表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

120/2127

今度は、森の中ぁ~獣人さん達にであったぁ~

いらっしゃいませ~

 ”ゆさゆさ”

 「おじさま…起きて。」…

 誰じゃぁ~ワシの安眠を妨げる奴わぁ~祟るぞぉ~なんてね。

 結構日が高いな。寝たわぁ。

 「ふあぁ~良く寝たわ。復活!で、何事?」

 まだついてないようだけど…臭いヤツの襲撃か?

 「盗賊さん?がいるのよねぇ…」あら。

 「さん?殲滅しないの?」

 「それがねぇ…」

 そこにはずらりと土下座する獣人たちが居た…

 

 「盗賊が殲滅・討伐対象だってわかってますよね…」

 土下座する、いかにも純朴そうな…農民だろうか…獣人達に問う。

  「はい。しかし…もう…何も無いのです…本当に何も…」

  「どこの村にも、街にも入れず…ここら辺の木の実も取りつくしました…」

  「家財も盗賊に壊されて…何とか撃退はしたのですが…子供もいるので…」

 追い詰められてるなぁ…

 「どうしてこのような事態に?」

  「私たちは、ディフェンの者で…ノリナの国境近くの村で農業…小作人でした…ただでさえ場所が無いのに…ディフェンで子供狩りが始まりました…」

  「抵抗した…多くの者が…」

  「なんとか国境を…越えたのですが…こちらでも我々の扱いは変わらず…」

  「教会が手を貸してくれると聞いたのですが…」

 「こ、子供狩り?」

 物騒ワード!

  「ええ…獣人の子供を軍が連れて行くのです…隣町に来たと聞きましたので…」

  「そのタイミングで脱走しました…」

  「もう…後が…で、お願いして…少しでも…食料を分けて頂けないか…と。」

  「他の村の者も合流して…人数が増え…とうとう賄えなく…今日…」

 「今日が盗賊始めってわけだ。」

  「はい…」

 「そんなガリガリで…農民が冒険者とかの護衛に勝てると思ってるの?」

 と、呆れ顔のセツナっち。

 「お願い…って。いきなり斬られちゃうかも知んないぞ?」

 と、心配顔のトワ君。優しいからなぁ君は。

  「い、いえ…我々は…口減らしです…特に能力もありません…」

  「食料を貰えれば上々。死んでも、他の者に私たちの分の食料が回ります…」

  「逃げて…あがいてきたのですが…我々には厳しいようです。」

  「この世界…もはや未練はありません…この命と引き換えに…食料を…」

 ここまで追い込まれているのか…難民問題かぁ。

 「はぁ。仕方ない…皆はどこに。案内して。」

 「おっさん?」

  「!、皆の命は…金も…何もありません!」

 「食料を分けてあげるよ…こう見えて、マジックバッグにはいってるんだ。」

  「あ…ありがとうございます…」

  「ありがとうございます。」

 「さぁ…どうしようか…な。今後…」

 「…受け入れよう。おっさん。」

 「が、…依頼の途中だよ?」

 ま、それしかないわなぁ。物資だって尽きる。そうすればまた同じことを…この国は獣人には厳しい。

 「日程的にも余裕はあるよ。食糧を出して、ゴルディアにダッシュ!一回戻ろう…」

 「ふむ…しかし…どうやって街に…」

 これが問題だ。南門からでも無理だろう…

 「一足早くおっさんに帰ってもらって…転移門の設置…ってのは?」

  「父さん俺も…お願いします。」

 「取りあえず獣人たちの話を聞いてからね。セツナっち達はどうする?ここにいる?すぐ戻るよ?」

 「う~ん。お爺ちゃんどうする?」

 「ふむ。ワシ等は、此処で待機でいいかの。丁度休憩ほしかったんじゃ。」

 さすが老師。流れを見てくれる。年の甲だな。

 「じゃ、トワここ良い?軽くなら飲んでても良いわよ?」

 「…わかった。おっさんを頼むよ。爺ちゃん飲るか!」

  「「「「おう!」」」」

 …ヤルが、飲るに聞こえるのだが…

 「ほどほどに。」

 

 …森の中を進む。この辺りはまだごく浅いところなのだろうか?

 「魔物はいないの?」

  「この辺りでは見ていません…少し先には盗賊のアジトがあります…」

  「この先です…」

 …そこにはモンゴルのパオみたいな大きなテント2つ…

  「長…」

 「おお、帰ったか…首尾は?」

  「それが…」

  「援助を申し出る方が…」

 「何?」

 中からのそりと熊人族の男が現れた…

 「その人族がか?なぜ、殺して奪わないのだ?」

  「…助けていただき、援助の申し入れを頂いたのです。」

  「人殺しなんて…」

 「あんたが長?農家には見えないが?そのガタイ。」

 「俺は元冒険者だ。パーティで此処を守ってやってる。」

 「へ?貴方達が食料調達をすればいいのでは?さぞお強いのでしょうに。」

 「ふん。俺たちは守るためにいるのだ。」

 「何だ…腕力を傘に着た屑か…」

 「な、なに!」

 「俺たちは一応襲われたんだ。盗賊のカシラとして斬っても良いんだぞ!」

 「お前のようなジジイに?ふはは。相手してやるよ。」

 「抜く?いいよ」

 「ジジイ!覚悟 ”ごきぎぎぃ” ご?ごぐうううぃいてえ!」

 腰の剣を抜いた熊男。その右手を素早くつかむセツナっち。どうネジったらああなるのか…手首、肘が完全に破壊され、古びた雑巾のようにネジくれている。

 「はい。抜いた。右手は貰うわねぇ。」

 「ぐぅぎぎぎいぃぃ」

 そのまま地面に突き刺すように、叩きつける。

 「さぁ、この村の住人は何人います?」

  「さ、35人です。この方のパーティ5人合わせて40人です。」

 「ぎぃ、ぎ、貴様!」

  「なにごとだぁ!」

 「うるさいわねぇ?殺すわよ?」

  「近寄ったらこの女殺すぞ!」

 パオから屑が半裸の女性を盾に出てきて吠えている…バカが…知らん女に怯むか。アホ!

  「あ、あなた…」

  「な!何で…長!襲撃に参加すれば家族は…こ、子供は!」

 「ふ、ふん!どうせ死ぬんだ、お前にはいらんだろうが!」

 半裸の女性は娼婦ではなく?決死隊の妻…屑確定だなこりゃ。

 「屑共…」

 「おじさま。いいわね?」

 「ああ~いす、ランス!」

 返事と魔法の複合スペル?だ!人質をとってた男の足元から氷の槍が…股間から貫く!”ぐちゅぐ”

  「くえ?ひぃひいィい…ぃ?いいいぃぃぃ…」

 はい。かっちこちの氷像のできあがり!

  「おおぎききぃ」

 ”ごきりぎきき”

 顔があらぬ方に向いている男…

 雹君…それ、マイブーム?やめようよ…父ちゃんドン引きだよ…

 「くそがぁ!」

 テントから猫系の獣人が踊りでてきた!瞬間に! 「ふん!」 

 ”ざおう”

 真っ二つ?ハセルちゃん。お主もか…にしてもすごい膂力だな…ちっこいのに…普通の剣だぞ。流石、獅子族!

 「これが最後ね…」

 女の首根っこを掴んでセツナっちが現われた…

 「このパオこいつ等だけで使ってたようね。金貨もあったわよ。後、女の人も…屑ね」

  「あ、あんた!クソぉ!放せガキが!殺…”ぐぎゅむ”…すぅ…」

 「うるさいわねぇ ”ごきぃい” 「てひ?」 …はい。静かになった。」

 プラプラさせないの!おもちゃじゃないんだから!

 「あ、あ、何で殺した…」

 地面に這いつくばっていた熊男。

 「お前たちが先に仕掛けてきたんだろうが…。賊は処刑だ。」

 「くそ!じじ ”ぴしゅ” …」

 ”どさっつ”

 「がふ、がふがはぁ、が…」

 雹のナイフで真一文字に喉を掻き切られた自称、長の熊男。

 「うるさい。それ以上父さんに馴れ馴れしく語るな!」

 雹君…おいらはどんな顔をしたらよいん?

 

 「さぁて、皆さん、ごろつきは死にましたが…これからどうします?」

  「あ…あ、なんてことを…」

  「貴様!」

  「違うぞ…盗賊になって、襲った時点で、我々は命を掛けたんだ。」

  「そ、そうだ!お前たちだって盗賊の末路くらい知ってんだろ!」

  「し、しかし!」

 「ええ~と、別に全員でなくていいんで。そちらの不満のある方は席を外していただいて結構。こちらの話ですので。」

 「これ以上グタグタ言ってないで今後の身の振り方でも考えれば?死にたいの?」

 不満を言っていた人物たちが席を立つ。

 「その子はあなたの子じゃないでしょ?孤児はおいてって。」

 「私が面倒を見るのよ!文句ないでしょ 「あるわよ。お金、食料があればいいわよ。道連れはやめて。」 …っ」

 「さて、残った人は…25人ですね。私の村?に受け入れる準備はあります。ただし、生活と引き換えに村から出られなくなります。奴隷とかではなくて…とても特異な場所のためです。皆様には農業を共同でやってもらおうと思います。」

  「奴隷にされても文句は無いが…せめて子供たちは…」

 「皆様を奴隷なんかにしませんよ?面倒だし。ただ、村があって、畑がある。それだけ。ああ、子供たちには将来のために学びの場を用意しています。手に職のチャンスですよ。」

  「…条件が良すぎて…かえって不安になるのですが…」

  「んだ。」

 「まぁ、そうでしょうね。自分でもそう思いますよ。でも、これ以上は。”うちの村で畑つくれ!”って言ったほうが良かった?」

  「先の、反対した者も、話せば…」

 「いえいえ、慈善でやっていないので。信じられない方、不平不満のある方は今からでも席を立ってもいいですよ。今の状況では孤児の子は大きな負担でしょう。孤児の子はうちで引き取りましょう。」

  「引き取る?人族だろ!」

 「このまま飢えて死ぬよりいいでしょうに?それとも、人族の情けより、飢え死に?あなた達ならいいですが、判断の利かない子供たち。それが獣人族の矜持です?」

  「…」

  「まさか、売るのか?」

 「そんなことしませんよ。私はすでに10人以上の獣人の子を養子として得ています。この子たちもそう。それに孤児院もある。」

  「解かった…孤児たちは託したい。お願いいたします。」

  「お、おらはいくぞ!」

  「此処にいても、いっぱい、いっぱいだ…」

  「あ、ああ。元々小作だぁ!畑作りだって苦じゃねぇ。こき使われても…な!」

 こき使わんて…たぶん?

 「行くもの。残るもの。よく話し合ってください。こちらも忙しいので、いったん離れますが、夕方には戻ります。食糧はおいていきます。彼方の方と分けてください。」

  「俺、残ろうか?」

 「雹…任せたいけど…大丈夫か?」

  「俺ものこるよ。」

 「…ハセル?」

 「心配なのは解るけど…任せるのも彼らのためよ。おじさま。」

 「…わかった。危なくなったら、盾になろうとせずに逃げる事。いいね。これができないなら無しだ。」

  「「わかった」」

 適当に食料をだす。粉物も。

 「セツナっち。急ぐよ。」

 「大丈夫よ。心配性なんだから…もう。」

 「まだ子供だ!」

 「はいはい。」

 すぐ戻るから…無理すんなよ。

本日もご来店ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ