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どこぞのゆるキャラ?

いらっしゃいませ!

 「こりゃ、野営せんといかんなぁ。あっちは大丈夫だろうか?」

 「向こうは大人が多いんだ心配いらんだろう。カイエンたちだっているんだし。」

 「だな。よっしゃ、みんな。ここらで野営にしよう。暗くなる前に準備しちゃおう。」

  {はい!}

 「トワ君…は、キノコ狩りだろうから、雹!周辺警戒頼む!例の小男とまだ会っていない…気を引き締めてくれ」

 {応!}…

 

 再びの魔法コンロど~ん。野菜ど~ん

 「ディアちゃん、夜のスープはどうしようかね。」

  「お昼とおんなじで良いと思いますけど?美味しかったですよ。」

 「魚は食べるの?」

  「少しは…どうしても野菜が主になりますね。」

 「なら、良いか…パンも、あれでいい?」

  「はい!おいしいですよ。」

 「オッケー。みんなで作ろう。夜のには、キノコも入るぞ。」

  {わーい!}…。

 

 大きな馬車を出し寝ることに。2台に分けようと思ったが…怖い目に遭ったばかりだ…皆でまとまって寝ることに。おじさんもいっしょが良いって。嬉しかぁ。

 トワ君と雹は交代で夜警に出るといって逃げていった。まぁ、苦じゃないけどね…ただ…熱いわ。

  「ねぇ、おじさん。」

 「うん?なんだい?」

  「僕の父さんと母さん…死んじゃったんだ。これからどうなるの?」

 「そうだね。新しいお母さんを探すのも良いが、おじさんの処には君みたいな子が多く普通に暮らしてるんだよ。勉強もできるし、やりたいことがあれば修行もできる。商人、大工、お役人候補、冒険者…なんでもありだ。」

  「本当?」

  「私も勉強できるの?」

  「お金ないよ。」

 「お金も何もいらないよ。ご飯も食べられる。大きくなったら働いて自立するまでね。おじさんの処は勉強は子供のお仕事なんだよ。しっかり勉強して堂々と生きていくためにね。遠いから、もう少しかかるけど…楽しみにね」

  「うん。」

  「本当?夢みたい…」

 「いろんな獣人もいるし。一杯友達、仲間を作って、協力し合って生きていこう。」

  「うん。」

  「おじさん、僕、偉くなりたい。角なんか薬にならないって言いたい!」

 「ふふふ。一杯勉強しないとな。がんばれ。」

  「私は食堂をやりたい。」

  「僕は畑!」

  「わたちもパン屋さん」

 「うんうん。勉強して夢を叶えよう。計算できないとお金が使えないぞ?字が書けないと注文もできないぞ?」

  「勉強頑張る!」

  「おれも!」「ぼくも!」

  「私も頑張る!」

 「ほら。明日も早く出発するぞ。寝るぞぉ~。」

  {おやすみなさーい}…

 良かった…間に合って。この子たちの未来はなんとか救うことが出来たなぁ。

 

 「おはよう!ご苦労様。昨夜はどうだった?」

 「「おはよう」おっさんの方も賑やかだったな」

 「そりゃ、子供たちは不安でいっぱいだったろうさ。」

 「まぁなぁ。この短時間で、村を襲われ、親兄弟と…な。やべぇ。あの小男見つけたら斬っちゃいそうだわ。」

  「だめよ!そのまま逃がすことが最大の報復になるんだから!」

 「おはよう、ルカちゃん。トワ君の精神衛生の為にもどうなるか教えてあげてよ。」

  「…しょうがないわね…アスタロトか、同格の奴の手がかかれば作動する仕掛け爆弾よ。触ると同時におじ様の魔力が周辺を薙ぎ払うでしょう。」

 「そんなうまくいくのか?」

  「ちゃんと目印つけておいたわ。悪魔流のね。たぶんはまるわね。吉報を待て!って感じ?」

 「そうか…なら、待つか…」

  「ええ。そう遠い時でもないし。お楽しみに。ふふふ。」

  「おじさん、おはよう!」

 子供達も起きて来たか。

 「おはよう。さぁ。ご飯の支度をしようか。」

  「父さん…俺、肉食いたい…」だよなぁ。

 「…オッケートワ君も?」

 「そうだな…野菜ばっかだし。」

 「了解。ベーコンで我慢してくれ。朝に付けるよ。」…

 

 極厚ベーコンを上下強火で焼き目を付けて、あとはじっくりオーブンで。野菜スープは鹿っ子に任せる。昨日の残りに水と野菜を入れて、塩コショウで味を調える。おいらは、次から次へとパンを焼いていく。さぁ、朝食を頂こう。

 分厚いベーコンを切り分ける。内に秘められていた芳醇な香りと肉汁があふれる。

 ステイ!雹!目が怖いぞ。余程野菜食が堪えたらしい。皿にのせて、パンと一緒に渡す。

 誰も取らんから…ゆっくり食えよ…。興味をもった鹿っ子にも薄く切ってあげる。好き嫌いは半々といった所か。まぁ、拠点に帰ればいろんな食材もあるだろう。ゆっくり慣れていけばいいさ。

 それにしてもこの野菜スープ…美味いな。汁がすでに野菜だわ…野菜の出汁だけでここまで楽しめるとは…昨日のキノコか?

 

 …十分に食休みをとり、魔法をかけて出発だ。小男は街道を外れたのか、野営をしてるのか、遭遇することなく、昨日襲撃された場所に到着した。死体などもすでに処理されてた、さすがカイエンだ。

 「ここにいないな…よし、国境方面に向かおう!いくぞー!」

  {はい!}

 …暫く進むと街道を進む一団が…

 「おーい!」

  「ミッツ様、無事計画通りに?」

 「ああ、子供奪還成功だ。…カイエン夜にでも話がある…」

  「良い話ではありませぬな。」

 「ああ。」

  「…解かりました。覚悟だけしておきましょう。こちらは、特に何もなく…順調そのものですよ。」

 

 子供たちを部族の生き残りに合流させる。本来なら歓声も上がろうが、長老が抑えているのだろう。悲しそうな子供も多くいるからな…抱き合う親子を羨まし気に見つめる子供たちの姿が…言葉にならないな…

 「皆、聞いてくれ。今から全員に魔法をかけ、プロスに向かう。この人数だ、町には入らず野宿になると思う。子供たちを好奇の目にさらすのもイヤだしな。シアとナナイさんは、食材調達に協力してほしい。町での仕事があるので一泊の予定だ。必要な物があれば書き出しておいてくれ。」

  「頼もうにも持ち合わせが…」

 「心配するな。当面の経費はこっちで持つ。気にせず頼ってくれ。」

  「しかし…」

 「保護すると決めた時から覚悟の上だ。拠点に帰ったら、いろいろと手伝ってくれ。」

  「あ、ありがとうございます。」

 「じゃ、そういうことで”充填!”今日も走るぞー!」

  {おー!}

 

 …街に向かい疾走中。

 「父ちゃん!今日は丸焼きか!」

 「丸焼きって…ああ…空いてるといいね。」

 「俺も楽しみだな。」

  「ねぇーねぇーハセ兄、丸焼きって?」

  「その店、丸焼き沢山ぶら下がってんだ。食い放題だぞ!」

 「こら!食い放題じゃないぞ?ちゃんとお金払うんだぞ。」

  「お父ちゃん。雪もたくさん食べていいの?」

 反則級のウルウルだな。

 「…いいよ」

 父ちゃん撃沈だ。

 「じゃぁ、野営地どうすっか。」

 それな…トワ君も肉楽しみにしてるしな。今夜はカイエンと話があるし。

  「私にお任せください。カイエン様に何やら御用があるのでしょう?」

 「病上がりだろう?ディゴ」

  「なぁに、人族の軍なぞ、何千来ても薙ぎ払って見せますよ。それに、緊急時は合図の魔法弾でお知らせします。」

 「すまないな…土産買ってくるから。」

  「ははは。お気遣いなく」


 暫く進むとプロスの町が見えてきた。こじんまりした交易都市だ。城壁に沿い、一旦通り抜ける。野営地に適した場所を探す。が…ないな。

 「しょうがない、国境に向かい進もう。」

 「帰りは盗賊に遇わないな。」

 「まだ、狩ってそう時間が経ってないからじゃない?」

 「G並みに湧くかと思ったわ」

 街道から少し逸れ、山のふもとに野営地を設置することにした。ここならわざわざ人も来ないだろう。周囲に結界石を設置し、鎧馬車2台と大きめの兵糧運搬車をだす。魔力コンロを出して、一応、”充填”しておく。

 某お貴族の家宝のバッグに野菜、肉を移し、鹿角族のご婦人に預ける。夜営に必要なものを出していると長老がやってきた。

 「どうした?買い出しリストはできたかな?」

  「ミッツ様の好意に甘えてばかり…何かお手伝いできることはありませぬか?」

 「気にするなって。拠点に着いたら、村作りが待ってるぞ?畑だって一からだ。がっつり働いてもらうさ。」

  「…しかし…」

 「落ち着かないのか?」

 じっと、長老の目を見る。

 「そうだな…向こうに着いたら薪が少ないな…ここらで調達しておこうか。薪と有用植物の採集お願いできるかな?」

  「助けていただいて、わがままばかり…真に 「ほら、謝らないで。楽しく生きていくんだから。謝ってばかりじゃつまらんでしょ。」 …はい。すい 「ほら、ほら。長老。」 …でしたな。頂いた仕事完遂して見せますぞ」

 「その意気、その意気。森林の中は鹿角さんのテリトリーだろうけど、単独行動は無しで。常に2~3人で行動してください。気を付けてね。」

  「私から、これが今、必要な物です…見ていただけますか?」

 「どれどれ…布?」

  「服を作ろうかと…」

 「間に合わんでしょ?服買ってくるよ。後、端材になっちゃうけど、在庫渡しておくね。糸と針は…と。ふむふむ。了解した。なるべく揃えてくるわ。あ!長老!大事なこと忘れてた!角だよ、角!取り返したが…どうする?新しいの生えてくるのか?」

  「そういった事例もありましたが…どうでしょう?」

 「二ホンジカっぽい角だから生えてくんじゃね?あれ、生え変わるんだろ?長老そういう話って無いの?」

 「二ホンジカって…奈良とかにいるやつか?あ…」

 禿げ頭の長老…!そして!角!

 「どうしたおっさん?」

 「〇んとくん…長老とせん〇くんが被った…」

 「へ?…ぶふぁはははは!反則だわ!おっさん!」

  「え?トワ様?」

 「こら、っプ、失礼だぞ!トワ君!」

 「ひぃーー!ツボだわ。おっさんが悪いんだぞ!せ〇とくんの集団か!ヒィ、腹痛てぇ!」

 「ぶっふぁ!」ははははは

  「み、ミッツ様?トワ様?」

 「す、すいません、前世界のことです…っぷ。」

 リアル〇んとくん、おじいさんバージョン。丸刈りの小僧が居ればまんまだな。

 「ふぅ、で、長老、継いでみるか?それとも回復魔法でもかけてみるか?」

  「…後で角を失った者で話してみます。私自身はこのままで生きていこうと思っております。逆手を取って人族の町にもいってみたいと思いますので。」

 「なるほど…角さえ無ければってことか。まぁ、各々の考え方だな。とりあえず、角をお返ししたいのだが…あ、拠点に帰ってからでいいか?」

  「そうですね。荷物になりますし。ははは。」

 「では、仕事を済ませてくる。ディゴ、長老ここは任せる。不自由を掛けるが…」

  「いえ。不自由は感じていませんぞ。新しい世界が広がっております。これでも皆、楽しんでおります。」

 「そう言ってくれると助かるよ。では、いってくるな。」

  「「お気をつけて」」

 居残りの皆の顔を見回し、野営地をでる。…せん〇くん…

本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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