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月と太陽  作者: 小田桐
11/20

11.月島奈々


「夕月、何作るの?」

 早起きした土曜日、あたしは夕月の家でお花見の料理を一緒に作ることになっていた。

「奈々は何食べたい?」

「夕月の料理って美味しいからなんでも食べたいかな」

 あたしの言葉に嬉しそうに夕月がとっても可愛らしい。あたしが男の子だったら絶対に夕月に恋をしてると思うわ。

「とりあえず、お肉を切ってね。揚げ物を作りましょう」

 あたしは言われたとおりにお肉を切った。普段はあまり料理をしないけど夕月の教え方が上手だからあたしまで料理が上手になった気分になる。

 料理上手の理央さんも実は夕月から料理を教わったと言っていたし、彼女はこういう才能があるのかもしれない。

「そういえば理央さんは?」

 気になって聞いてみる。今日は理央さんとは会っていない。

「リオくんなら寝てるよ」

 そう言って理央さんの部屋を指さした。

「昨日、遅くまで本を読んでたみたい」

「なら、静かにしたほうがいいかな?」

「大丈夫だよ、ちょっとした物音で起きない人だから」

 夕月ってあたしよりも理央さんのことを知ってるんだよね。羨ましい。


 少し甘く作ったポテトサラダは理央さんの好物らしい。

「美味しくできてよかった」

 夕月ができあがったポテトサラダを味見して安心したように言った。

 もしかして、夕月ってあたしのライバル?

「心配しなくても全部美味しくできてるよ」

 あたしも負けないぐらいに料理上手になりたいよぉ。



「おはよう」

 眠そうな目を擦って理央さんが起きてきた。

「おはようございます」

 あたしは元気に挨拶をする、好感をもってもらいたいから。

「良い臭いがするね」

「お花見の料理つくったんだよ。もちろん、お昼ご飯も用意してあるから」

 夕月は手際よく食事を盛りつけ始めた。

 お昼ご飯はお花見用にお弁当の残り物。

「美味しいね、お花見が楽しみになってきたよ」

 理央さんが美味しそうにご飯を食べてる。

 そんな表情をみるとあたしまで嬉しくなってしまう。

「私と奈々の自信作だから楽しみにしていて」

 夕月がにっこりと笑う。その笑顔は反則だ、可愛すぎる。

「そうだね、それなら荷物はいっかい車で運んでから車置いて来た方がいいかな?」

 つまりはお酒を飲みたいって事。

「そう言うと思って缶ビールも買ってあるよ」

 なんかこの2人、夫婦みたいに分かり合ってる気がするよ。

 でも、いつか夕月以上に理央さんのことを理解してみせるから。

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