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ファーストコンタクト IN 魔の森

いらっしゃいませぇ!

 いま、おいら達は”魔の森”その、外縁部といわれる極浅いエリアにいる。

 昨日は”自由に生きていく”ために、王城を吹き飛ばし、その折に盟友となったリッチさんを天に送った。大イベント目白押しの日だった。

 今も逃亡中。潜伏してるのだけどね。


 これから冒険者として生きて行こうと言う者なら、浅場くらい何とでもなるだろう?

 …ふっ。そう余裕ぶっこいてる時もありました!冒険者志望ならぬ、もう、すでに冒険者死亡しそうです!余裕あるなって?無い無い!ヘルプぅ!

 

 只今、絶賛逃亡中!後方にはくすんだ青緑の肌の小人が追いすがる。

 身長120cmくらい?世にいう”ゴブリン”って奴だ。手には木の枝?槍の代わりか?

 ほぼ全裸。おまたのゴブリンJrもブラブラさせてって、丸見えやん、追いかけてくる。…意外とでかいな…良いモノをお持ちだ。どら!


 鑑定

 ・ゴブリン(普通種) 緑色の皮膚を持つ小鬼。鬼の一種。多種族に敵対している。とにかく数が多い。ナイトや、キングなど指導的個体もおり、国を形成するときもある。

 …まぁ雑魚だな!余裕っしょ!がんば!油断して死ぬなよ?


危険度★★☆☆☆


 余裕じゃないし…十分怖いし…Myゴッド!

 

 「いやぁっ!」

 気合い一発!トワ君、振り向きざまの一閃!

 ”ばっしゅぅ!”

 ゴブリンさん…木の枝で受けられる訳ないだろが…枝ごと鼻のあたりで上下に分離する!

 頭蓋断ち切るってトワ君…おえぇ。覚悟決まってないのおいらのほうでした。すんません。生意気言いました!

 「ちぃ、追いつかれたか。あと、5匹か。おっさん行けるか?」

 「お、おう!」

 天にか!昇天か!くそ~正念場多すぎない?おっさんにはきついよ。

 なに?雑魚?余裕だって?代われや!直ぐに代われや!

 

 …唐突に、ここで装備説明。トワ君はどこぞでパクった革製の胸当てと小手を装着。これまた、宝物庫でパクった魔剣(白)を装備。パクリ。まんま盗賊や!

 で、おいらも物資倉庫からこれまたパクった柄も鉄の槍、そして厚手の皮のミトンみたいな小手、あとは革製の胸当てトワ君とおそろ…全身パクりスタイルです。

 

 だれだ!ゴブリン雑魚いったのは。さっぱり当たらん!

 「おっさん!突け!突けぇ!」

 と、ゴブリンの右手を切り飛ばしながら叫ぶトワ君。強いなメンタル。腰だめに構え、あ、足がプルってる…くそ!

 「ぅうおお!おおうりゃ!!」

 ”ズン”

 ゴブリン胸部に穂先がめり込む!うぐぅ…手に伝わる不快感。ぐり、ぐにゅ、カツッ、ぶず。…肉をえぐり、骨にでもあたったか?ん!抜けない?あれ?

 「おっさん!捨てろ!新しいの収納から!!」

 と、またもトワ君。

 今度は首が飛んでる…うぁ。そうだ、収納に10本入ってるんだ!

 今持ってるのを手放し、収納から取り出す。武器がないと思い飛びかかってきたゴブリンの下腹部に

 ”ドッスン”

 こんどはやわらかい、弾力のある、かき分けるような手ごたえ…うっえぇえ。引き抜き再度、胸部を狙いとどめの一撃!

 人の型のものは気持ち的に来るわぁ…血が青っぽいのでまだいい…。

 もちろん、ただ突っ立ってるだけじゃ、こっちが惨たらしく殺される。解っちゃいるけど…ね…。でトワ君のほうも終わったようだ…。

 

 「おつかれ…。」

 「乙狩り~」

 ふぅ。まだ、ファーストコンタクト。ハードやぁ。これからこれが日常になるのだろう…。生きていくために…。…食えるのか?これ…


 

 うぉ~~~~~~~~~!また絶賛追われてるおっさんです。今度はテンプレのドでかい猪?ありゃ魔物か?鼻息荒く突っ込んでくる!

 うぉ~~~怖えええ~~~軽トラに追いかけられてる気分だ!それにみよ!あの牙を!おいらごときじゃ、貫通する~~~!身体強化無けりゃすでに死んでるわ~!


 鑑定

 ・レッド・ボア 巨大魔物猪。食用可。牙、骨、毛皮、革は加工品になる。

 追いかける…猪は、急には止まれない。プクスクス。

危険度★★☆☆☆



 交通標語かい!…楽しんでんな…神様?

 「おっさんこっち!」

 目印の前で身をひるがえす!”どっごぉおお!”大きな音とももに地面が崩落。所謂、落とし穴ってやつだ。”ブプギャー!”猪!絶叫!

 「よっしゃ!グッジョブ!おっさん!とどめだぁ!」

 「ぜぇぜぇ…お、おう!」

 魔力を腕、槍に纏わせ一息に刺す!猪も必死で暴れるので槍を取られてしまう…。トワ君も魔法やら投石で奮闘中。槍を替えつつ、奮闘!4本目でようやっとおとなしくなった…。

 

 「ふうぅ~勝った…。やったな!おっさん!」

 「うむ。圧倒的じゃないか、我が軍は…」

 …こういう時の台詞であろう!

 「ガ〇ダ〇?」

 「そうそう。おいら、ファースト世代だしね~。」

 「ガ〇プラ良く作ったなぁ」

 「マジ?、最近のって細かくてすごいよね。昔なんか、中身スカスカ。最中なんていわれてるんだよ。」

 「ふ~ん。さぁ、引き揚げて血抜きすっか。」

 「…トワ君、意外に逞しいのね…」

 血ぃぴゅ~ぴゅ~

 「さすがに、保存食?とパンばっかじゃね~。成長期だ!肉が食いたいんじゃぁ~肉、肉、肉♪」

 おおぅ…可愛いお子ちゃまのために頑張るか…”収納”にしまって、川にレッツゴー!

 そうそう、こっちの”収納”は生き物も入るようだ。というのは、植物や細菌、寄生虫なんかがはじかれない…がノミは弾かれる…。

 猪入れるときはノミやらダニは弾かれ、うぞぞぞぞぞぉ…えらい目にあった。寄生虫やらは出てこない感じだ。

 ゴブリンなんかも弱らせれば入る…出すときは死んでる…酸素が無いのか?時が止まるからか?よう判らん謎仕様だが…おいら達には大変都合が良い仕様なので良し!神様に感謝!としよう。


 …解体は散々だったよ…にわかじゃ駄目ね。ゲームみたいにPOW!ってアイテムがでれば…。

 皮もぼろぼろ。かろうじて背中のほうの肉と、もも肉、前足の肩肉を確保したよ。お腹の方は…ちょっとね…背中のロース?になるのか。

 

 豪快に木の枝にぶっさし、焚火の遠火で炙るように焼く。

 塩だけの野趣あふれる料理だったが、久しぶりにガッツリ肉を食えた。

 こっちにきてから胃腸も丈夫になったのか沢山食えたよ。向こうだったら胃もたれ、胸やけで悲惨な状況だったな。

 

 それから、食用になる植物・果実、薬の原料の生薬?薬草なんかを採集しつつ、猪時々、川魚を食しながら、野人のような生活をしている。

 風呂は無し。川で水浴び。ワイルドだろ~。


 …。


 魔の森に居を構えてそろそろ、ひと月が経つなぁ。

 深い森だが、慣れるといろんなものが見えてくる。思った以上に豊かな森だ。

 川魚はニジマスに酷似した魚で塩焼きにしても大変美味だった。おっさん的にはニジマスLOVEだね。燻製作りてぇ~。

 肉より魚!そうそう、おおきなザリガニみたいのも見かけたから次の機会にゲットしよう。

 小学生の時、良くとったなぁ。一週間くらい綺麗な水でエサをやらずに飼育してドロを吐かせないとだめなんよ。共食い防止に一番でかいハサミは取るのを忘れずに。

 最初知らずに、捕って直ぐに茹でたら、ゆで汁が真っ黒、異臭をはなってたなぁ。ドロ抜き終わったら茹でて、しっぽ剥いて、マヨが鉄板だった。結構美味しいのよザリガニ。なんか食いたくなってきた。獲りに行くか…。

 その気になればシジミみたいな貝類もありそうだ。

 

 ここでの食生活も安定してる。主食にパクってきたパンや、小麦粉で作ったすいとん。で主菜に肉か魚、で、果物つき。バランスがとてもいい。腹の調子もばっちりさ!

 ちょこちょこゴブリンとバトったり、でかいクマに追われたりとキャンプ生活を満喫しております。

 熊…マジで怖えぇ。

 

 「なぁ~ミツルのおっさんさぁ~」

 うん?今度はなんだ?うちの勇者様は?

 「なによ?トワ氏?どうしたね?」

 「そろそろ人里行かね?文明が恋しいぜぇ。」

 ん?何言ってんだ?

 「良いんじゃね。別に修行?キャンプ?は元々予定にないし?」

 「え!キャンプ…だよなぁ。…俺たち、何でここに居座ってたんだ?」

 「はて?楽しかったから言わなかったけど…なんでかね?」

 修行だと思ってたよ。

 「…まぁ、おっさんが良かったからいいか。じゃ、当初の予定通り西方目指して移動しようか。」

 「おうよ!♪ごー!ごー!うえすと♪」

 「?何の歌?」

 「昔の人形劇、ドリフターズがやってたんだぜ。知らんかぁ。」

 「ドリフターズ?」

 「それすら、知らんのかい。志村氏や、かとちゃんの」

 「おお~知ってる知ってる。」

 などとだべりながら、森を進んでいく。

 いよいよ町になるのか!ふふふ。おいらの伝説が始まるぜ!


お付き合いありがとうございます。遅ればせながら、評価ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。

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