再びのブロスの町
いらっしゃい!
プロスの町にしれっと二回入ってるので、改変。
物資補給ということにして、戻り、再度立ち寄る事にしました…(12/4/2021)
「おっさん、プロスの町戻らね?」
「なしてよ?」
急にどうしたんだい?
「生活雑貨…特に布が足りねぇ。成人の服も…な。兎耳さん達…少々…な。ラッツェもボロだしなぁ」
…おいらは一向に構わんが♡まぁ、外套くらいは欲しいわなぁ。うん?そう言われれば…予備も無かろうな…。クソ村長め。
「父ちゃん…丸焼きの処に戻るの!」
「丸焼きじゃなくてプロス…な。」
「丸焼き…食いたい」
だよなぁ。最近は野菜食多いからなぁ。
「しかし…なるべく先に進みたい…人も多い…。今回はできれば泊まるのは無しだな。」
「…うん」
「焼けてるのがあれば買って帰ろう。お土産もな。」
「うん!」
「あそこの美味いもんな。ハセ、近いうちに豚仕入れに来るから期待しとけ!」
「うん!」
「私も!」
「雪は…留守番かな?もうちょい大きくなったらな」
「ええー」
出来る限り、順番に連れ出したいところだなぁ。いろいろ見せてあげたいね。…でも治安がなぁ…血まで見せちゃうもんなぁ。この世界。殺伐だわ。
部族の方々を集め、一寸戻ることを説明、提案し了承を得た。
特に兎耳族の方々は恐縮されていたよ。よく見ると確かに…男性も、粗末な服だものな…変な話、囚人服の方が良いくらいだわ…。
…再びのプロスの町が見えてきた。
前回野営した場所に到着。もちろんトワ君と雹が、安全確認に散る。
「ふぅ。皆さんお疲れ様。今日はここら辺で野営をしようと思います。トワ君、雹頼む。」
「「応!」ああ、行ってくるわ」
安全確認が終わるまで、部族の様子を見る。まずは赤ちゃんがいる、兎耳族のところだな。
「どうです?」
「おかげさまで。調子も良いようです。食事も十分頂けるので乳の出もいいんですよ。」
「はい。」
「それは良かった。そちらのお母さんも?」
「ミッツ様、ありがとうございます!子供達も回復してきています。ありがとうございます。」
「もう少しの辛抱です。頑張ってくださいね」…
ぐるりと声をかけ、怪我や病気がないか見て回る。
「おっさん、大丈夫だな。」
「安全確保!」
トワ君と雹が戻って来た。
「ご苦労様、じゃ、ここにペースキャンプを張ろうか。」
「オッケー。みんな、ここにキャンプ張るぞ。手伝ってくれ。薪なんかも頼むな。休んでるところ悪いが、もうひと踏ん張り頼む!」
{はい!}
重い腰を上げ…って該当者一名!そうだよ!おいらだよ!ジジィだから。
鹿角の長老…言葉使いはジジィだが、結構若いとみた。40そこそこだろう。
この中で一番歳食ってるのは、たぶん、おいらだ。平均寿命…が短そうだしな。医療がもっと進歩していそうなものだが…軽い症状は薬草が効いたり、魔法があるから進歩しないのだろうか?盲腸なんか、重篤になれば死んじゃうだろうし。あれ、痛いんだよなぁ。経験者は語るってやつだ。
そうだ。昔話を一つしようか…おいらの経験談だ…高校一年生、青春真っ盛りの微少年。余りの激痛に、昼に食ったうどんを吐き、昔からの主治医の胃腸科へ担ぎ込まれる。
おじいちゃん先生なんだよなぁ…「腹痛でしょう」…だってさ。わかるわ!そんなの!腹が痛いんじゃ!腹痛だろうが!
薬だすから、明日も痛けりゃ来なさい…だと。入院させろー!いやぁ~それ何処じゃないわ!夕方、若先生(爺ちゃん先生の息子)呼び出して見てもらう…
「盲腸です。やばいですね腹膜炎も併発…云々。明日だと下手すりゃ…」
って!オタクのじじぃのせいじゃ!
すぐさま全身麻酔の緊急手術…結構時間がかかったよ…
終わったら、腹からぶっといストローが出とる…まじか…ジジィめ…
院長回診の時なんか、
「フム…経過は順調だのぉ。良かったのう」
だと…お前に殺されかけたんじゃい!ボケジジィ!
ちなみにデカいストロー抜くときの恐怖ときたら…そのまま、”ずぽぉ”だもの…変な声出たわ…
暫くジョリーと呼ばれたよ…そりゃ、陰毛(まぁちょっとは剃られたさ)じゃない!って言っても、そられてジョリーだわ。盲腸の跡を見ると思い出す…良い?腹膜炎で死にかけた?思い出だわ。
馬車と竈を設置しながら、留守番の依頼をする。
「じゃ、買い物行ってくるわ。カイエン、ディゴ留守を任せる。ナナイさん来る?シアはどうする?」
「私も行くよ。野菜仕入れておきたいし。まだまだ入るでしょう?」
「私も参ります。ギルドで情報収集を。」
「了解。今日は、遅くなるが戻ってくると思う。トワ君、雹、ハセルいくぞ。あれ?ライオットは?山籠もり?…まぁいいか。カイエン見てやってくれ。雪はお留守番だ。いいね。よし行こう!」
毎度ぉ~って感じで並ぶ。町に入る時の儀式だ。
「はい、つぎー」
「お願いします。」
「はい、ヴァートリーさんね。…小荷物?」
身分証を提示しながら
「ええ。商会内の伝達、小荷物ですよ」
「ご苦労様です。どうぞお通りください。」
…さてと、
「ギルドはシアに任せるよ。これ、配達物ね。そうだね…終わったら自由にして。門で待ってるわ。」
「はい。確かに。では行ってまいります。」
「先に商会に行って、古着屋だな。」…
商会にて新しい布地、一応、日用品の歯ブラシ、石鹸等を購入。特に問題なく終了。
その間ソワソワしてるハセルが妙に愛おしい…父性爆発しそうだ。
「もうちょい我慢な。次は古着屋か。」
「ああ!旦那!任せてよぉ!」
はい。お任せしますとも!
ナナイお姐さんのお言葉通り、古着屋が各個撃破されていく。新品を扱う洋品店で、特に女性の…ブラジャーに代わるもの?原型のような?乳帯とやらを大量購入。
なるほど…おいらじゃ、気が付かないものなぁ。他にも、婦人用品やら…。
よかった!ナナイさんが一緒に居てくれて!
「ま、旦那にゃ悪いけど、これで彼女らも大分楽になるだろうさぁ。」
だって。
「さぁ、終わった。肉屋にGO!」
肉屋…じゃないな。宿の【土竜亭】だっけか。ま、いいさ。
颯爽と歩き始めるが…
「父ちゃん、こっちだよ。」
あれれ?
「くくく…安定だな。」
「そ、そうか?…にしてもおかしいな…そりゃ、道覚えるのは苦手だったが…あれ?」
この世界の道、町は余程の奥まったところは別にして判りやすいのだが…ボケたか?ハセルに付いて行くと肉の焼けるいい匂いが…
「おっちゃん!豚くれ!」
「おお?お!坊主か?」
「お騒がせします。」
「よう!旦那方も。どうかしたのかい?もちろん歓迎だが…」
「少々野暮用で…は、ははは。」
「そいつは難儀だなぁ。で、今日も泊まるのかい?」
「いえ…先を急ぎますので…それで、焼けてるものを持ち帰ろうかと。野営の時に楽しもうと思いまして。」
「そうか…そりゃ残念だ。夜の分は今から焼けるから、ここにある物はいいぞ。」
吊るされてるのが2頭、焼いてるのが1頭、部位焼きのバラブロックが一個。もちろん全部買いだ。
「毎度~今回も大量買いありがとな。ほら、坊主おやつだ。」
「ありがと!おっちゃん!今度はゆっくり来るね!」
「応!気をつけてな」
アバラ骨の炙ったやつをもらってホクホクだ。焼きたてを皿や板に乗せてもらい、”収納”へ。店頭を飾っていた肉塊が消える。
「それじゃ、近くに来たときは寄りますね。」
「ああ、また来てくれ」
「おう!またくるよ!おっちゃん!」
再来を約束し店を出る。
「次は、葉物のお買い物かな。市に行ってみるか。」
「そうだねぇ。今なら安く買えるだろうさ。ばんばん叩くよぉ!」
腕まくりのナナイお姐様。ヤる気十二分だ!
「お手柔らかに。果物あったらお願い。兎耳の子たちにも良いだろう。」
「解ったわ。行きましょう。」
屋台、露店、屋台、露店、露店、屋台…と各個撃破!今日も散財だな。
まぁ、致し方あるまい。宝石類は悪魔たちの分配があるから手が付けらんないんだよね。
マリウスは全く役に立ってないから減俸だな。執事はどうした!
<ミッツ殿ぉおおおぉぉぉぉ…>
ん?今はリタイア中。心の叫びか?
本日もお付き合いありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。




