俺のソウル
この話で話の流れを作ります。
「我が王国に伝わる秘宝。【奴隷の首輪】じゃ。」
何をいってやがんだコイツは?
修一はそう思いながら首輪の隙間に指を通す。
「こんなものぶっこわ‥」ビリ
ビリリリリリリ!!!!
身体中に電撃が走る。
「ぎやぁぁぁぁ!!!」
それを見た姫はフフン。と不敵な笑みを、浮かべる。
「無駄じゃ。一度嵌められた首輪は嵌めた本人でしか外せぬ。それに‥」
姫が話しをしてる途中に修一が姫に襲いかかる。
「ぐおぉお!はずせぇ!‥」ビリ
ビリリリリリリ!!
「ぎやぁぁぁぁぁあ!!!!」
プスップスッと頭から煙を立ち上げる修一。
「主人に逆らってもダメ。と言うよりも反逆の意思を抱いた時点で電撃が流れる仕組みになっておる。後、私の意思でも電撃をいつでも与えることも可能じゃ。」
「あらぁ。来て早々、とんでもない事になったわね。」
レンちゃんは他人事である。
「ぐぬぬぬ!!ざけやがって!!なんでイキナリ俺にこんなもの付けやがった!?俺のハーレムがあんまりじゃないかぁ!」
涙目で本気悲しむ修一。
それを見たレンちゃんは「貴方すごいわね。」と一言。
この凄いわねと言う意味は色んな意味でのものである。
「姫様!こんな平民如きにそのアイテムを使われるなど」
「心配するでないジジ。それに此奴が使えん奴だとしても先の話を聞けばそれなりに強いそうではないか。」
「た、確かにウルフどもを瞬く間に打ちのめしていたのは‥事実ですが。」
たじろぐ従者。もとい、ジジは額の汗をハンカチで吹き飛る。
「さて本題にはいると‥て、キャァ!!」
姫が話しだそうとすると姫のスカートがたくし上げられる。
姫は慌ててスカートを抑え込み振り返ると、レンちゃんが立っていた。
「貴方。姫様と言っていたけど、相当なお嬢様ね。隙だらけ。何もシュウちゃんだけが戦える訳じゃないのよ?それに貴方今‥。 死んでたわよ。」
レンちゃんは普段ニコニコとした表情をしているが、この時の瞳はまるで人を殺した事があるかのような、冷たく凍りつくような瞳で姫を見つめた。
姫はその瞳の恐ろしさの余りか腰が抜け、尻餅をつくと慌ててジジが駆け寄った。
「姫様!」
レンちゃんはジジが姫を起こす様を確認すると、いきなりレンちゃんはニコッとした表情にクルリと戻る。
「ジョーダンよ。本気にしないで。ただ、外の世界は甘く無いわよ。肝に命じなさい。」
レンちゃんは人差し指を立てて姫に注意した。
姫は無言で何度も頷くのであった。
「さて。うちの可愛いシュウちゃんにこんな首輪を着けてどうするつもりだったのかしらぁん?あっ後、私の事はオネェ様と呼びなさいね。」
「はい!オネェ様!」
素直に従う姫とやら。
「姫!そのよ「黙りなさい!!」
ジジの発言を遮り恐ろしいまでの殺気を放つレンちゃん。
恐るべしオカマパワー。
修一はそう思ったのだった。
それから姫は事の経緯を説明し始めた。
「最近国が次々と落とされるという事件は知っているか?」
「ええ。」
レンちゃんは自分の経緯を説明すると、ややこしくなる為、話を合わせる様返事を返す。
「それがついに我が城【クリプトス城】にもその魔の手が近づいておる。」
「それって‥」
レンちゃんは、話を合わせるのが上手である。
「うむ。魔王軍との戦争を間近に控えているという事じゃ。」
魔王という発言にレンちゃんと修一は目を見開く。
それもそうだろう。つい先日までは日本という国で住んでいた2人からすれば中2病を思わす発言だからだ。
だが現時点での2人はその言葉を疑う事なく受け止めれる姿勢であった。
何故なら今いるこの世界こそ、中2病のファンタジーの世界で実際に肌で感じ、現実にあると知らされたからだ。
「ねぇ。だけどそれだけじゃシュウちゃんを捕まえた理由にはならないわ。それならそれで、他に強い人だって沢山いるでしょ?」
「うむ。確かに。じゃがお主‥。いや、オネェ様がさっき言っておったじゃろう?人以外の種族を虜にさせるという能力。そのウルフを見る限り事実なのであろう?」
レンちゃんと姫は修一の側で利口にお座りをしているウルフに目を向ける。
「私はそれに興味がある。そしてもう一つ、その力が欲しい理由は今回の魔王軍側の将は、【紅薔薇の女豹・メルディア】。魔族の女でサキュバスだ。」
「なにぃぃぃ!!!!!」
姫がサキュバスと言うなり真っ先に反応したのは修一だった。
「サキュバスって言ったらアレか!!?男とヤリまくって昇天させて殺すって言う夢のような生き物の事か!!?」
「お主、‥自分の発言をもっと自重をしたほうが良いぞ。」
姫もジジも修一の一言にかなり引き気味である。
「何故俺が自重せねばならぬ!!俺はこの世界で女の為に生きるときめたのだよ!俺は俺の欲望の為に生きる!はははははは!!!」
修一は天に向かい高笑いする。
「阿呆の高笑いとはこの事じゃの。」
「ごめんなさいね。性格は難ありだけど、多分根元は良い奴よ。」
尽かさずフォローを入れる優しいレンちゃん。
「それで、私達をどうするつもり?まさか戦場にでも駆り出すの?」
「うむ。場合によっては出てもらうかもしれん。その能力が我が国にとって救いになるやもしれんからな。」
姫は真っ直ぐな瞳でレンちゃんを見つめる。
「アニスちゃんって言ったかしら?それはつまり私達の命を貴方に預けろって事よ。場合によっては死ぬかもしれないのよ?」
「無論承知の上じゃ。私も覚悟を決めておる。」
再度レンちゃんは姫こと、アニスの瞳を真剣に見つめると、表情を緩めた。
「いいわ。手伝ってあげる。暇つぶしになりそうだしね。」
「おぉ!やってくれるか!」
アニスの表情は歓喜に変わる。
「それに、シュウちゃんはもうヤル気満々みたいだしね。」
レンちゃんが修一の方へと目を向けると修一は腰をシェイクさせ、異様な踊りを見せていた。
「かかかか!!何がサキュバスか!?何が魔王軍か!人っぽかったらモウマンタイなんだよぉ!!俺が昇天させてやるぜ!俺のソウルを流し込んでやるぅ!!!!キャァーはっはっ!!!」
修一のそれを見るなりアニスは肩を落とし悲壮な表情を作る。
「オネェ様。あやつは大丈夫なのか?」
「欲求の強い生き物は、以外な所で凄さを発揮する者なのよ。」
レンちゃんはそう言ってウィンクするのだった。
こうして2人は魔王軍と戦うという使命をこの世界で見つけるのだった。
「俺のソウルを流し込んでやるぅ!!」
さぁどうなる!?