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無能?を溺愛  作者: 桃花
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食堂の隅っこで食事をとっていると言い争うような声が聞こえて来て驚いていると隣で食事をとっていた婚約者の裕太さんが

「何でもないから食べなさい」と食事を続けるように促される。それほど有名でもなければ小さすぎる事もない会社を運営している中堅とされる一族の娘に生まれた。一族の子供たちは5才までに能力を判断されて一族なの能力に見合った家に養子に入ることが習慣とされているが、私は良くも悪くも一般人としての能力しかないので生家で生活している。

他家に嫁がせて縁を結ばせることも無理だろうという判断を下されているので、同じ一族である裕太さんが婚約者として決められた。

裕太さんは有能なので手放したくないという一族の思惑があるほどの人物である。そんな人がなぜ私を選んだのかは不明だが、私の面倒を見るのが好きらしく婚約者として指定してくれたのだ

「で?連休はどうするんだ?」と聞かれたので

「東北でお花見とか良いかなーと考えてます。ベストは函館なんですけどね」と希望をいうと少し考えている様子だ

一族が経営しているホテルとか貸別荘があるので、そこのどこかを借りて引きこもる予定である。連休はパーティーとか人脈作りで忙しい時期でありお呼ばれしたり招待したりするので、家にいても邪魔なだけだなので毎年どこかに引きこもっているのである

「函館か・・・」と呟いたあとに携帯を使ってどこかに連絡している様子。貸別荘を管理してくれている人には決定したら連絡を親から入れてもらう予定だし裕太さんもパーティーとかに顔だししないといけないから一人旅を満喫する予定だ。居場所を確定しておけば部屋に設置されている防犯カメラで勝手に日々の様子を見て親が安心しているシステムになっている

「今年は俺も付いていく」と食事も終えたしとクラスに移動するときに裕太さんが発言する。食後のお茶を堪能しているときにどこかに連絡を盛んにしていたと思ったが、パーティーを欠席する連絡と許可を得るために色々していたんだろうと予想されるが、どんなてを使ったかまでは凡人の私には理解できない

「え?大丈夫なの」と聞き返すと

「大丈夫だ。それと宿泊するところは雅に決まった」と説明してくれながら繋いだ手を絡めて来た。俗にいう恋人繋ぎにされてしまう

「雅って最近作って好評の所だよね。確か借景が素晴らしいとか言われて予約殺到している」そう言うと頷いている

「ああ。お前の昔話を京都で聞いた人が作った雅だ。収益が良いから違う場所でもという話が出て作り始めたとか言っていたな」とボソッと私しか聞こえない様に配慮して耳打ちしてくる

「本当に仲が良いよな」とクラスメイトである樋村さんが突っ込みを入れてくる

「ダメか?」そう答える裕太さんが私を引き寄せて膝に座らせる。膝だっこは好きじゃ無いと言っているが要望を聞き届けられた事はない

「ダメじゃないが、見せつけられる方の身にもなってくれよ。まあ、そうやって捕獲しておかないと逃げられるのは理解できるが」人見知りで騒がしいところは嫌いである。人に注目されるのも嫌いなので人混みには寄り付かない私を指してそう言うのだろう

人の首筋に顔を埋める様にしながら携帯を見ている。首筋に掛かる息がくすぐったいが、拒否するとすねるし面倒なことになると解っているので我慢しながら読書する

いつも通りに時代小説を読みながら昼休みが終わるのを待つ。ふと空を見上げると空が綺麗だったのでぼんやり見ていると

「どうした?」と聞かれた

「きれいだな。とね」そう言うと携帯から空に視線を移したのだろう首筋に掛かる息が少し離れる

「きれいだな」そう言って首筋に感じる唇と舌の感覚。キスをしてきたんだろう

「くすぐったいからやめて。それに首に薬塗っているから」そう言うと

「ああ。汗疹が出来かかってるもんな」と良いながら首に軽いキスをしてくる

「そろそろ切ろうかな」

「そのまま伸ばしていて欲しいが、背中が荒れるしな。下手にショートにすると頬に当たって荒れるしな」

「そうなんだよね。首なら自分でも大丈夫なんだけど、背中は塗れないしい」

「荒れなくても予防で全身に塗っているんだろ?」そう聞かれて頷ずいている

「あのさ」とあきれた声が聴こえたので視線を動かせば、既に担当の先生が来ていた

「いつも通り認識していなかったみたいだが、授業を始めて良いだろうか?飯塚裕太は授業を受けなくても判るだろうが、相方は無理だろ」と言われて自分の席に戻ろうとしたら裕太さんに邪魔された。ちらっと同じ一族の女子に目配せしたらしく私の机から授業道具をバックにしまって裕太さんに渡す。裕太さんは教科書自体持ってきてないので、私を抱いたまま席を立ち

「自習してきます」と先生に声をかけて自習室へ移動となった。

朝のホームルームと昼休み。放課前のホームルーム以外は自習室で裕太さんに付きっきりで勉強を教わっている。そちらの方が効率的だ。といっているし両親も認めて学校に通達していて学校の方もそれを許可している。同じような事をしている家もあるので問題ないそうだ

躓いたところを理解できるように何度も繰り返し解いたりしながら私のペースで勉強できるのは有りがたい。同じように勉強している裕太さんは教科書を読めば大体わかるらしくわからなくても自習スペースにある参考書を読めば理解出来るらしい。理解力が良くて羨ましい


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