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閑話 ザックの冒険 ⅩⅥ

まいどぉ~閑話?短編?もうちょいつづくのだ~

 町中を散策。俺が赴任してた時から何年か経っていたから、万が一の脱出経路の確認も兼ねてな。ここに”軍”の詰め所があったなぁ。今では閉鎖されている。

  「どうしたの?}

 「ん?ああ。昔ここに軍の詰め所があったんだよ。今は使われていないようだね。懐かしいものだね。お!あそこの飯屋、まだやってるんだ。明日来てみようか。」

  「いいねぇ。」

  「「うん」」

 

 「や、やめてください!あなた方はもう、商業ギルドではないのでしょう!」

 おいおいここにも。

  「手数料を払うのは義務だろう!」

  「さぁ!だせ!」

  「よ、弱い立場の者ばかり…やめてよ!だれかぁ!助けて!」ったく…

 「まて。往来で何をしている?恐喝か?強盗か?」

  「我らは”商業ギルド”だ。ギルド員同士の 「おいおい。”商会”だろう?」 …」

 「もう、この町では広く伝わっているぞ?商会同士、いわばライバルだろう?なぜ金を献上せにゃ、ならん?」

  「部外者はだまれ!女!こっちにこい」

  「いやです!た、助けてください!」

  「この、女!」

 ったくダニだな。男の腕を取り、絞り上げる。

  「はなせ!」

  「貴様!」

 「ローゼ!縛りの実習だ。先ずコイツをくくれ!容赦は要らん。歩ければいい。」

  「おっけー!」

 次から次と、ねじ伏せ、子供らを呼ぶ。縛り方の実演会開催だ。

  「はなせ!はなぐくくぐぅ!」

 「猿轡もいるか?それにしてもどうすんだ?商業ギルドは。もう、関係ないじゃ済まんぞ?」

  「おじさん、こいつらどうすんの?」

  「剥ぐ?」ダメ!

 「剥いじゃダメ。ここの衛兵に引き渡そう。お嬢さん、証言はしてもらえるか?」

  「わ、私…で、できません…ごめんなさい。まだいるかも…」

 なるほど…

 「そうだね。こっちでやっておくよ。すまないね。」

  

 「良い判断ですよ。貴殿も早く解放なさい。」

 身なりの良い男…グルか?

 「ん?であんたは?」

  「この”ギルド”の関係者の物だ。長をしている。多少だが金子きんすの用意もあるぞ?」

 「なんだ。強盗の頭領か。」

  「な!なにぃ!」

 「立派な詐称だろう?なんだよ”商業ギルド商会”ってセンス無いな。まぁいい。付いてくるがいい。衛兵の元へ行こう。そこで罪が無ければ解放もされよう」

  「行くか!ここで解放しろ!我らに逆らうとこの街から出られんぞ!」

 「バカか?解放するはずないだろう。強盗さん。面倒だ。拘束させてもらおう!」

  「何!や、やめろ!おい!助け…んうぐううぐぐぐぐぅ」

  「おじさん。良いの?」

 「ここの領主様に任せよう。一番困るのは領主様だ。先に狸殿に話してみるか…」

  「狸?…ああ。ギルマスね。」

  「ん~んん!ん!」?うるさいな…

 

 「で、”疾風”殿、こいつらが?」

 ギルドの古狸殿。一人一人の顔を確認している。

 「ああ。服屋を強請っていたな。偽の”ギルド証”を出してね。堂々と”商業ギルド”と名乗ってたぞ。」

 「ふ~ん。おお?お主は…久しぶりじゃな。手配書きてるぞ?まだこの街にいたのか?バカだのぉ~」

  「んぅ~んぐぐ!んぐんぐ!」

 「手配書?立派な犯罪者じゃねぇか。」

  「報奨金!」…。

 「ああ。お~い衛兵に来てもらってくれ! 「ん!んぐぐぐぅ!」 こいつはなぁ。商業ギルドの元副ギルド長だったんだよ。依頼料の搾取、ギルド組織の財産の着服。挙句の果てにギルド長をりおった。」

 「おいおい。大悪党だな…こいつ。それで”長”って名乗ってたのか」

 「それでじゃ。おまけに一回”脱獄”しておる。看守に握らせての…まぁその看守も先日縛り首になったがの。だで、明日辺り公開処刑じゃな」

  「ん!んんうーーんんうぅー!」

 「で、コイツ等は部下みたいだな。」

 「なるほどの。衛兵に”鑑定”されるだろうさ。盗賊やら強盗の文言無ければよいの。」

 諦めたのか、俯いたままだ。

 「実際、目にしてびっくりしたよ。往来で真昼間から強盗やってるんだぞ。」

 「ああ。まだ衛兵の中にも握らされてる奴がいるのかもな。」

 「ギルマスから”商業ギルド”に文句ひとつ入れた方が良いんじゃないか?もはや、無関係とはいえんぞ。」

 「そうだな。行政の仕事じゃが、目に余るの。良し。入れとくかの。ノリナあたりでいいか…」

 ”どかどかどか”

  「失礼する!」

  「下手人が居たと。」

  「おお…良くも恥をかかせてくれたな…明日早速斬首だ!連れて行け!」

 「ちょっとまて!ラルド。報奨金はどうしたんじゃ?」

  「あ!ああ。すまん。脱獄を許した相手…少々気が入ってな。この者どもの鑑定後、まとめてお支払いとしたいのだが?」

 「だそうだ、どうじゃ?」

 「ああ。それで頼む…」

  「!な!ざ、ザック殿?お、お久しぶりです!昔、捕り物で指揮を頂き…あの時の指揮っぷり…なぜ?冒険者のような?」

 「騎士団をクビになってね。今は冒険者の真似ごとを…な。」

  「クビ?まさか、そんな…」

 「まぁ、金もない。なるべく早く頼む。今度は見張りもしっかりな。」

 後は任せ、ギルドを後にし、宿屋へ。


 「さて、バッグを見てみようか。」

  「おう!」

  「うん!」

 バッグの中身は…ショーソード3本。解体ナイフが6本。狩猟用ナイフが2本。弓と矢筒2個。矢は30本か。籠手が一対。手首用の腕輪?血管ガードかこれ?変な呪物じゃないだろうな…まぁこんなもんだろう…盗賊なんかな。ん。一本変わったナイフがあるな…金貨は全部で50枚…多いのか少ないのか…何気に俺の”忠誠”と同じ額…微妙に腹が立つ…”ころり”指輪?後で鑑定に出してみるか…

  「もっとぶっこんだと思ったのに?」

  「こんなもんか?」

  「銀貨や銅貨は多いぞ。」

 「よくやったな。このナイフと指輪、小さい腕輪は一応鑑定に出すな。ナイフが問題なければ、アルマに。ショート、一本は俺、ローゼ。練習用と予備として取っておくか。解体ナイフは一応一本ずつな。狩猟用は、ディア。予備として保管。弓は、ディアに持たす明日から練習だ。」

  {おう}

 「明日はそれぞれの剣帯を買う…と。籠手は、ラナだな。」

  「俺のも直してもらっていい?臭ぇし。」

 「そうだな。ローゼのも寄せ合わせだしな。調整と”清掃”を頼もう。」

  「ラディは?」

 「練習用の槍と、革かな…盾は…ローゼは金属穂先と補強した木柄の槍な。盾はどうする?長柄にして機動力で押すのもありだぞ。」

  「それが良いかも。でも堅実に盾もいいな…」

 「ラナは良いラウンドシールドがあればいいな。」

  「おじさんは?」

 「わるいが、少々お高いのを。鉄の盾があるといいが…」

  「まぁ、当然だな。槍と盾あれば前の盗賊位何とかなるでしょう?」

 「ああ。勿論!といいたいが…まぁ。頑張るよ…」

  「あ!鎧?やっぱ、鎧要るの?」

 「そこまでは望まないよ。稼いだらな。さぁ先ずはコイツ(財布に丁度いい革袋)を洗っちゃおうか。財布にしよう。」

  「…良いなこれ。ちと臭いけど…」

  「洗えば臭いも取れるかな?」

  「やってみよう!」

 

 結果、普通の少々装飾のあるナイフ。金の腕輪、金の指輪だった…残念。ナイフ以外を売り払い、装備の購入に充てる。ぱっと見、立派な冒険者?の出来上がりだ。

 「おお!見栄えは冒険者だ!」

  「かっこいい?」

  「びみょ~」

 「そりゃ、駆け出し装備だからな。お金を稼いで良いモノへと変えていくんだ。ケガはするな。勿論、死ぬな!いいな。」

  {応!}

 朝は装備の習熟。日中は依頼を受ける。簡単なものだが、鍛錬も兼ねている。勿論食料もだ。猪、鳥なんでも食う。猪は売れるしな。寝る前には、文字の練習、計算をし、一日が終わる。

 

 ほぼ一週間…宿屋無料期間が終わるタイミングで、ギルド長から紹介された3商店合同のキャラバンの護衛依頼を受ける。本格的に?冒険者のデビューだな。頑張ろう。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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