デ、ヴィーール!
いらっしゃいませ!
何としたことか…さらに1柱。悪魔が加わった。”勇者”のパーティーなのにだ!まぁ、おいらのわがままだけど。だって面白いじゃん。
【満腹亭】に到着。早速、山盛りご飯を頂く。宿名に恥じない質、量だ。おじさんにはヘビーだが、我には最強の軍がついてるので無問題。ハセルが片っ端から片づける。
「…ハセル?お前、大丈夫か?」
「?なに?父ちゃん。」
「いや、食いすぎかなぁっと。腹パンクしちゃうぞ?」
「まだはいるよ?」
「…まぁ、いいか。気持ち悪くなる前にやめるんだぞ。」
「うん。」
…本来、獣人はこれくらい食うのか?雹とか遠慮してる?
「雹も普段足りないのか?遠慮してるか?」
「ん?そんなこと無いよ。ちゃんと腹いっぱいだよ。ハセ良く食うから。ほんとどこに入ってんだ?」そういうとハセルの腹を指で突く
「ひゃひゃっははぁ、雹兄やめろ~」
「父さんが心配してるぞ?ハセ」
「…食べちゃダメなの?」頭を撫でり。
「いやいや。食え。食え。ただ、何処に入るんだ?って話。ハセルのちっこい体のどこに入るのか…」
「…腹?」撫でり。
「だよなぁ~腹だよなぁ。はははは。食え、食え。たんと食え!おデブはだめだぞ!」
「うん!」
…獅子獣人は驚異の食欲と思っておこう…うん。
「ルカちゃんもたんと食べて大きくなるんだぞ?」
「…おじ様。食べても大きく成らないわよ?私。」
魂…なんて言わないよな…
「…そうなの?でも美味いだろ?」
「ええ。美味しいわ。ビアが欲しいわ。」
「…寝る前にあげるよ…」
「あら、残念。エールでもいいわよ。」
エール頼んで、たんと食って寝る。幸せだね。
「おはよう、おじ様」
目の前には美少女?美幼女か?おいらの胸にまたがり、覗き込む顔が。
「ん。おはよう、ルカちゃん。…いかがした?」
「朝よ?みんな鍛錬始めたわよ?行かないの?」
「ルカちゃんは楽しい?この旅」
「ええ。楽しいわよ。食事も楽しんでるわよ。お酒も飲めるし満足だわ。」
「ならいいが…」
「どうしたの?心配しなくても良いわよ?」そか…
「いや、なんでもないよ。」撫でり。
「わ、私、子供じゃぁないわよ?」
可愛いやっちゃ。
鍛錬に合流。マリウスが混じってた。執事服で…雹とハセルの組手の相手をさせられてるようだが、さすがは有名どころ。
「ふはははは、小童ども、まだまだ。そうれ!」斬撃を受け止め、はじく。
「く、ハセ同時に行くぞ!」
「応!」
両サイドからの斬撃も受け流して躱す。流石、蛇。
「甘い!甘い!ふははは!今度はこちらからだ。」
死角が無いな。良い的になるわ…蛇拳、いや、蛇剣か、無軌道の斬撃が雹たちを襲う。
「やるなぁ、マリウス。」
「ああ、確かに強い。本当に大物なんだな。」
「ああ、確か…盗賊や、盗人の天敵みたいな悪魔だ。魂は食われるわ、隠したお宝も取られるわ。」
「ふ~ん。良い?悪魔か?」
「どうだろうな。召喚者のお宝もくすねるっていうし?まぁ、おもろいから、いいかな?」
「おっさん…」…
「蛇つえええぇえ。」
「ああ、強い…」
肩で息をしながら子供たちがくる。
「お疲れ。マリウスもお疲れ。やるなぁ」
「ふははは。ミツル様、これくらいのことであればいつでも。」
「助かるよ。本当に。この子らに手ほどきをたのむ」ぺこり。
「…簡単に悪魔に頭を下げるとは…調子が狂いますなぁ。」
マジに助かるんだからしょうがない…体を清めて、朝食だ。
朝食はビュッフェスタイルだったので助かった。ハセルが爆食いしたが、おいらは少食だからプラマイで勘弁してもらおう。他の二人も食うし…大マイナスだな…勘弁!女将はおおらかに笑っていたが、オヤジは真っ青だ…小金貨1枚置いてきたよ。流石にね。旅装を整え、出発だ。
「今日は野営になると思う。獲物を狩りつつ、海洋王国を目指す!”充填”出発!」
{応!}
街道わきを駆け抜ける、風のように…途中会敵したGは刈り取り、猪さんには悪いが子供達の糧になってもらう。
「ミッツ様」
激進してる中、マリウスが現れ、並走しながら、
「この先に盗賊がおりますが…行きますか?」だと。
「襲ってくるの?」
「いえ?アジトにおりますな。」
「それじゃぁ」
「ミツル様…街道の障害になり国の発展に 「本心は?」 もちろん、お宝ゲットだぜぇ!…失礼。雹たちの演習にもなりましょう?」
「…まぁ、いいか。トワ君、盗賊のアジトだって。」
「行くか。蛇どっちだ?」
「マリウスと。3時の方向、3kmといったところでしょうか。岩盤の洞窟に30くらいでしょう。」
「おい。ピンハネすんなよ!後でちゃんと分けるからな。」
「はい、勇者殿。期待してますぞ」…
…。
「あの洞窟?」
「はい、ミッツ様」
岩盤にぽっかり空いた洞窟。見張りもいないし、扉もない?
「魔物の巣みたいだな?」
「ここからは見えませんが、扉と見張りが2人いますな」
「なるほど、まず、俺と」
「ここは、おいらが魔法で排除しよう。」
「…解った、頼むおっさん。」
「”充填”にっかどぅう…ぱうわ!」
みなに魔纏を施す。正面に移動…見張りを確認…
「…アイスランス×2」
欠伸しながら猥談に花を咲かせてる見張りの足元より”じゅじゅどどお”尻目掛け氷柱が伸びる。
「おぶぶえ?」
「ぶぎぃ」
あっという間にブサイクな氷像の出来上がりだ…南無。
「雹、ハセ、行くぞ。狭いところでの殲滅戦だ。注意しろ。」
「「応!」」
扉をそおぅと開け、侵入していく3人。
「では、私めも…」
「気をつけてな」
「…調子狂いますねぇ」
文句言いつつ進むマリウス。
寝てる者が多かったのか、サクっと終わったようだ…こいつがカシラか…女と繋がったまま首を飛ばされたのだろう…マッパの奇妙な体勢でおっ立てたまんまだ…
「生存者は?」
「女7人。」
「並べてくれ」
がたがた震える女7人。
「私たちは近くの村から…」「助けて」
「そういうのは良いから、”鑑定”ふむふむ。」
「か”鑑定”?」
「なんだ…りっぱな娼婦の皆さんで…勝手に御帰還ください。さぁ、お宝と首をもって退散だ!」
「お任せください、ミッツ様…デヴィィィールゥゥア~~イ!”かっ”ミッツ様に喜んでいただけるよう仕上げてみました。」
両目からサーチライトのように光が…悪魔の能力か!
「おおぉ!やるな!マリウス!流石だ!」
テンションMAXだぜ!!
「…おっさんのツボだな。」
悪いか!
「ふむふむ。宝物庫のほかに、奥の…箪笥の裏の壁面…ボスのベッドの下に反応アリ!さぁ、回収しませう!」
「「「応!」」」
突然、女が一人飛びかかって、来なかった…空中で幼女にキャッチされる。
「あら、お行儀が悪い。素直に帰ればよかったのに。」
「けふけふぅ」
ルカちゃんに首を掴まれた女…
「あら、ナイフ…おじ様に危害を加えるなど…頂くわね。」
「ひぐ!」
胸に手を突き入れ蒼い玉を引き出す…ぐったりする女…
「あなた達も、武器は出しておいてね。死んじゃうわよ?”ぱく”…あら、美味」
「あ、悪魔?」「ひぃ!」
「そうだけど…なにか?他の人に言っちゃだめよ。”約束”…」
{ひぃいぃ!}
貨幣多めの財宝をゲット。
「…ふん、お前…ホントにピンハネすんのな…しかもちょこっと…せこい…」
「な、何を!勇者殿!失敬な!」
「お前の本体…俺の”収納”の中だぞ…通過すればわかる。」
「あ!」
「マリウス…あなた…アホね。大悪魔なのに…がっかりだわ。」
「せこくピンハネせずともちゃんと分け前はやるって。」
「ぐぬぬ。」
「どっちでもいいぞ?ピンハネだけで良いならそれでも。」
「…如何ほど頂けるので?」
「頭割りだ。魂は半分ずつか?」
「なんと!頭割りと!解かりました。ピンハネは自重しましょう!」
「やめるっていわないんだな?」
「手癖でつい…」ぷくす。
「ナイス!マリウス。大悪魔なのに小物臭が最高だ!」
「ミツル殿ぉぉおお!」
「おっさんのツボ判らん。」
「ほら、ギリシャ神話なんかでもヌケた神様の話は多いだろう?実際こんなもんさ。なぁ?」
「み、ミツル殿ぉぉぉぉぉ…」
泣くなマリウス!おいらはお前が大好きだぞ!
「あなたのせいで最悪よ!斬られちゃいなさいな。今日の穢れた魂は全部貰うわよ。」
ルカちゃん…どさくさに紛れて…
「雹、ハセル。どうだった?怪我はないか?」
「寝込みを襲ったんで…こっちが盗賊になった感じ?」
「うん。」
「あらら。修練にはならなかったか?」
「そんなことないぞ。無抵抗の者の命を刈り取るんだ…」
「…そうだな…よく頑張った!」
二人を強く抱きしめる。おいらに出来る事など知てるもんな。ん?太くなったな骨。マジで食った分、骨身になってるな。将来が楽しみだ。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。




