平和な1日(2)
処女作なので至らぬ点が多いと思いますがなんとぞご了承ください。
ああ確かにおかしいとは思ってたよ。なんで関係ないはずのティトラがわざわざ一緒に来てくれるのかさ。いつものティトラだったら絶対にわざわざ僕と一緒についてくるわけがない。
「まさかお前も呼ばれていたとは・・・・な?」
「逆に呼ばれてないとでも?」
「そんなところで自慢げに言われても・・・。」
「だいたい考えても見ろよ。お前が寝るようなレベルの授業だったんだぞ。俺が寝ない訳無いだろう。」
ティトラが無駄にいい笑顔をこっちに向けてくる。
「いやだからさ、そんな自慢げに言われてもって言ってんだろ。」
そんなことを言ってると、
「ほーんとそんなつまらない授業をしてしまってまことにすみませんね!!」
前にいた女性が声を上げる。し・・しまったここ職員室だった・・・というか呼ばれてる立場で何やってるんだろ俺・・・
「いえいえそんなことはな・・・」
「そうですよ。もっとちゃんとやってください。」
おれが言う言葉に重ねてティトラが言う。ってか何言ってんだよ!!!
「まあ、確かに、水野君が寝てしまうような授業をしてしまったのは悪いと思ってるわ。でもティトラ!あなたはいつもいつも寝てるじゃないの!あなた何度寝てると思ってるのよ!」
「うーん・・・授業した回数ー31回ぐらい?」
妙に正確だな。というか寝すぎだろ。いや待てよ・・・やっぱそれぐらいかも。
「サバ読みすぎよ。あんた寝てない時ないでしょう。」
これでサバ読んでんのかよ。どんなけ寝てるんだよ。
「まあいいじゃないですか。ちゃんと授業内容はわかってるんですし。」
その言葉に先生、アントン先生が固まる。
「水野みたいにやらなくてもできるぶんよっぽど効率的じゃないですか?」
「お前さらっと俺のこと馬鹿にしただろう。」
「いやいやそんなことないよ。まあそんなわけですから。アントン先生。実習の時間にまた会いましょう。」
そのまま立って職員室を出ようとする。
「ちょっと待ちなさい。そんな言い訳で出れるとでも思った?」
その肩を先生が持とうとしたとき、一瞬ティトラの体がぶれた。先生の手を逃れる。
「ええ。先生なら理解して・・・・ごフェ。」
そのまま扉から出ようとして突如現れた土に壁に思いっきり激突した。
「え?なんかいった?」
「いえ・・・・なにも・・・・。」
ティトラはそのまま地面に崩れ落ちる。
「もう水野君はいいわよ出て行っても。これからは気を付けてね。」
先生は僕にそういったあと扉の土の壁が消える。それと同時に神速でティトラが立ち上がった。
「ええ、ありがとうございました!」
また同じように、扉からものすごいスピードで出て行こうとするが、
「あなたはダメに決まってるでしょう。」
地面が不自然に盛り上がりティトラの足を抑えていた。
「ほんと今まで私が甘かったんだわ。少し痛い目を見てもらわないとわからないとね。」
まあもう出ていいといったし出ていこうか。俺はそう思ってそのまま扉から出ようすると、下から怨嗟の声が聞こえてきた。
「待て水野。まさかお前裏切るんじゃないだろうな。」
当たり前だろうそんな裏切るなんて。
「では先生ありがとうございました。」
「はいはーい」
するに決まってるじゃないか。なんでわざわざこんな怖いところにずっといなきゃいけないんだ。
「チクショーーーーーーー!!!」
「うるさい。」
「グフェ」
俺はティトラの断末魔をBGMにしながら意気揚々と自分のクラスへ帰っていった。
いや正確には行こうとした。
「あれ?お義兄様じゃないですか?」
自分のクラスに帰る途中で、絡まれた。向こう側から一人の女の子が走ってくる。
「ああ、夕陽か・・・あのさ・・。」
「あれ?ティトラさんは?」
俺が何か言う前に声を上げる。
「ティトラはいま職員室にいるよ。それでさ・・・」
「なーんだ。ティトラさんいないんですか・・・。」
そして目の前の女の子は急にいじけ始めた。この子は夕陽。一応俺の従姉妹にあたるやつだ。一応言っとくが俺らとは同学年。ん?容姿?俺的にはなんかちょっと俺に似てるからそんなに可愛く見えないんだけど、世間一般的には可愛い?らしい。まあどちらにしろあんまり関係ない。さっきの会話からもわかるように、この子はティトラに恋をしている。というかわかり易すぎて困る。
「うん、そう。ティトラはいないんだよ。という事でこれからお義兄様と言うことをやめるように。」
俺がそう言うと毎回この子は首を少しかしげる。
「え?なんでです?」
「何度説明してるんだよ。お義兄様とか恥ずかしいの。」
もし夕陽に好意でも抱いていたらちょっとは嬉しいかもしれないが、はっきり言ってめっちゃ恥ずかしいだけだ。
「別にいいじゃないですか。減るもんじゃないし。」
「お前は良くても、俺は良くないの!じゃあ考えてみろよ。もし俺がお前にお義姉さまって言われたらどう思う?」
俺がそう言うと少し考えて
「いいですよ。私もお義姉さまって言われてみたいですし。」
「だめだった。俺はこいつのおかしさを舐めていた。」
「じゃあこれから私はお義兄様というので、お義兄様は私をお義姉さまということにしましょう。」
「もう意味わかんねーよ。どっちが年上でどっちが年下なんだよ!」
「そんなの決まってるでしょう。私が年上でお義兄様が年下です。なにわかりきったこと言ってるんですか?」
夕陽が冷め切った目で俺を見る。
「そこで急に冷たくなる・・・て違ーう!なんか当然そうに行ってるけど違ーう!俺が年上。お前が年下。」
「お義兄様、間違っています。」
「どこがだよ。」
「お前じゃなくて、お義姉さまです。」
「まだその話題続いてたの!?いつまで引っ張んの!!?」
「まったく、こんな廊下で叫んで、はしたないです。」
「もうやだ、話が通じないよ・・・・。」
ほんとうに何なんだこいつは・・・・・。
「じゃあ、そろそろ私は用事がありますので。また実習訓練で会いましょうお義兄様。」
「もう訂正する気も失せたよ。じゃあな。」
「ええ、さようなら・・・」
そのまま去ろうとしたとき、急に夕陽の動きが止まる。いや俺の後ろを見つめている。
何かあったのかと思い後ろを振り向いてみると、さっきまで職員室にいたあの男がこっちに来ていた。
「ティトラさん!!!!」
急に満面の笑みになった夕陽はティトラに向かっていく。
「おぉ、夕陽ちゃんじゃん。どうしたの?」
「いえ、さっきまでお義兄様とお話ししていた時にティトラさんの姿が見えたので、」
「水野と?そうそう聞いてくれよ夕陽ちゃん。水野がひどいんだって。」
ティトラがさっきの話をし始める。そして話を聞き終わった夕陽は
「鬼ですね・・・・・」
思いっきり引いていた。
「ちょっと待った。ティトラ!お前何をどう話したんだ?」
「何をもなにもただ事実を話しただけだよ。」
「いーやそれはない絶対に誇張して話しただろ!」
そうじゃなきゃあそこまで引くわけがない。というかまずひかれるようなことは全くしていない。
「ただわざわざ起こしてあげて、一緒に職員室にまでついていった俺に全ての罪をなすりつけた挙句、先生の制止の声も聞かず、俺を生贄にして職員室から出て行った。って話しただけだよ。」
「あれ・・?結構事実?」
なんかそう言われるとそういうことをしたような気が・・・・・・
「するかぁ!!!!!」
「はしたないよ。こんな公衆の面前で叫んだりして。」
「お前ら似たようなこと言うんじゃねえ!!」
「似たようなこと?」
ティトラが首をかしげる。
「さっき私もお義兄様が叫んでたので注意したんですよ。」
夕陽がすかさず答える。
「こんな義兄を持ったら大変だろうに。こいつの友達として感謝しとくよ。」
「大丈夫ですもう慣れてますから。こちらこそこんな義兄ですみません。」
「いやいや、これからもこいつを頼むよ。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
二人が握手している。ものすごい理不尽さを感じているのは俺だけなのだろうか。
「そういや夕陽、お前用事あったんじゃんかったっけ?」
俺は夕日にそう聞く。
「いえ、違いますお義兄様。」
「あれ、そうだった・・・」
「夕陽じゃなく、お義姉さまです。」
「もういいよ。そのネタ。」
おれが疲れたようにそう言うと夕陽の顔が険しくなる。
「お義姉さまです。」
「だからもう・・・・・」
「お義姉様です。」
「はぁ、だ・・・」
「お・義・姉・さ・ま!」
糞、意地固になるタイミングがまったくわからん。
「わかったわかった。ええと・・・そのぉ・・・・」
夕陽がめちゃくちゃ期待に満ちた目でこちらを見てくる。心なしかティトラもこちらを興味深そうな目で見てくる。
「お、おねぇさ・・・言えるかァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「はいはい、はしたないはしたない。で用事があるの?夕陽ちゃん。」
ティトラが笑いながらそう言う。あとで絶対に殺す。
「そうです。用事があったんです。すっかり忘れてました。」
夕陽は名残惜しそうにティトラを見ながら廊下を歩いていく。
「じゃあまた実習訓練で会いましょう。ってやばい。遅れちゃう」
そのまま夕陽は窓に足をかけ飛び降りた。
「じゃあねぇ。って夕陽ちゃん炎属性なのに大丈夫かな?」
「うーんまあ何とかするんじゃない。そろそろ戻ろうぜティトラ。ほんとうに昼休み終わってしまう。」
「そうだな。」
俺とティトラは自分のクラスに帰った。
「そういやどうやって職員室から抜け出したんだ?」
「ああ、そりゃぁ・・・・・・」
まだキャラクター紹介みたいなところなので面白くないかもしれません。