第4話 ソーカのいる日常
今回は青春要素はない(と思われる)のでご安心を。
俺達はあの後、たいしたことも話さず「じゃあ明日学校で。」と別れた。
俺は家に帰ってから、あることに気づいた。
「上着貸したままだ!」
普段はいいのだが運悪く明日は完全に冬服で行かなければならず、上着を着てないと何かと面倒なのだ。というわけで帰る前に聞いておいた住所を頼りにソーカの家に行った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
え?
俺は呆然としていた。理由は...
「お隣さんじゃねえか!!」
そう、自分の家の隣にソーカの家があったのである。住所を見た時点で気づいていれば良かったのだが、「あ~、同じ町内か~」としか思っていなかった。
とりあえずソーカを呼ぶ。ソーカは着替えていて、部屋着になっていた。そんなソーカが不思議そうに聞いてきた。
「どしたの?」
「いや、上着貸しっぱなしだから取りに来た。」
「そいえばそうだったね。ほら、入って。」
という訳でソーカの家にお邪魔することになった。
ソーカは俺の上着を手に持ちながら聞いてくる。
「ヒカルの上着まだ乾いてないけど大丈夫?」
「大丈夫だよ」
と言って上着を受け取った。
「まさかお隣だったとはね~。」
俺はソーカに言ってみた。すると
「え?そうなの?」
ソーカも気づいてなかった様だ。
そんなソーカが思いついたように言ってきた。
「じゃあさ、一緒に学校いこうよ。」
「え?二人で?」
「だめなの?」
「いや、二人で登校はちょっと...」
やはりソーカには羞恥心と言うものはないのだろうか。とか思っていたらソーカが、
「でも私知り合いいないし。」と残念そうな顔をして言った。
そこでスマホを取り出し、俺の知り合いの神無月佑典に電話をかけた。
「もしもし、ちょっと相談があって...」
しばらくすると俺は電話を切り、ソーカに話しかけた。
「俺の知り合いと相談して、明日から四人で行くことにするから。」
俺がそういうとソーカ可愛い笑顔を見せた。(何もしなかったらおとなしそうに見えるのに...)
そんなことお思いながら、俺は家へ帰った。
次の日俺達は、俺とソーカと神無月、あと神無月の知り合いで新城香波の計四名で学校に行った。
このメンバーでいつも登校するようになり、ソーカのいる日常が俺達の平凡な日常と変わっていった。