第2話
一応連続です!
成田空港にて
爆睡しているニコラスを見て思わずクスクス笑ってしまっている少女ケティはニコラスの鼻をつまんでは離して遊んでいた。
「スースー ックッ スースー ックッ!ゲホゲホっっ!」
目を覚ましたニコラスは思わずケティをジト目で睨む。
「••••おまぇさぁ、人が気持ちよく寝てるのになんのつまりだよ?着いたなら着いたって言ってくれればいいのに。」
ケティは頰を膨らませながらニコラスを睨む。
「ぶー!だって何回も着いたよって言っても起きなかったんだもん!ヘンリーだってもう起きてるし!」
「はぁ、俺っちのことを引き合いに出さないでくれよ。ケティの6時間前には起きていたからさぁ••••」
「ふん!ほらケティ!お前だって俺とあんまり変わんないだろ!」
「そんなことないもーん!ニコくんの15分前には起きてたもん!」
「ケティ、俺っちが覚えてる限りニコラスの起きる15分前は乗務員が起きるよう呼びかけた時だよ。」
ニコラスもケティをジト目で見ながら文句を言う。
ケティは何も言えなくなり、ニコラスは嬉しそうな顔をする。3人は静かに飛行機から降りる準備をするのだった。
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第1日本能力研究学校にて。
活発そうなツーブロックの黒髪の青年が教室の扉を開けると同時にクラスに呼びかける。
「おーい!!聞いたかお前ら!今日はこの学校にアメリカからの交換留学生がくるらしいぜ!」
クラスのメンバーは二週間前から担任から告知されていたので既に知っていたがやはり留学生は気になるもので••••
「知ってるぜ!」「どんなやつなんだろうなぁ?」「イケメンがいいなぁ〜」「可愛い子カモン!」
色々な反応がある。「国広〜お前はどんなやつがいいんだ?」
あるクラスメイトが最初に呼びかけた男子、高松国広に問う。
「可愛くて巨乳で、金髪でザ アメリカンって人がいいぜ!」
女子からの冷たい視線と引き換えに男子は国広と騒ぎ出す。
「さっすがだべ国広!いや国広様!」「わかってるなぁ!!」
いつの日も高校生はこんなもんだ。
朝礼にて。ガラッっと音と共に担任 水木火花が教室に入ってくる。
「ほ〜〜い••••席ついてるな〜。今日は前々から言っていたアメリカからの転校生が来る。みな、日本の品位を落とさずしっかりとした態度で迎え入れろ。」
が••••••
「先生ーイケメンですか?」 「可愛くて巨乳?!」
「っっっ!貴様らぁ!今行ったばかりだろうが••••」
その時••••「センサー!いつまで待ってればいいんですかぁ?」
教室の扉の後ろから女性との声が聞こえる。
「うぉ!女だ!」「天使の気配を感じる•••」がその声も火花の鬼のような目線で封じ込まれる。
火花は長いため息を吐くと教室に3人の外国人を招き入れた。
「では、最初に自己紹介だ。ニコラスから頼む。」
ここで言っておくがニコラスの容姿はかなりのもので身長は185センチほどで顔立ちも10人中9人は発狂するほどかっこいい。いわゆるジャンク系の男だ。
「•••俺の名前はニコラス J クロウリーだ。アメリカから来た。気軽にニコラスって呼んでくれ。日本ではナットウを食べてみたい。よろしく頼む。」
今度は女子が叫び出すが担任の呼びかけで静かになり
「私の名前はケティ フランベル! ケティって呼んでね!得意なskillは射撃系だよ!よろしくね!」
花のような笑顔で男子は悶えるが担任の•••(繰り返し)
「俺っちの名前はヘンリー ブライトネス。まぁ、よろしく。」
三人の自己紹介終了後早速質問が入る•••国広だ。
実は国広はケティを見た瞬間全身に電気ショックを浴びたような感覚を襲ったのだ。
「ケティさんって付き合ってる人とかいますか!?」
クラスの男子は一番聞きたかったことを訪ねてくれた国広に黙祷をささげたくなった。
「うん•••いる•••よ。」と熱い目でニコラスを見つめる。
ニコラスは嫌な予感をまといながらもケティの方を向くがその瞬間ケティからのキスが向かって来た。反応できなかったニコラスはケティの唇が目の前にあるのに関わらず固まってしまった。
「チュッ」
「一番好きなのは••••ニコくんです。•••」
顔を赤くしながらニコラスを見つめるケティにクラスの男子まとい国広は絶望に襲われる。
「••••••ありがとうございました••••」
今の行動で女子と花火は完全に真っ赤になり、国広はご希望どうりザ アメリカンな行動を見れたのに沈黙するのであった。
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「では今日は留学生がいるため初歩のことをおさらいして授業とする。」
「まず、我々能力者が使用する能力をskillと呼ぶ。そしてskillを使うのに必要なエネルギーにあたるものをForceと呼ぶ。多いものほどskillの使用が長時間にわたり行える。」
「そしてskillには第五級skillや第四級skillなどの階級が存在する。第五級で有名なものは加速や守護や斬撃、連絡、探知などの基本的なものがほとんどだ。。四級では貫通、衝撃、砲撃、爆破のように攻撃性が高いものが多い。第三級になると飛行、身体強化、五感を強化する活性化、治療など身体に直接効果を及ぼすのが増えてくる。もっとも今あげたのは全てのskillの基本となるものだ。例えば連鎖爆破。これはアメリカの対能力者組織|peacewalker 《ピースウォーカー》の隊長であるPrideだけが今のところ使うことができるskillだがこれは衝撃と爆破を組み合わせて作ったと本人が言っている。」
ちなみにこの時Prideことニコラスはポーカーフェイスでドキドキしていたそうだ。
「つまり、これ以上の第二級、第一級の大体のskillは今あげたskillを組み合わせて作ったものだ。まぁ、中には自分でskillを作り出すような人もいるがな••••。そして次に話すのは戦闘資格だ。戦闘資格は高いものから順にmaster、advance、grater、lessorとある。まぁ、graterで一流。advanceで超一流といった感じだろう。masterは人外の領域だ。なんせたったの6人しかいないのだからな。気にしなくていい。」
ニコラスが率いるpeacewalker は全員がadvance以上の精鋭部隊である。ケティ、ヘンリはadvance、ニコラスはmasterである。
ケティは嬉しげにニコラスを見て嬉しがっている。自分のことのようだと••••
「そして••••この中にもいるtrumpと呼ばれる能力者がいる。trumpは世界で53人しかいないただ一つの先天的な能力を持っている人の事を言い、見つかった場合は即座に国に保護され、言い方は悪いが兵器として育てられる。そうだろ?島•••」
クラスのみんなは知っていたのか驚かないがニコラスたちにとっては驚愕の出来事だった。島と呼ばれた青年の名は島満。黒縁の丸メガネをかけ、中肉中背でインテリ感を醸し出している。
島は嬉しそうに喋り出す。
「そうですね。••••僕は五歳の頃から国からの英才教育を受けて育った選ばれしtrumpだ。まぁ、能力は言ってはいけないと国から口止めされているから言えないですがね•••。」
国からを強調し優越感のこもった目でニコラスを見つめる。
そしてケティの方に振り向き•••
「ケティさん•••これだけは覚えていてほしい。僕はいつでも待っていると•••」
クラスは突然の島の告白に驚いた。たしかに島はクラスでダントツでskillのの行使がうまく、すでにadvanceに差し掛かる実力と言われている。
この時のことをケティに聞くと寒気がしたとのちにかたっている。
花火は国広を無視して続ける。
「trumpは通常のskillとは違い先天的に眠っているものだとされている。つまり、そんじょそこらのskillより強力だということだ。たが、trumpが持っているただ一つのskillはかなりのForce使用するという。」
「名前を国から公開されてるtrumpもいる。ロシアのザキアスや中国のチーロン、日本の山内閣下などだ。trumpを保有する国で最多が中国の11人だ。まぁ、非公開の者も多くいるので実際はわからないがな。」
「今話したのはほんの基礎だ。私たちはこの学校を卒業すれば職を選ぶわけだが、多くのものは軍に行く。そこで我々はこのskillを学び、使えるようにしなければならない。というわけで次の時間は第1訓練場に集合だ。」
一通り話した後、花火は次の授業のためか教室から出て行ってしまった。
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第1訓練場では主にskillの訓練、実践練習が行われる。広さは東京ドーム二つ分といったところか。だか、このくらいの広さがなければ規模が大きいskillの訓練は難しい。
今、クラスのメンバーがすべて担任の花火の前に集結している。ニコラス達もわかったことだが、花火はかなり規律に厳しく、甘さがない人間だ。留学生だからといって気を抜いてはいけないと気を引き締めるニコラス達であった。
「•••よし。全員揃っているな!今から行うのはskillの把握だ。留学生はともかくお前達は6ヶ月前からしていないからな。」
アメリカでは常に3ヶ月ごとにやらされることなので、6ヶ月の期間が空いていたことにニコラスは苦笑していた。
「やることは簡単だ。諸君らは例外を除いて第五級skillまでしか使うことが出来ない。そんな状態で把握できるのはせいぜいどのくらい自分がskillを使いこなせているか、ぐらいだ。そこで今から君たちには第五級より上のskillを使えるもの使えないものにかかわらず第五級skillのみで戦闘を行ってもらう。もちろん、怪我はさせても殺しはするな。死んでいなければ私が治せる。つまり••••」
ゴクッ•••「「「「「「つまり•••••」」」」」
「全力でやれということだ!!わかったな!••••わかったならペアを作っれ。ご飯後までには体操していつでも戦闘ができるようにしておけ。」
途端にクラスの男子はケティに群がり始める。
「ケティさん!僕と組まない?この学校のことも説明するよ!」 「ケティさん、俺と組もうぜ!」
そんな中、島がケティに向かって歩いてくると男子も道を開けていく。
「ケティさん。僕と組まないかい?僕なら戦闘のこともなんでも君に教えてあげられる能力もskillもあるからさ。なんせ、僕は特別だからさ。」
すっかりニコラスのことを無視して話しかけているがニコラスも黙ってはいない。
「•••••おい•••島••くん。」
島はにこやかに微笑みながら答える。
「島でいいよニコラスくん。どうしたんだい?」
島は明らかに挑発しているが、喧嘩を買ってくれたら儲けもんぐらいにしか思っていなかったが•••
「お前••••自分が特別だと自惚れるなよ••••」
ニコラスは幼い頃から軍で育っているため、軍人のあり方のようなものが自分の中で出来上がっていた。自分がtrumpで特別なのは認めるが同じtrumpとして島のあり方は同類にされるのが嫌なくらいに思っていた。理想とは程遠い態度と傲慢さを兼ね備える島に対する苛立ちはすでに•••
「••••島•••俺と勝負しろ•••」
_______MAX_______
口角を上げ島も答える
「•••いいよ•••やってあげる。格の差を見せてあげるよ。」
こうして2人のtrumpの戦いがひそかにおころうとしていた。
感想バンバンお願いします!
次回は日本とアメリカの差が••••