第71話 おいおいコイツ復活したぜ・・・
天高く伸びた黒い柱が少しずつ細くなり、次第に消える。
舞う雪煙から人影が見える。
「ご主人様・・・?でも、これは・・・”二人”?」
そう、人影は一人なのに、まるでもう一人いるような
いや、そもそも”人”なのか、神格化したクレナなら分かる。
微かだけど、”神格”の力を肌に感じとる
舞う雪は止み、人影の正体は見慣れた人物・・・黒杉だ。
「ご・・・主人・・・様?」
「・・・待たせたな、クレナ」
聞き間違えるはずがない声、優しい顔をした自分の主人だ。
だがに現れたのは黒髪だった髪の毛は雪のように白く染まり、黒い黒衣に纏い、両腕には鎖が繋が伸びてた。
そして、彼の身体からは、淡い青の気が静かに揺らめいていた。
だが、その気は穏やかに見て、莫大な力を感じさせた。
クレナは息を整えて、そのまま大きく息を吸った。
そのまま、姿の変わった彼に近づいて微笑むようにそのまま・・・
「・・・ご主人様、お帰りなさいまっせいやっ!!!!」
「ゴッフォァア!?」
「ヨウイチ!?」
綺麗なカーブを描いて、脇腹を殴った。
アイリスからも見ても、食らった黒杉から見ても、芸術点が高めのパンチだった。
「いでで・・・な、なにすんだよ・・・」
「バカバカ!ご主人のばかぁ・・・ほんとに・・・う、うえぇ・・・」
「ヨウイチがクレナを泣かした」
「あー!!ごめんって!反省・・・いででで!?泣きながら脇を殴らないで!!アイリスも見てないで助けて!?」
泣きじゃくりながら殴るクレナ、それを痛がる俺、傍観するアイリス。
しばらくして、泣き止むようにアイリスは宥めるようにクレナの頭を撫でていた。
「うぅ・・・」
「それで・・・ヨウイチ・・・その姿は?」
「ああ、これはだなー、んー、なんていった方がいいのか、色々あって”魔神”と契約したんだよ。まあ、この状態を”魔王黒衣”って言うらしい」
魔神と聞いて、二人は”あぁ、なるほどね。だからか”って言わずとも取り乱さず冷静に聞いていた。
先ほどの戦闘で、豹変した黒杉、基フェンリルと名乗るやつが、すさまじい神性を出していたのも、魔神と分かれば納得する。
クレナが神格化して強くなっても所詮は神になりたて、魔神は何千年も生きているわけで、神性の位は天と地の差がある。
そう、相手が”人”の器でも、最初から勝てる相手ではなかったのだ。
そして、魔神ではなく”魔王”という姿
現世に戻ってくる前にフェンリル曰く、人の器だからというのもあり、力は完全には引き出せない。
神格が”大幅”に弱体化しているのだ。
それでも、そこらへんの小さい山ぐらいは吹き飛ばせるぐらいは力はあるらしい。
「でも、ご主人様、なぜ魔神と契約を?」
「そりゃあ、あのままなら、死んでたからに決まってる」
「「っえ」」
そういわれて、背筋が凍る二人。
そして、何があったか、全てを話す。
胡散臭いけど、助けてくれたキシモ、冥界らしき所でフェンリルと戦って勝ったこと、そして自分の命を繋ぎとめるために【魂魄共鳴】という契約をしたこと
「こっちでは、数分しかたってないけど、死んでた時は契約するまでに、3年は経ってたよ。長かったなぁ」
「なに、のんきなこといってるのよ!こっちは死にかけたのよ!バカバカ!!」
「だから、ごめんだって!」
そういって、ポカポカと再び叩くクレナ。
だが、その間に急ぐようにアイリスが間に入って、話を進める。
「・・・ヨウイチ、それより・・・」
「あぁ・・・わかってる」
そう言って、この山の山頂の方を見る。
とてつもない力が肌にヒシヒシと伝わってくる。
「まったく、やれやれよ、次から次と!なんでこんなに”神格”の力がこんなに蔓延ってるの!?ここは現世なのよ」
「そうだな、クレナ・・・早く後を追おう」
そうして、新たな力を手に入れ、黒杉たちは山頂へ向かう。
―――一方そのころ
「っく・・・・!」
「ビャクヤ!!!右!」
「・・・っふ!!!セイッ!!!」
そう言って、どころからともなく、右から氷槍が飛んでくる。
それを掴み、別方向から飛んでくる無数の氷槍を、一本、十本、百本と折っていく。
悠久と思われるぐらいの攻撃が止むことなく、続いていく
上を見上げれば、黒杉とは比較にならないほどの、スカラの分身が浮かんでいた・・・
「ぐ、ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
そして、山頂からはビャクヤの咆哮とその後ろにいる血まみれの”ニルヴァフ王子”がいた。
オマタセシマシタ・・・
ヨカッタラ、ヒョウカ、イイネ、コメント、マッテルヨ




