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月と太陽  作者: 小田桐
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5.水鏡夕月


 リオくんの気持ちがわかった気がする。

「夕月、どうしようか?」

 私たちはリオくんにお金を持たされて外でご飯を食べてきなさいと言われていた。明日は休みだから帰るのが遅くなってもかまわないとのこと。

「奈々、曜子ちゃん。なに食べたいかな?」

 つまりリオくんは、子供の世話をするのが疲れるから外で食べてこいと言ったのね。もちろん、子供とは曜子ちゃんのこと。

 3年前、リオくんと出会った頃って私もあんな感じだったのかな・・・・・・?

「あたしはなんでもいいよ。2人に任せるね」

 奈々は2人でご飯を食べに行くときは色々意見をだすのにこういうときはさすがに意見を言いにくいかな。

 といっても困るのよね。奈々とならお互いに食べ物の好みもわかるけど、曜子ちゃんとは今日初めて逢ったばかりだし。

「それなら、総菜とか買って家で食べるのはどうかな?」

 迷ってる私に助け船を出してくれるのは奈々。やっぱり、頼りになるわ。

「いいね、それぞれ好きなモノ選べるしね」

「うん、私もそれでいい」


「ねぇ、夕月。理央さんって女の子に興味ないってホント?」

 曜子ちゃんが涎を垂らして総菜を見てるときに奈々が聞いてきた。目を輝かしてはいないが、興味がある感じ。

「うん、ホントみたい。女の人は好きだけど、女の子には興味がないみたい」

 奈々の頭に「???」が浮かんでる。

「えーとね、女子高生が苦手らしいよ?」

「なんで?」

「リオくんにとって女子高生って子供なんだって、あの人にとって高校生の基準が私だからさ」

「つまり、夕月が理央さんに子供扱いされてるから女子高生は子供だと思ってるの?」

「そう言うこと」

「それってあたしまでお子様扱いされてるのかな?なんかイヤだなぁ」

「別にお子様扱いはしてないと思うよ、ただ恋愛対象として見られてないだけで」

 私は気づかなかったが曜子ちゃんも私の話をしっかりと聞いていた。どうやら彼女のプライドに火をつけたらしい。



「ただいま」

 勢いよくドアを開けるけど反応がない。後ろからぞろぞろみんな家に入ってくる。

 途中で日向くん、光輝くんと合流してみんなうちに来ることになっちゃった。リオくん、怒らないかな。

「あれ?家の人っていないの?挨拶しようと思ったのに」

「どんな顔か見に来たのに」

 2人とも本音はリオくんの顔を見に来たに違いない。曜子ちゃんが私たちのことを2人に話してしまったからだ。

「リオくん、いないの?」

 返事はなかったが、洗面所に人影が見えた。私はリオくんがそこにいると思ってドアを開ける。

 !!??

 確かにリオくんは居た。裸のまま、バスタオルを肩から掛け鏡越しに髪をとかしている。

 前を隠していないから思いっきり見てしまった。後ろからのぞき込んでいた奈々と曜子ちゃんもリオくんから目が離せなくなってる。

「おかえり、ドア閉めてくれないかい?」

 動揺してる女性陣たちにリオくんは冷静に優しく出て行けと言った。

 もちろん、言われたとおりにする。みんなでリオくんに裸をずっと見てるわけにいかないし。



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