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宴会の余韻

いらっしゃい!

 「おじ様、おはよう。」

 「ああ、おはよう。昨日は早かったね。」

  「どうせ、つまらない話でしょう?」

 「ああ。違いない…」

 有意義な情報もあったが…

  「皆、もう出たわよ?」

 「おう。行ってくるわ」

 …中庭に出て皆と合流。


 「おはよう」

  「おはよう」

  「父ちゃん、おはよう!」

 「さて、朝の修練始めっか。」

  {応!}…

 流石カイエン。魔戦将の名は伊達じゃない…鋭い打ち込み、身体移動。ハセルが尊敬の眼差しで見ている。

 「す、すげえなぁ、姉貴と勝負できんじゃね?」

 「んな!そこまでか?おいらはからきしだから判らんが…」

 「実戦になれば、あれに気迫と…たぶん魔力が乗る。そうそう止められないぞ。」

 「そういうものか…カイエン!腕の調子はどうだ!違和感は?」

  「問題なく。只もう暫くかかるでしょうか、重さを感じられ…喜ばしいことです。」

 「それは良かった。神に感謝だな。」

  「…ミッツ様は”勇者”ではないとおっしゃいました。」

 「うん?」

  「今思うと”使徒”様なのでしょうか。」

 「う~ん。そうなのかなぁ。一応使命はあるが…」

  「!ぜひ!お聞かせください!御恩返しのためにも!お手伝いさせてください!」

 「はぁ。なんというか…」

  「たとえ世界を破壊せよといわれれば喜々と従いましょうぞ!」

 「怖えぇよ。しないよ、そんなこと…ただなぁ…」

  「?」

 「ふふふ、いいじゃん教えてやれよ。」

 「はあ、仕方ない。”楽しませ、笑わせる事”だ。天界?で退屈されている神へ癒しを提供する…」

  「はぁ?何でしょうか…それは?」

 「おいらがちょろちょろ生きていくのが面白いようだ。なのでイベント…事件が絶えない。カイエンと巡り合ったのも恐らくお導きだわ。おいらにカイエンが付くことでなんか企んでおられるやもしれん…」

  「加護…というより呪い…ですな…」

 「ああ。こんな加護よか、嫁さんくれたほうが何倍もいいわ」

  「ははは、確かに。」 

  

 <ないな。> 

 

 「…ほらな?」

  「…た、確かに…お、お許しください…」

 「大丈夫だよ。さっきも言ったろ。楽しんでんだ。少々の無礼で怒るお方じゃぁないさ。ただ、邪魔すると怖いぞぉ」

  「邪魔…すなわち、ミッツ様を害したりすれば…」

 「たぶん?おもちゃを取り上げられたようなものだ。天罰覿面だろうさ。」

  「何よりの加護では…」

 「その時、助けてくれたらなぁ。」

  「あ、確かに…」 

  

 <そこは、自己責任だろうが。せいぜい長生きするんだな。> 

 

 「…だそうだ。」

  「……お護りしますぞ…」

 「なんだ、おっさん、神さま呼んだんか?」

 「そんな、おおそれたことしないって。会話に参加されただけだよ。」

 「ふ~ん。朝から暇こいてんな。」 

  

 <うるさいわ> 

 

 「…暇人。さぁ、修練しよう。カイエンさんハセの相手頼む。」

  「は、トワ様。」

  「おお!カイエンさん相手してくれるのー」

 カイエンの去ったほうからハセルの歓声が…おいらも振るか。ぶんぶん振ってはトワ君に尻をシバかれる…

  

 「おはよう。ミッツ殿。朝から精が出ますな。」

 「お、おはようございます。ライル様…お恥ずかしいところを。どうも生来の臆病者。腰が引けて…」

 「ほう。剣を使われるので?」

 「いえ…初級攻撃魔法がメインですが、私向きの魔剣を得たので多少は振れるようになりたいと…」

 「ほう。魔剣をな。」

 「ええ。ものすごく重い剣ですが、魔力を纏わせると軽くなるのですよ。」

 「珍しい魔剣ですな。まさに魔力量の多い貴殿にうってつけという訳か…」

 「ええ。」

 ”ががががぃん!”

 「お、ハセルやるな。」

 「中々の剣捌き。」

 「ええ。最近身体もしっかりしてきたので力が乗るようです。」

 「師は?」

 「トワ君と、元冒険者の方が見てくれています。これからはカイエンも見てくれるでしょう。お!流石、カイエン。あの一撃にも微動だにしない。」

 「さすが魔戦将といったところか…あの国もあきれてものが言えんわ。かの国とつるんで最近おかしく成ってきておる。」

 「聖王国の影は?」

 「うむ。みられるの。」

 「人員…特に奴隷等の流れがあれば要注意ですよ。」

 「…うむ…”悪魔”か?」

 「ええ。」

 「公爵、ミッツ様おはようございます。昨日は取り乱し、誠に恥ずかしい格好を。」

 「おはようございます。」

 「お、丁度良い。ハレル殿、最近のシぺラの状況はどうか?」

 「はい。かの国とべったりです。気になる点では聖王国の司祭が出入りしています。」

 「奴隷商は…」

 「こちらからの流入は確認されておりませんが…」

 「この国は奴隷は認められていないのでは?キャラバンなんかで獣人が多いとか…不必要に人族がいるとか。」

 「どうだ?」

 「いえ…未確認です。」

 「そうか…今後その点も留意せよ。」

  「父ちゃん、飯にしよー!」

 「おう。みなさん、食事に行きましょう」


 …朝食のテーブルに着く。ライムギパンのような粒粒入りのパン。良く膨らんでいる…珍しいな。大量の焼ベーコン。玉ねぎとベーコンの脂身のスープ、温野菜の盛り合わせ。種類は少ないが沢山好きなだけ食べられるようにしてくれたようだ。

  {いただきまぁす}

 みな皿をもち、肉多めの食事を開始する…

 「ほら、ハセル!これも食え!雪もこれ食えよ。ミミルは…ん?野菜好きか?えらいなぁ。ほらデカいベーコンあげよう。」

 「ははは、ミッツ殿、大変ですな。」

 「ええ、どうしても野菜嫌いが多いので…ほら目を離すと…雹、戻すな!食え。こんな感じです。」

  「ふふふ。久しぶりに賑やかなお食事、楽しいですわね。」

 「奥…そうだな。たまにはいいな。ミッツ殿は今日、立つので?」

 「う~ん、ハレル様今日中にいただけます?」

  「昼までには…」

 「ワシも一筆つけよう。」

 「ありがとうございますライル様。今日は泊って明日早朝出発にします。皆さんは?」

 「我らも明日早朝王都へ発つ予定じゃ。」

 とは、ライル様。

 「私は当分この町に滞在する。宿をここに移すつもりだ。」

 と、ハレル伯爵。

 「なら、ちょうどいい、ミディさん、マッド・クラブあるんで今晩の食材にしましょう。」

  「マッド・クラブ?キングクラブじゃぁないのぉ?」

 「ええ、デッカいカニですよ。焼くのはこちらでやりますよ?」

  「…まさか…鎧の素材になるヤツぅ?食べるの?」

 「ええ。美味ですよ。最も丸のまま焼くんで、鎧としての”素材”はパァですが。」

  「マリアさんが卒倒しそうねぇ」

 「そういえばマリアさんは?」

  「早くに家に帰ったわよぉ。家事とかあるのよぉ」

 「それは良かった。救護の必要は無いですねぇ。味はホント上品ですよ。」

 「ワシらもおこぼれをいただけるのかな?」

  「あら、ならまた呼ばないと。」

 「公爵…」

 「ほう…その方は不参加か?」

  「それはそれは」

 「アヴァロン…もちろん参加しますぞ!よろしいかなミッツ殿。」

 「ええもちろん。昨日は折角美味しいものを食べたのに、辛気臭い話になってしまって。」

 「いや、こちらから振った。どうしても国として確認がしたかったのでな…すまなかった。」

 「頭を上げてください。ライル様。こちらもちょっと行き過ぎた点もありましたし。」

 「しかし、有用な話もできた。のう。伯爵、アヴァロンよ?」

 「…少々ショックが大きかったですがね。」

  「ええ。叔父上。多くのピースが噛み合いましたねぇ」

 「それを治安維持、隣国の監視にいかしてほしいの。」

 「はい。」

  「そうそう、叔父上…王にも話位は通さねばなりますまい。」

 「ふむ…余計な手出しはさせぬ。王にも話してよいかの?カイエン殿の件も含めて」

 「仕方ないでしょうね。隣国の貴族の死も絡むでしょう。今後、この国とも友好的に行きたいですし。」

 「ああ。姉貴も絶対来る…あ!姉貴、小さい…雪位の背格好だわ。なにやら”事故”で…ちんちくりんだけど中身は成人の…おっさんバリの曲者だから注意な。」

  「…トワ様以上の力をもった、ミッツ様?…しかも、姿は幼い女の子?…あらゆる問題を引き寄せそうですな…」

 「おいこら、カイエン…でも、言い得て妙だな…」

 「引き寄せた問題は”力”で解決だな…伯爵様お気をつけて…」

 そっと手を合わせる。

 「ミッツ殿…なるべく来ないようには…」

 「止められません~一応注意はしますが…」

 止めても来るさぁ~日本人だもの。魚食いに。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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