家妖精”?おいら達を受け入れてくれるの。」

  「…了。祈り…とどいた。」

  「…貴方だけ…こちらへ」

 ”ぎぃ”と玄関が勝手に開く。

  「父さん…」

 「大丈夫だよ。みんな少し待っててね。」

 家内に入る。

 

 「土足でいいのかい?」

 ”バタン”扉が閉まる。敵対の意思はない。

  「…了」

  「…こちらへ」

 ”ゴゴ…”玄関の床がずれ、下り階段が現れる…

  「…こちらへ」

 「わかった。明かりお願いできる?」

  「…了」…

 

 階段を下りていくとそこはちいさな地下室だった。

 中央にまあるい魔石?クリスタル?直径1mくらいある?周りにも魔石らしいものが散在している。

  《…よう…こそ、新しい…主様。歓迎いた…します。私…はここを統…べるコアです。》

 「コア?”家妖精”ではなく?」

  《…是…こ…こが全ての…中枢、”家…妖精”もこ…こで生ま…れます。》

 「…ダンジョンか?…自我があるのか?」

  《…是…大差あ…りま…せん。規…模の問…題です。この領…域内……であれば…いかようとも。》

 「…魔物を発生させたりもできると?」

  《…是…不本…意です…が、命令と相……応の魔力があれば…。》

 「望みはしないが…なるほど…そういうことか…主になったら領域から出られなくなるのか?」

 ダンジョンマスターの宿命?これもテンプレだ。

  《…否…自立…式で…すので問……題ありま…せん。私…は考える…存在。己さ…えも》

 「ここの運営魔力はどこから?おいらも注ぐ?」

  《…是…登録と運…営にかかわる……魔力は提供して…いただ……くのが理想です。最低限…の維持は地…脈や……大気…周辺より…から得…ています。》

 「おいら達を受け入れてくれるかな?」

  《…是…こちら…に手を…》

 「そうだ、ちょっと待ってくれるかな?ここを購入しないといけない。」

  《…是…資金…提供…しますか?》

 「ん?」

  《…是…魔力と…素材があれ…ば貴金属……作…成可能。魔力のみで…も簡…単なものなら…》

 「…ダンジョンコアと一緒か?宝箱の中身感覚か…」

  《…是…魔力…と素…材次第です》

 「…いや、やめておくよ。検証後だな。」

  《…是…お…まちして…います。マスター。ここ…での話は…》

 「わかっている。君の機能でロックできないかい?口を割らせる手段はいくらでもある」

  《…是…よいの……ですか?》

 「それこそ是だ、あまり知られない方がいい。今は”家妖精”の祟りを恐れて手を出さないが…コアがこんなとこにあればどうなるか予想できない。」

  《…是…一種の”のろい”にな…りますが…》

 「ふっ、怖いな。やってくれ」

  《…是…》

 ”ぴきぃ”

 …痛みはない。頭の中で、何かがはまる感覚。

  《…こ…れで記憶…を漁ら…れたり、聞…き出そ…うとしても不審…なく”知らない”と言えま…す。》

 「サンキュ。じゃ、いってくるわ。」


 屋敷をでて、みんなと合流。

 「どうでした?」

 と興奮冷めやらぬマシューさん。

 「”家妖精”の偉いお方と面会してきました。受け入れは了解を得たので、人間側の処理をしたいと。」

 「すごいですね~とりあえず見て回ります?」

 マシューさん中みたいんか?

 「家の中、建屋の中は入れません」

 「そんなぁ~」

 「ぐるりと庭でも…」

 「そうしましょう。」

 「まだギルドのものだ!って、採集とかもだめですよ。2人がついていきます」

 「…そんなぁ~。」

 「祟られますよ」クス。

 「…わかってるわよ。」

 

 裏庭には厩と倉庫がくっついたような建屋と数本の果樹などがあった。実際建屋なども変更できるのであろう。ぐるりと一周回り、再び馬車に乗り、ギルドに戻る。

 「はぁ…素晴らしい場所でしたねぇ。まさに秘境ですねぇ」

 うっとりマシューさん

 「ええ。空気も清浄で。素晴らしいところでした。」

 「ミッツさん、あそこに住むのよねぇ~」

 「ですね~」

 「羨ましい。」

 ほほぅ!であれば…身内であればいい訳で…おいらの嫁に…

 「ふっ、おいらの嫁に来るかい?マシュー…おっさんのせりふ~~~!」

 おい、トワ君!まさにおいらの台詞じゃ!

 「ふふふ。これでも大店のご令嬢だし。自由勝手はできないのよ~。」

 ですよねぇ~。

 「でも、ミッツさんやトワ君ならアリかも。”勇者”様だし?むふふふふ」

 むふふって…怖いよ。

 

 ギルドに到着。お金は即決で。大金だったけど、なんとか足りたよ…軍事物資も売らずに済んだ。

 一応地権者登録証、譲渡証、国機関の証明書をもらった。カギはない。

 中でも国の書類は”手出し無用”のもので大変ありがたい。貯金が消滅したので、もっと実入りの良い、大掛かりな輸送をしないといかんなぁ~

 

 ギルドでの手続きを終えて、マイホームへ。帰って来たぞ!

 「雹はちょっとまっててな。」

  「はい」

 トワ君と屋敷に入る…

 「この子はトワ、おいらと同等の権利を与えてもらいたい。もちろん制約はする」

  《…否…マスターは一人。作成…権…限のない次席…でいい……のなら。》

 「了解した。表向きはトワ君に…と。おいらの後継者だ。その後、彼を観て主席にしてくれるといいなぁ。」

 おいら、そんなに寿命残ってないしぃー!

  《…了…こち…らへ》

 先ほど同様に地下への階段が現れる。

 「おっさん?これは?」

 「トワ君、ここって一種のダンジョンだ。」

 「…あ!…なるほど。…納得だ。」

 理解が早くて助かる。

 「このことはおいら達だけの秘密だ。で、制約は秘密厳守のための防衛策?隷属に近いものだと思う。」

 「なるほど。効果は?」

 「記憶の隠蔽かな。」

 「ふむ、了解した」

 で、コアの部屋へ

 

 「これがダンジョンコアか!」

  《…是…はじめまし…てトワ様。》

 「うぉ?しゃべった?」

  《…否…頭に…直…接話していま…す。》

 「なるほど。なんで途切れ途切れなの?」

  《…是…ただ…今、維持に必要な…魔力…で……一杯…です》

 「なんだ!早く言ってよ。魔力不足なの?…では早速、登録と充填するわ」

  《…是…こ…ちらにお手…を》

 「ミツル!いきまぁ~す!ぽちっとな!」

 「…おっさん」

 

 コアに触れる、ひんやりした表面が熱を帯びていく。ほぅ。結構もてかれるな。自家発電すたぁ~とぉう!…普通の人なら死んでんぜ。周りの魔石みたいのも輝いきだした…

 「ま…まだか?」

  《…!…すいません、普通にしてらっしゃったのでつい、吸いすぎました。》

 「いや、吸う分には構わないが…座っても?」

  《…是…では遠慮なく。》

 まだ行くんかい。

 

 《…ありがとございました。マスター。登録、充填共に終了。充填率150%。30%は各種設備の補修に。マスターの強い欲求…風呂の建設も含まれます。20%は結界の上乗せに即時使用します。100%は通常の生活、結界の維持、庭園・家屋管理、特―24時間風呂の水循環、温め、特―冷凍庫使用。でおおよそ200年維持可能。建屋の変更はありますか?》

 …何が何やら…おっさんには理解が…紙で出してもらう?

 「まだ見てないから何とも。欲求駄々洩れだったのね…風呂はどこにできる予定?」

  《…建屋の東側に張り出す形で部屋の拡張、湯船はおおよそ、2m角、深さ0.5m~1mまでの傾斜床面を予定。》

 すごいなぁ。

 「トワ君の登録後、案内をお願いしても?」

  《…是…こちらに手を…》…

 

 とりあえずの処理を終え、雹も加え屋敷内を探索する。玄関入ってホール?上に行く階段もある。右にキッチン、食堂かな?その奥に暖炉があるリビングかな?暖炉の部屋の東に、前で言うと洗濯するサニタリールーム的な?ここで行水とかするのだろうか?たぶんここから、風呂のある部屋、脱衣所込みで”生える”のだろう。

 ホールを挟んで西側にサンルームがある。優雅だね。二階は階段ホールがあり。10畳くらいの部屋が3部屋あるな。追々見直していこう。

 裏庭には厩と倉庫があった。これで馬がいても大丈夫?階層が増やせるようなら…地下に走れるところを作るとか?

 小説みたいに地下草原とか行けたらなお良し!地上部はなるべく弄りたくないんだよなぁ。

 一周回ってもどると、”家妖精”がいた。最初の二人。あと、なんかわちゃわちゃした小さいの。シルキーと、靴屋の妖精?って感じ。

 「君たちが”家妖精”なんだね?なんと呼べば?」

  「…名前…ない。」

 「付けていいの?」

  「…是」

 「トワ君任せた!」

 「ったく、そうだなぁ~’ちょこ’、’ここあ’だな。」

 「…おい…」

  「「是…よろしく」」

 「トワ君~!」

 「いいじゃん、気に入ってるようだぞ?」

 手をつないでクルクルまわってる…。嬉しそうだ…な。

 「まぁ、いいか。」

 「ちっこい方はいいな…」

 「いっぱいいるし」

 ぷんすかしてるが…いいよね。

  《…是…問題無い》

 だそうだ。

 「足りないベッドとか買わないとだね。’ちょこ’、’ここあ’はどこに住んでるの?」

  「…家…」

 「う~ん、サンルームの隣に部屋作って、ちょこ達の部屋にしよう。」

  「…自分の部屋…」

 嬉しそうにしてるな。問題ないようだ…

  「…家具…木材あればできる。布団は材料あれば作る。」

 「なるほど…木材を買ってくれば良いんだね。」

  「…布地、糸、綿など。一回登録できればコアでもできるかもしれない。」

 「いろいろ登録してみるといいかもね」

 「よし!収納の中、片っ端からコアにいれよう!」

 「トワ君ほどほどにね」

  「…食材とかはこちらへ…」

 「水は?」

  「…水は魔道具がある。」

 ”ゴゴゴ…”

 「地震!」

  《…否…風呂、使用人室建設中。使用人室も二階建てよろしいでしょうか?》

 「…是…雹、みにいこーぜ!」

  「うん!」

 トワ君…真似すんな。ばたばた…行ってしまった。

 「そうそう、トイレのスライムとか取ってくる?」

  《…否…ここはダンジョン…要らないものは吸収される。問題ない…排泄物、残飯、動物・魔物の解体残渣も素材になります》

 「なるほど。いいことづくめだな」


 この後、トワ君が収納からわんさか出してダンジョンに吸収させてたよ…不要在庫処分じゃないだろうな?

  「マスター…」

 「なんでしょう、’ここあ’さん。」

  「丸太、このキノコ栽培許可欲しい」

 「!できるの?栽培できるのあったら、ジャンジャンやっちゃって。」

  「是…ありがとう…」

 栽培すきなのかな?

 「’ちょこ’さんもやりたいことあったら、声かけてね」

  「是…鳥飼育したい…卵とれる」

 「!いいね!いいね!どんな鳥?」

  「…ニワトリ…」

 まんまかい!

 「…うん、気に留めておくよ…」

 

 宿屋の長期予約を取り消しに向かう。

 「長い間お世話になりました。」

  「いえいえ、こちらこそ。ご利用ありがとうございました。」

 手付金も返してくれた。宿ではなくとも、レストランとして利用したいね。ここは。


 帰宅…おおーマイホームよ!!!ダンジョンだけど…安息の地よ!ダンジョンだけど…

 「どうした?おっさん…?」

 「感慨深い…マイホームだよ。」

  「…父さん」

 深刻な顔して…わかっておるよ!父ちゃんは!

 「明日行こうか。雹。ただし、引き取るのはあの子たちの意見も聞いてからだよ。」

  「…うん」

 「あと、どんな結末になろうとも恨んじゃだめ。いいね?」

  「…うん」

 「あとは… 「くどい!おっさん」 大事なことなんだって。で、教会との関係も切らない。できれば日中は預けたいし、できる限り援助はしたい。」

  「うん。最初の”家”だから…」

 「ああ。賛成だ。」

 頭をなでる

 「よし。じゃぁ、今日は飯食って寝るか!」

 

 ’ちょこ’、’ここあ’が作る食事は素朴で美味しかった。庭の食材もふんだんに使われてるようだ。食材、香辛料の種類が増えると料理のグレードも上がるだろう。

 まだ風呂が完成していないのは残念だが仕方ないな。皆に”洗浄”を掛ける。

 いやぁ~ビバ!マイホーム。落ち着くわ…他人に気を使わないってこんなに自由なものだったんだなぁ。

 暖炉だよ!暖炉!でも、火じゃない?謎火がともり…だって、マキ使わないんだぜ…ちゃんと暖かい…てか、床暖房?

 そんな暖炉の火を見ながら、ワインを一杯…至福じゃぁ。そこ!ラッパ飲みしない!

 「雹、明日いい返事があるといいね。」

 おいらの隣でこっくり、こっくりしてる雹。いつも一緒に居てくれる可愛い息子だ。

  「…うん」

 「さぁ、寝ようか」…

本日はお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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