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港町の朝をブラブラ


 ……

 

 さぁて! 鍛錬も終わり! 朝食を兼ねて朝市に繰り出すか! 少々尻が痛いが……生活に支障が出る折檻レベルはダメだろう……

 

 「一応、トワ君にも声かけるか……朝食も食わないとなぁ」

 朝の鍛錬、サボってからに!

 「……トワ兄? 朝一番でトラエビ買いに行ったぞ。買い占めるって張り切って出ていった。……金子はセツナ姉にタカるって」

 「は? そうなのかい? しょうがねぇなぁ……。でも、金子の目処がついたなら良しとするかぁ」

 「……うむ。儲け損なった。……では、朝飯食いに行こう!」

 そうね。トイチの金利でがっぽりだったのに。残念ね

 「ふふふ。そうしようか」


 『いざ、征かん!』 と、馬の世話をするのだと、牧場に飛んでいってしまったマルロ殿を抜かした面子で街中に。近くに狩りにでもいくのだろう

 

 ”わいわい” ”がやがや”

 今日も大漁だったのか、とても活気があるね。

 ガラゴロガラゴロと、魚の入った木箱を乗せてた大きな大八車が通りを行き来し、魚屋や呼び込み、商人や村民が価格交渉をしている。 『今日は〇〇が大漁だぁ! やすいよぉ~~』 『たくさん買うからまけて!』 『ほら! 活きがいいよぉ! 見ていって!』 『今日はハッタキが大漁だぞぉ!』 やら。賑やかでいいねぇ~~。漁港の朝はこうでなくちゃね。魚もキラキラピチピチ輝いて見えるってもんだ! 因みにハッタキは黄色い鯛に似た魚だ。鯛に似てるが赤身の魚だ。

 お! ここは干物の問屋だろうね。大八車から降ろされた木箱がどんどん加工場の方に運び入れられる。

 大量の魚が街を駆け回り、加工されてるお陰で朝市は少々生臭いが、これが港町の香りだろうね。


 朝食は干物屋の軒先で焼いてるのがおすすめだ。一夜干しの干物、カリカリ干物。そして焼干しの干す前の焼いた魚が手にはいる。主に小型のイワシやサバ系の魚で実に味がある。

 ほら、まだこの時間じゃ観光用っていうの? 魚を焼く屋台は少ないからね。朝食屋台はそこそこあるよ。でも、せっかくの港町だ普通の麦粥や野菜スープじゃつまらないだろう。


 干物をかじりながら見て回る市場も乙なものさ。そういや、シュトラーシュテー殿がアンコウ鍋を食わせろっていってたなぁ。いいアンコウがあるといいねぇ~~。

 

 「うわ! 魚臭い! くさーー!」

 まぁ、市場だしなぁ。大きな作業台の上でばんばん切り身になっていく魚。頭や内臓が空き樽に放られる。その樽があちこちにあるものだから、どうしても匂いはなぁ。頭やら背骨は売り物になるが、内臓はなぁ。浜や畑に竈の灰とともに埋められると聞く。消臭効果を狙ってるのだろうね。変な動物や魔物を呼んでもつまらないもんな。家畜の豚の良い飼料にもなりそうだが……。その点はどうなのだろうか。痛風になるからダメとか? おいらと一緒じゃん……

 

 「……キュシナスよ。そりゃこれだけ魚が並んでいるんだ。……臭かろう」

 「私、港町の市場に来たの初めてかも。くっさぁ~~」

 「……そうか? 海の魚は美味しいぞ? ……臭い臭いと、獣人並みに鼻がいいのか?」

 「だってぇ~~。臭いもの」

 と、鼻をつまむ。

 「……ほら、キュスナスよ。お前そっくりの……タコだ!」

 でろんと、網に入ったタコを持ち上げるラグ。くす(笑)

 「どこがそっくりよ! てか、気持ち悪ぅ~~。なにこれ? たこ?」 

 「……うむ。タコだ。クラーケンの親戚だ。……こいつを茹でて食うと大変美味だぞ。宴会にも赤くなったのがあっただろう」

 「クラーケン? あの? じゃぁ、これは? 足がいっぱい生えている虫みたいの」

 「……虫ではない。それはトワ兄の大好物! トラエビだ!」

 「ええ!? これが、トラエビ? あの美味しいやつ? 勇者様の大好物?」

 と、おいらに目を向ける。勇者様違いよ? まぁ、エビは嫌いじゃないが

 「……うむ。尻尾をもいで、殻を剥いて食う。頭の方は”大人の味”だ」

 「なによ、その”大人の味”って?」

 「……お子ちゃまは知らずともいい……」

 ふふふ。楽しそうで何より。


 うん? あれは、カミュ? そして、今では懐かしの”紅”。よく牛に追いかけられたもんだ…… 

 ということは、会頭一家とマリアさんか。マリアさんの御子息が案内しているようね。極上な執事服を着てカタリーンお嬢様のわきに控えるカミュ。うんうん。凛々しいのぉ。そういえば、マリアさんの旦那のジョルジュ殿、もうお帰りになったか? まぁ、カタリーンお嬢様の右腕だもんな。お嬢様不在の間の総指揮で残っておられるのだろう。将来、その座にカミュがつくのだろうなぁ。楽しみだ

 

 「おはようございます。会頭殿」

 「これはこれは、ミッツ殿。仕入れですかな」

 ぺこりと優雅に頭を下げられる奥方とお嬢様。お上品ですこと

 「ええ。港町は血が踊りますからね。会頭も?」

 「はい。私どもも朝食を兼ねましてね。屋台巡りはもう止められません。これもミッツ殿のおかげですな」

 会頭殿には”無影衆”が付いているしな。安全も確保されているだろう。それでと言っちゃなんだが、最低限の護衛で自由に町をブラブラできるのよね。

 

 「いえいえ。御夫婦お揃いで羨ましいですね。……仲睦まじくて」

 我が、暗黒の妬みパワーを喰らい滅するといい! なんて。カタリーン嬢の弟か妹はまだできていないようね。

 「ははは。気持ちもずいぶんと若返りましたよ。あの”うなぎの蒲焼”がいいのでしょうか」

 んもぅ! 財力に物言わせてからにぃ! ウチでもまだまだお高いもんなぁ。一応、養殖技術が確立されたとはいえ、下々に満遍なくとはなかなかいかないわね。

 「そうですね。滋養強壮、美肌効果。体作りにもいいし目にもいい。なにより美味しいですしね」

 「ええ、ええ。ミッツ殿の提唱する”薬食同源”、”和食”の麦飯と味噌汁もいいのでしょうな。腹回りもだいぶスッキリと。ズボンもみな直しましたぞ」

 和食ダイエット? そういや、大学のときの友人が言っていたなぁ。日本に来たら勝手に痩せたって。特に、アメリカから来た連中が。里帰りするとめっちゃ心配されるって。ダイエットの本でもパンて太りやすいっていうもんな

 「それは、それは。健康でなによりですね」

 「ミッツ様、倉庫街で販売している『たこやき』も大人気ですよ。あの黒い『ソース』はなんとも複雑で美味しいですね」

 と、マリアさん。

 

 もうたこ焼き屋の営業開始したのかいな。随分と早いな……。

 ノーム族は人柄もよいし、付き合ってみればかなり社交的だ。体は小さいがハートはデカい。南米気質? アミ~~ゴ! って感じだものな。

 彼らの技術。そして風習、文化? 貴金属(全財産)を身につけるということがなければ、もっと身近な種族なんだろうなぁ。てか、それを奪おうっていうやつが一番悪いのだがね。

 

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