第四話 新しく出てきた剣が中二ξ
「さてさて状況を確認しようか。俺は何故か生徒共がへんな所に来て何故か俺を主と呼んで転生してきたとぬかしやがるシルフが居やがる。ってことはつまり・・・」
「つまり?」
「ドッキリだな!」
「違います!」
ものすごく大きな声で否定されてしまった。
「現実を受け止めましょう主」
「いや、ね、俺も薄々は考え付くわけよ、でもさぁ普通ありえなくない?」
「そうでもないですよ?なんだかんだでありそうな話ですし。」
「なんだかんだで済ましちゃいけない話だろっ!っていうかここどこだよ!」
薬品のツンとした匂い、カーテンで仕切られたベッドとからして予想はついたのだがいわずにはいられなかった。
「保健室ですよ主」
「ですよね~」
「ところで今何時?」
「九時五分ですよ」
「やっべえじゃん!始業式始まってんじゃん!」
案内では九時から入学式だと書いてあったのを思い出した。
「シルフ、いくぞ!」
「Yes、My master」
だからなんで英語なんだよ・・・と空が突っ込もうとした時、
キィィイイエエエエエ
「畜生何なんだよここは!」
空が廊下へ飛び出した瞬間襲ってきたのは前世で見た事のあるこの世界にはいないはずのもの
・・・魔物だった。
魔物と聖獣の区別の仕方は大きく分けて二つだ。
人間と会話が出来るかできないかと人に敵対しないかするかだ。
いずれも《飼い馴らし》または《召喚》の魔法によって使役されたものならばテイムの場合は使役獣、サモンならば召還獣と名前を変えるのだがそれらを魔獣と区別する方法はないといってもいい。
とにかく空は鳥型の魔獣に襲われていた。
思わぬ奇襲で制服が裂けてしまった。
「ちっ戦闘態勢!」
空の衣服が魔方陣によって変わり始める。
頭には狐を模した仮面が斜めがけにされ制服は黒に統一された衣装へと姿を変える。手に持つのは一振りの剣。
「一切合財塵斗化世!」
空は向かってきた魔物に向かって剣を振り下ろす。剣に触れた魔物は一瞬動きを止めたかと思うと黒い塵となって消えた。
「さっさと行くぞシルフ!」
「はい、ただいま!」
空はこの騒動の元凶を探して走り始めた。