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月と太陽  作者: 小田桐
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9.都築日向


 お昼はいつも妹の曜子と一緒にお姫さまに振られて戻ってくる光輝を待って3人で食べるのが習慣になっていた。

「日向くん、一緒にお弁当食べませんか?」

「先輩、よかったらつきあってください」

 僕が教室を出るといつも女の子が寄ってくる。正直悪い気分はしないけど、毎度毎度だと少しうんざりすることもある。

 学食に行くと夕月さんと奈々さんの2人がお弁当を持って歩いていた。

 奈々さんの方と目があった。彼女もこっちに気づいたらしく微笑んで会釈してくる。

 彼女たちの所に話しかけようと思ったけど僕の周りには女の子たちが居て行くことができない。その間に2人はいなくなっていた。


「今日もダメだった」

 がっかりしてる光輝。

「光輝、ストーカーみたい」

 そんな光輝にとどめを刺す妹。確かにやってることはストーカーみたいだね。

「失礼なこと言うな」

 こいつも僕と同じぐらい女の子にもてるのにそれを全部蹴ってエルフのお姫さまこと橘さんに果敢にもアタックしてる、もちろん全敗だ。

「別に橘さんだけじゃないよ。女の子は」

「うるさいな、おまえに慰められても嬉しくないよ」

 そりゃ、そうだろうな。

「そういえばさっき夕月さんと奈々さんを見かけたよ」

「へぇ、それで食事に誘わなかったのか?」

「うん、女の子達の相手をしてるうちに逃げられちゃった」

「おまえだって随分詰めが甘くなってるな」

 ホントにそうだと思った。僕たちは物事が上手く運ばないらしい。



 光輝は食事が終わると教室に戻った。いつも、授業が始まるまでお昼寝してるらしい。

 曜子も気づいたらどっかに行ってしまっていた。

 僕はやることもなかったので自販機で飲み物を買って教室に帰ることにする。

「炭酸飲料は体に悪いわよ」

 不思議な光景を見た気がした。誰にもなびかないはずのお姫さまが自分から男の人に話しかけてる。

「知ってるよ、そんなの」

 しかも話しかけてる相手はぱっとしない男。どう見ても光輝のほうがイケメンだ。

「今日は暇なの?」

 僕はなんか見てはいけないような物を見てる気がして足早に立ち去ろうとする。

「デートのお誘いかな?」

「そうよ」

 光輝、諦めろ。どうやらお姫さまにはぱっとしない王子さまがいるらしいぞ。


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