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月と太陽  作者: 小田桐
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7.月島奈々


 気がついたら外は真っ暗だった。

「奈々ちゃんは帰りどうするの?」

 隣に座ってる日向くんに聞かれてあたしは「歩いて帰ります」って答えている。

 ホントは暗い夜道を1人で歩くのは怖いんだけど。

「それなら俺の車で送っていってやるよ」

 光輝くんがすぐに言ってくれる。日向くんと光輝くんはさすがに御曹司だけあって帰りは車が迎えに来るらしい。

「いいですよ。反対方向だし悪いですから」

「気にすることはなって」

 そう言ってくれるけどやっぱりイヤかな。絶対に気を遣うし。

「大丈夫ですよ、歩いて帰るのはなれてますから」

 ここから歩いたら15分ぐらい、ちょっと憂鬱な気分になる。

「私が送っていきますよ。ちょうどコンビニに行く用事あるから」

 困ってるあたしに理央さんが言ってくれた。

「女の子の夜歩きは危ないからね、奈々さん遠慮はいらないよ」

 そう言って微笑んでくれる理央さんが天使に見えた。

「それなら、お願いします」



「ごめんね、疲れたでしょ?」

 運転席に座ってる理央さんが不意に言った。あたしはもちろん助手席に座っている。

「何にですか?」

「いやさ、夕月や日向くんたちってやっぱりずれてるでしょ?」

 理央さんの言ってる意味がわかった。

 あたしは他の人たちと違って大富豪でもないから所々で彼女たちの感覚がわからなくなってしまう。

 今だって、光輝くんの車で一緒に帰ったら絶対に気を遣って疲れてしまうし。

「そうですね、ちょっとだけですけど」

 理央さんはあたしと一緒。どうやら夕月達と違う感覚をもってるらしい、だからあたしに助け船を出してくれたらしい。

 それがとても嬉しかった。

「私もさ、最初に水鏡の家に行ったときは感覚が違って驚いたからね」

「そうなんだ」

「うん、うちって典型的な庶民の出だからさ」

 理央さんはそう言うけど、今日のメンバーの中では一番気品があったと思うよ。

「でも、女の子ってああいった人に憧れるって言うけど奈々ちゃんも日向くんや光輝くんに憧れたの?」

「ううん、あたしはああいった堅苦しいのは苦手」

「私と一緒だね」

 そう言ってあたし達は軽く笑った。

 理央さん気づいてる?あたしはあなたが好きなんですよ。


「もし良かったら、また遊びに来てね」

 理央さんはあたしを家の前におろしてくれた。

「うん、また行きますね」

 手を振ってあたしは家に入っていく。

 今日は色々と疲れたけど、理央さんと一緒に短いドライブが出来て楽しかった。


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