5 家ってこんなに近かったっけ…
電車を降り、2人は駅を出た。
「あんなにみんな勘違いするなんて!私の演技すごいなあ〜!!ね、七條くん!」
「ああ」
目をキラキラ輝かせる七宮と不機嫌七條。
「ごめん、怒ってる?」
「当たり前だ!!なんだよもう…」
ため息を尽きながら、七條は歩きだした。
それに着いていく七宮。
「じゃあ、素直に言いますよう」
「何をだよ」
「あんなに期待された眼差しもらったらさ、やりたくなるお年頃なんですよ七條くん」
もはや呆れるしかない七條。
「はあ…だからってなあ!やりすぎだろ!」
「うん、やりすぎた。てへぺろ〜」
「てへぺろじゃねえよもう…」
(少し本気にした自分がバカだったよ…こいつ嫌がらせ以外のなにものでもない奴だったよ!!!)
また後悔する七條。
「最初に言ったじゃーん!あり得ないって!どうでもいいって〜」
「はいはい。わかったよ」
「だから…」
急に黙り込んだ七宮。
周りは住宅街が並んでいる。静かだ。
「なんだよ、はっきり言えよ」
「…うん、あれだよ、あれ」
「わかんねえよ」
すると、七宮はわざとヒーローのような決めポーズをして、言った。
「…好きになるなよ」
「なるかああ!!!!」
2人は住宅街を進んでいく。
(友達でいてね。なんて、何年ぶりに思うんだろ…)
七宮はぼんやりと歩いていた。
七條は、はっ!とした。
(このままだと、あいつ俺の家上がってくるかもしれん!!困る!)
なぜなら、七條の住んでいる一軒家が見えてきたからである。
「七條くん、家いつ着くの?」
「え、ああ、お前、家入んなよ?」
話題を変えた七條。
「入らないと嫌がらせできないじゃん!で、いつ着くのー?」
話題を戻す七宮。
「家入らないなら教えてやるよ!!」
ニヤリとした七條。ドヤ顔である。
「家入るから教えてよ!」
「なんでだよ!教えねえよ!!」
と、言いつつ、七條の家はもう目の前であった。3階建ての家である。
「あれ〜?おしゃれにローマ字でななじょうって書いてあるよ〜?」
ばれた。
「あのさ…七宮さん…」
「はい?」
「お願いだからここで待ってろ!!!」
必死に頼む七條であった。
これジャンル学園でいいのかな…!!??