表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

145/2127

救出作戦こんぷいーとぉ!だよね?帰るまでが作戦?遠足か!

いらっしゃいませ~

 さて、治療でもするかぁ。集団に近づくとグループが3つに分かれている。

 …1つ目は奇跡的に再会できた親子。2つ目はそれを羨ましそうに見てる子供たち。3つ目は同様に羨望の眼差しを向ける大人たち…ここに居ないということは…ほぼ絶望だな…

 さて。先ずは2つ目の集団に行くか。子供優先ね。

 「どうしたぁ。ほら。ここにいるのが兄弟だ。おじさんもいるし。町に行けばもっといるぞー。美味しいものを作ってくれる兄ちゃんもいるぞぉ!」

  「ほんとぉ?」

  「お姉ちゃんも?」

  「うん。みんな兄弟!」

 「ああ。みんなで暮らそうな。」

  「うん」

 「ほら、もうすぐご飯だ!トワ兄がまたなんか獲ってきてくれるよ。」

  「おっちゃんありがと!みんな…解ってるんだけどさぁ」

 「あ、ああ。辛いよなぁ。大丈夫だ!おじさんが面倒見ちゃる!食うのには困らせんぞ!」

  「ほんと!」

  「わーい!」

  「…ありがとう…おっちゃん」

 えぐえぐ…もう!いい子なんだからぁ!おっちゃん干からびて死んじまうぞ!


 気を取り直して…1つ目の集団に言いたくはないけど…

 「皆さん…奇跡的な出会いおめでとう。嬉しいのは解るが…あれだけの孤児がいるんだ…もう少し控えてほしい。異論があるなら、どうぞ出て行ってくれて構わん。幸せな家族に援助するほど物資もない。きつい事言うが、孤児を優先する…」

  「す、すみません…そうですね…貴方の言う通りです…嬉しさのあまり…」

  「はい…申し訳ありません…」

  「す…すいません…」

 「解ります。本当に。私も祝福したい。だが…あれだけの孤児がいるとね…」

  「ええ、ええ。配慮が全く足りませんでした…ずうっとあの…羨ましがる目で見られていたのですね…」

 小さな猫耳っ子がじっとこっちを見ていた…近づいて抱き上げる。

 「ほら、高い!高い!美味しいジュースがあるんだ。みんなで飲もう!」

  「うん!」

 孤児っ子の中に混じってジュースと、焼き菓子を出して食す。今度は向うの子が…ん?

  「いっしょにたべよう。」

 ちっこい猫耳っ子が呼びに行った。おう…

  「うん」

  「いいの?」

  「いいよね。おじちゃん?」

 「あ、ああ~もちろんだよ!みんなでたべよう!ほら、大人も。みんなでたべよう!」

 1、3番目の…大人の集団も交えておやつタイムにする。良い子やぁ…おじさん涙腺決壊中だよ…大人たちも理解したようだ。皆、通常に戻りつつある。子を失った者たちは進んで孤児たちの世話を買って出てくれた。

 ってか、治療、治療。さっさと終わらせんとな。黙々と治療を続ける…ふぅ。休憩。

 

 雹が大きな鹿をしとめてきた。トワ君は…なんじゃそりゃ?”ずるずる”と長さ10m近くある茶色と黒の斑の…

 「トワ君…それ食えるのか?」

 そこには大きなウツボ?なんで陸地に…ウツボ?

 「変わってるだろ!すげぇだろ!陸ウツボ?だぞ!かっかっかぁ!」

 悪いけど…

 「…まずそう…」

  「いや、旦那!こいつはめちゃくちゃ美味いんだぜ!おっかねぇーから手出せねーが…流石…トワ様!」

 デカい猪を担いだ虎獣人。

 「お!もう狩行けるのか?」

  「旦那のおかげでさぁ…二度と狩なんて…うぐ…うぐ…」

 そりゃ、泣くほど嬉しいわな…足は生えるもんじゃぁない。

 「良かったじゃん!頼りにしてるぜ!…名前なんだっけ?」

  「あ、ああ、すまねぇ。おれは、アルスってんだ。冒険者しながら、狩人…獣を主に獲っていた。よろしくなぁ旦那!」

 …今日もワイルドに塩焼きだ!うち、今まで子供の獣人しかいなかったが…雹でアレだろう…大人の虎人族のアルスさんなんか…猪の大腿骨食い砕くんだぞ…。優しいオヤジで、背骨割って孤児たちに骨髄食わせてたよ。アバラなんか骨ごとだぜ!音もとってもワイルドだ!トワ君も唖然としてたよ。

 ウツボ?ああ、めちゃ美味かったよ。一口食って思い出したんだ。小さいころ良く神奈川の叔父のところで食べてたよ。干物や、かば焼きにして。地上進化?のせいか、皮がめちゃくちゃ硬くゴムのようだったが、獣人達には丁度いい?ようだ。…まぁ、喜んでるから良しだな。

 

 「明日は、マーレンさんに任せているキャンプ地に合流するつもりだ。体調次第で安全地帯に向かいたい。朝早く立つのでゆっくり休んでほしい。くどいようだが、国や村が捨てられない者、俺たちを信用できない者、ここに留まる者は出発までに決めておいてくれ。以上だ。ちなみにノリナに安全地帯はある。そこに入ると当面は村から出られないが、援助はする。」

  「旦那いいかい?」

 「ああ。」

  「残る場合のペナルティってあるのか?」

 「ん?特には無いぞ?勝手にやってくれればいいさ。もちろん援助は無しだ。そちらは?」

  「村から出られないと言っていたが…」

 「ああ。考えてほしい。人族の国の中に、獣人の多い村が”平和”にあるんだぞ?しかもそこには魔物も居ない。秘密が多い場所なんだ。人族が知ったら?」

  「奪おうとします…人族のみならず獣人だってほしい。」

  「ああ。楽天地か…」

  「そうだな…搾取しようとするな…」

 「だろう?おいら達の許可もいる。安全は保障しよう。はい、君。」

  「俺たちは何をすれば…あんたに払う金も無い…」

 「そうだね…当面は村や畑造り?得意な分野の仕事?やりたいこと。特殊技能があれば、子供たちに教える教官にもなってほしい。おいらの村は午前中は基本の読み書き計算を教える。子供は全員参加。大人は希望者だ。午後は技能の習得に当ててる」

  「教育…教育が受けられるのか!」

  「技能の習得!」

 「ああ。子供たちの未来のためだ。未来の種に肥料を!ってことさ。こんなもんで良いかな?ん、どぞ。」

  「先の質問と被るのだが…生産活動…金の稼ぐ方法についてだ。出られないことには売れない…な。」

 「そこらへんも今後の課題なんだよ。当分は自給になるだろうから問題ないけどねぇ。まだ村としての体裁ができていないんだよ。法もまだ。皆で盛り上げてほしい…って感じ?あ、もちろん、他に生きる術、伝手、親戚など頼る所があればそちらを優先してくれ。後…基本、犯罪者は入れない。他は?まぁ、出発まで決めてね。それじゃ早く休んで明日に備えよう。」

 その夜からアルス氏と数人の獣人がおいら達の護衛に名乗り出た。ゲージはもちろん、好意マックスだ。

 

 …昨日はザックさんには悪いが言いたいこと言わせてもらった。スッキリ!だな。さーて、本題だ。ちゃっちゃと移動して、依頼を…お魚天国じゃ!

 「はーい、皆さん。おはようございまーす!」

 ぜぇぜぇ。久しぶりの大声だ…猪の時の悲鳴以来か?

  「父さん。大声出さなくてもみんな獣人だから聞こえるよ?耳良いし。」

 「なに?ほんと?」

  「ああ、旦那大丈夫だ」

 後ろの方の人も頷いている。

 「では。改めまして、おはよう。」

  {おはようございます。}

 「早速ですが、此処に残る人はいますか?」

  「はい。私達は残ります。皆も、もう一度考えろ!相手は人族だぞ!奴隷にされるか、売り払われるかだ!」

 ああ、どこぞの金持ちだった人か…あの子の親だな。可哀そうに…

 「誹謗中傷はやめてください。そんなことのために、大国にケンカ売るバカは居ないでしょうに…失礼ですが、あなた達に渡した食料や、足の治療のほうが遥かに高価ですよ?例え、皆さん全員を売っても、一人分の再生費用にもなりませんよ?」

  「そうだ!旦那の言う通りだ。」

  「金貨何百、何千て聞くぞ!」

  「無くなった足をくれたんだ…俺は奴隷でも構わん。尽くすぞ。俺は。」

  「ああ。」

  「…し、しかし、お前達!人族だぞ!私が新しく村を…」

  「貴様等も足を治してもらった口だろ…なぜ、治してもらう前に言わない?人族の世話にはならんと!昨日だって何も言ってなかったではないか!卑怯者め!」

  「そうだ!治療費払ってから言え!」

  「村長になりたいだけか!」

 「まぁまぁ、あなたの家族は残ればいいでしょう。この国に。皆の和を乱すものは要らない。決定ね…そちらの家臣?さんも自分の意志で決めてな。子供のために。さて、ほかには?」

  「おい!私の家臣に余計なことを吹き込むな!」

 「先に余計なことを言ったのはあんただろうに…これ以上喋ると…斬るぞ。消えろ!」

  「くっ…行くぞ。…おい?どうした!」

  「給金は頂けるので?」

  「…今は無い」

  「なら私たちは残ります。」

  「…恩知らずが…勝手にしろ、いくぞ。」

 「坊主だけでもいいいぞ?」

 ちらりとこちらを見て親の後についていってしまった。

 「子供だけでも救いたいが…仕方ないな。家族を取ったんだ…」

 「ああ。」…

 

 「昨日、生えた…治った方、調子はいかがですか?」

  「自分の足なんですが…感覚が…」

  「笑っちゃいますね…生やしてくれてありがとう。半分くらいの力なら…」

 「よし。」

  「旦那…お願いがあるんだ…」

 「え~と…アルスさん、どうしたの?らしくない。」

 何時もワイルドなのに?妙にしおらしい…便秘か?

  「無理を承知で…旦那の早駆けの力を借りて…もう一回、パキュラに連れて行ってはくれないかい?」

 「何も無いよ”屑”以外。」

  「門の近く、街道でいい。最後に、最後に確認…運よく到着してるやつが…」

 「解ったよ…みんなの意見は?」

  {お願いいたします。}{同胞を}

 「解りました。ルカちゃん。ルカ?…あれ?いない?」

  「ここは俺がいるよ。」

 「じゃぁ、雹頼む。」

  「大丈夫。カイアさんや、トニさんもいるから。」

 「?」

 「元冒険者なんだって。昨日から稽古見てもらってるんだ。」

 精悍な若者が列から出てくる。長い漆黒の頭髪、鋭い黄金色の眼光…跪き、

  「足を治していただき感謝します。私はカイア。黒豹人族の戦士だ。この力、ミッツ殿の自由に使ってくれ。」

 その後ろに、ああ。いたな。第二テントに。最初にどうすっかなぁ~って悩んだ獣人だ。デカいんだこれが…誰も担げんて。白髪じゃなくハクハツか。筋肉の塊が跪く

  「俺はトニ。白熊人族だ。貴殿は俺に足をくれた。感謝する。」

 「息子がお世話になったようで。トニさん、足は大丈夫か?まだ細いようだが…」

  「心配無用。そのうち。食ってればもどる。」

 「そ、そうか…武器渡しておく?」

  「まだ我々は信用を得ていないでしょう。人族位、素手で大丈夫ですよ。あ、失礼。」

 「それはいいけど。何使うの?」

  「私は双剣。」

 納得…

  「俺は斧」

 もっと納得…

 「う~ん、とりあえずコレをカイアさん、で、おっと、こいつをトニさん。鹵獲品だけど一応ね」

  「いいので?」

 魔眼で見ても友好度…もはや忠誠心だな…

 「構わないよ。裏切られたら見る目がなかったってことで。ただ、同胞には向けるなよ?」

  「期待に応えますよ。それに、呼び捨てで結構ですよ。」

  「うむ」

 「雹たのむな。じゃぁ、ちょっくら行ってくるわ。充填!」

 さて。幸運の持ち主はいるのか!

本日もご来店ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ