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海…ああ…カキが…

いらっしゃいませ!

 街へ出てすぐにルカちゃんが合流。

  「おじ様何かやったの?オマケが付いて来てるわよ?」

 「ああ、おいら達がシーサーペント狩ったんだ。横取りしようとしたヤツがいたなぁ…そいつかな?」

  「イベント盛りだくさんね…相変わらず。で、あれが欲に眩んだアホね。」

 全くだ…紅旅装がなかったら…

 「ほんとだよ。で、ルカちゃんの方は?」

  「楽しんでるわよ?さっき人攫いに攫われたけどぉ。」

 「はぁああぁ、っちまったなぁあ?」

 お正月芸人のノリが思わずでてしまった…

  「失礼ね!お金で解決したわよ。」

 「あら?」

  「執事さんに協力して頂いて」

 「尻の毛までむしり取ったのね…」

  「ええ。その方の雇い主、その上とその上?くらいまで。ざっくり辿れるところまで皆頂いたわよ。」

 「…それって、実行犯は…」

  「落とし前?でしたっけ?殺られちゃうんじゃないかしら?」

 「あららら、まぁ屑だからいいか。」

  「ええ。魂も予約してあるし?」

 結局そうなのね…死んだら頂戴。とかやってそうだな…

 「…楽しんでますね…」

  「ええ。」

  「ミッツ様…」

 「おおぅ!マリウスかぁびっくりした!なんぞ?」

  「この度接収したお宝は頂いても?」

 「ああ、ルカちゃんとのだろ?二人で決めていいよ。おいら達に有用なものがあれば声かけてくれると嬉しいわな。」

  「そうねぇ…今回のでだとマジックバッグがあったわよ。貴族の家宝とか。」

  「うむ。いらんなそれは。」

 「ええ!じゃぁ、譲ってよ!」

  「ふむふむ。考慮し 「良いわよ。今回の私の取り分それでいいわ。」 …何を勝手に!釣り上げ…モゴモゴ。」

  「あら、あの絵画…折半なら換金する?」

  「…!…了解した。マジックバッグと絵画2枚でどうだね?」

  「3枚あげるわよ。そんな絵」

  「ふんぬぅ!誠か!」

 ふんぬ…て。そんなに良い絵なのか?

  「ええ、後は宝石類は折半…換金する?お金は共有ストックで良いわね?」

  「ああ心得た。」

 すぅっ…消える執事さん。ん?そういや、執事らしい事全然やってないぞ?あいつ。

  「はい、これ。結構上物っぽいわよ。」

 「ありがとう。ルカちゃん。…代償は?」ぶるぶる。

  「…そんなに脅えないでよ…今回はいいわ。日頃の感謝ね。」

 「…タダより怖いものは 「なら、魂 「はい。お言葉に甘えます。ゼロはまずいから、ビア一樽つけるね。」 …最初からそういえばいいのよ。」 …はい反省しとります」

  「父ちゃん、飯食おうよ。腹減った…」

 「良い時間だな。そうすっか、おっさん?」

 「ああ、好きなところへどうぞ。雹、マジックバッグ手に入ったぞ。このままじゃバレるから、おっちゃん達に外見だけでも改造してもらおう。」

  「え?あるよ」

 「そりゃ、商会のでしょ。やっと一個か。あと…ハセル、ライ達。絶対ファムも欲しがるな…高性能のはビルックにも持たせたいし…」

 「おっさん、きりないぞ!自分自身と袋を守れなきゃだめだ。」

 「そりゃそうだけどなぁ。ルカちゃん材料は揃わん?」

  「…なかなか無いわよ。ドラゴンでも乱獲する?ここなら深場にリヴァイアサンでもいるかもよ?まったく、あればぽんぽん造られてるでしょ?」

 ドラゴンかいな…

 「…だね。はぁ、たんと飯食って気分転換だ!」


 通り沿いにあった定食屋に入る。コメが食いたいなぁ…魚定食だが、ナンみたいなのがついている…追加で揚げ物や、刺身なども注文。…美味そうに食っている息子たちを見まわし…

 「父ちゃんは良いけど…雹、ハセルは魚飽きない?」

  「俺魚すきだし。いろいろな種類がいてたのしいよ。ララ達にも沢山買っていってあげたいな。」

 優しいお兄ちゃんで。

  「俺も好きだから大丈夫だよ?でも、そろそろガッツリお肉もいいなぁ。」

 だよなぁ。

 「はははは。まぁ、折角の魚村だ。鱈腹魚食って満喫しよう。アヌヴィアトに帰ったら魚なんか滅多に食えないからなぁ」

 肉肉生活になるものな…

 「思った以上に楽しめたな。今度は余裕を持ってきたいな。」同感…

  「そうだった!海の魚初めてだったんだよな!俺!」

  「そうだぞ、ハセ。まぁ、俺も初めてだけどな。ここじゃないとお金が沢山あっても食えないんだぞ。」

  「っ!大変だ父ちゃん!買えるだけ買っていこう!」

 「ははは。また来ればいいじゃないか。まぁ、買えるだけ買っていくがな!」

 くいくいと服を引かれる。

  「ねぇ。おじ様、ビア出して。」

 「…ここはお店の中です。エールでも注文しなさい。」

  「ぶーーー」

 文句たれたれ、エールを頼む悪魔っ子。ブレないな。てか、昼から飲むな!不良悪魔っ子。

 腹も膨れたので、お茶を頂きながら休憩。マテ茶みたいだな…ここの。

 

 「アホが…丸見えだぞ」

 「ははは。慣れてないんだろうさ。普段魚突いてんだろうし。それに命令されてんだろ?誰だったか…アバジだっけ?」

  「…バダギだよ…父さん…」

 「あははははは、流石おっさん。一文字も合ってねぇぞ。ボケたか?」失礼な!

  「おじ様は、関心ないだけよそんな屑。おっぱい大きい女の子なら忘れないわよ?」

 ああ、そうだよ!

 「……ま、まぁ、で、バダギだっけ?仕掛けてくると思う?」

 「先ず街中はないな。他の網元はこちら寄りだ。街をでてからじゃぁないかな?」

  「俺たち足速いから大丈夫だね!」

 「まぁ、来たら来たで…う~ん…今回は生け捕りにしよう…もちろん無理のない程度で。第一にこちらの命。第二にこちらの受傷。第三あたりに相手の命ね。傷を受けるくらいなら斬れ!だ。我が家の方針だな。」

 「だな。俺たちの家族に手ぇ出したら何倍にもして返してやるさ。」

  「うん…俺も、もっと強くなるよ。」

  「俺も!俺も!」

 頭を撫でりながら、

 「お脳も鍛えような。考えなしだと、あんなパシリにされちゃうぞ」

 そういって尾行者を指差す。

  「「うん。」」

 隠れたいが、馬鹿にされてるのを感じたか出たり入ったりしてる…脳筋が…

 「さて、買い物しようか。」


 その後、市場のような場所を巡り、色々な種類の干物や、鮮魚を買い占めた。アワビも前世界に比べ屁みたいな値段だったので、売ってもらえるだけ、買い占めた。

 途中商会があったので、挨拶と王都への届け物を預かり後にした。すっかり気分は宅急便だ。

 フランツさんとこの外の竈を借りて一次加工。アワビとかの貝類は生きていた…まぁ、無理に突っ込めるが…アワビは殻を外してキモと別にし、アサリとかは、味付け無しのスープにした。そう!味噌を溶かせば貝汁だ!味噌もちょっとしかないので、王都の仕入れ如何だな。

 問題はサザエさんだ…出すのが面倒くさい…時間停止もついてるし…出すときは死んだ直後ってことだろう?ということでそのまま突っ込んだ。

 その日の市場の売り上げの半分くらいは貢献したんじゃね?まじで。

 ヒィヒィ言いながら加工というトドメ作業を行う。買いすぎたなぁ…。

 途中アワビを丸のまま齧り…二ヒヒヒヒ…旨し!とやってると、直ぐにハセルとルカちゃんに見つかり取られつつ…なんとか加工を終わらせる…

 !!!そういえば、カキ無いな…あれぇ?無性にカキフライが食いたいぞ。明日、岩場を見てみよう!

 

 

 「カキが食いたい!」

 「な、なんだよ!唐突に!」

 「いや、無性にカキフライがさ。明日岩場見てみようかと。」

 「心の叫びだったのね…いいね。俺も食いたい…タルタルぅぅう~あれ、無性に食いたいぞ?」

 「そうであろう。そうであろう。明日のミッションだ。」

 フランツさんを探して作業場にお邪魔する。そこには、解体されたシーサーペントが…バラバラだ…

  「ふぅ…お!ミッツさん、終ったぞ?本当に骨とか素材貰っていいのか?良い銛の素材になる。槍にはどうかは判らんが…」

 「じゃぁ、試しに一本…これ貰いますね。後は結構ですよ。」

  「助かるよ。と、これが”漬け焼き”だ。氷室で3~4日置いたら食べごろだな。こっちが切り身…魔力が残留してるから日持ちはする。と言っても一週間以内に食ってくれ。」

 「わかりました。知人にも分けられそうです。」

 芝居がてら、3人で入れていく…ふむ。サメ…いや、カジキに近いか?生姜醤油に漬けても、味噌に漬けても…かす漬けも美味いな…”収納”の生で良ければ…刺身もいいなぁ。じゅるり…

 「そうそう、明日は漁に出られるんですか?」

  「他にもいないか様子を見ながら船は出す予定だ。全ての網元が船を出してまずは安全を確かめないとな。」

 「朝は今日の時間で大丈夫ですか?」

  「ああ、大丈夫だ。食後にでて、昼過ぎに戻る予定だ。2艘だすから、船酔いしたらすぐに言えよ?」忘れてた…船酔い…まぁ大丈夫だろう…

 「…わかりました…あ、この辺りじゃカキは食べないのですか?」

  「カキ?」

 「ええ、岩にくっついていて…」

  「ああ、オイスターか?食うぞ。主にスープにして。」

 「ああ、やっぱり!売ってなかったから。」

  「ああ、あれは日持ちしないからなぁ。」

 そうか…殻ごと売るって概念が無いのか?それに冷蔵もないしね…

 「あるんですね。」

  「明日取ろう…やはり、ミッツさんとトワ君は”勇者”様かな?」

 「…」

  「オイスター好きの…いや、魚好きの黒髪黒目はワタル様以来だな。」

 「…私は”勇者”ではないのですが、同じ故郷のものです。島国で魚好きなんですよ。」

  「じゃぁ、トワ様が”勇者”様で?」

 「…ああ、一応な。好き勝手やってる。何故?」

  「…そりゃ、ボンボン酒樽出すし…ど派手な技でこいつを両断するし?」

 ペシぺシとシーサーペントの頭を叩く…

 「まぁ、そりゃそうだ。あんな大技ぶっ放しておいて”違う”なんていえないわな。まぁ、バレてるでしょうが今まで通りで。」

 「そんなに派手だったか?」

 「ああ、海割ってたじゃん。おいらも叫んじゃったよ。」

  「「うん、うん。」俺もやりたい!」

 「そっか、自重しよう…」

 「いいじゃん。楽しく行こう。ハセルも習うんだろ?」

  「もちろん!トワ兄!」

 とトワ君に抱き着くハセル君。

  「ははははは、もうすぐ夕食だ。しっかり食ってくれよ。」

 

 夕食は魚多めの質素だが、贅沢なものだった…調理方法が単純だが、素材がね…前世界ならびっくりするくらいの値段だろう。

 調味料が普及すれば面白いだろうなぁ。最低でも醤油は流通させたい。ワサビも探して…米があれば海鮮丼…寿司…やはり早急にエルフの国に行かねばなるまい!

 次の日が漁ということもあってお酒少な目で早めの就寝となった。ルカちゃんが部屋に戻ってもチビチビやってた。食に興味が出てきたのはいいが…どこのオヤジだよ…

  「おじ様も付き合わない?」

 「明日船酔いするかもだから、寝る。おやすみ~」

  「つまんないわね。執事さんは?」

   <私はこっちでやってるよ>

  「じゃぁ、私も行こ <お前は五月蠅いから来るな…”封”…> っ、何も道閉じること無いじゃない!アホ蛇!」

 「ほらほら、干物あげるから、大人しく飲みなさいな。」

  「…するめ?がいいわ」

 「そういや、見ないな。明日探してみるか?イカ…時期的なものかもしれんな」

 そう思案していると…

  「もう…良いわよ!寝ろ!寝ろ!びーーーだぁ」

 悪魔っ子のご機嫌を損ねたようだ…よくわからんお年頃だな。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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