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いきる  作者: 龍武
2/2

回想




「うー・・・。暑い・・・。やる気がでねぇ・・・。」


 2週間前の俺は梅雨独特の蒸し暑さにやる気を吸収しつくされていた。


何もやる気にならない。仕事どころか、食事を作るのも面倒になっていた。



 大学を卒業した俺は、就職活動に失敗し、ただただ、一日寝床に入っていた。


寝床から出るときといえば、便所か、食事。テレビゲームなどである。


・・・そんな生活が、5年と、2ヶ月続いていた。そんなある日の事。



 3週間に1回は、郵便物のチェックをしている。


 外出といえば、郵便物のチェックと飯の買出しぐらいだ。


飯といっても、インスタントで済ませてしまう。そのような生活が続いた。


「だぁー・・・。やっぱりダイレクトメールしか来ないか・・・。」


 ろくな商品もなく、ただ暇つぶしで全てに目を通してみる。


「液晶テレビ・・・?げぇっ!そんなにするのか!」


 買う気もなく、ただ値段を読み上げて、驚く俺が、すこし恥ずかしくなった。


 そして、次の手紙・・・「その手紙」に手が触れ、俺の視界に入ってきた。


「会社名は・・・。なんも書いてねぇ。なんだ?いたずら・・・か?」


 いたずらでも何でも良かった。とにかく、内容が知りたかった。


「まさか・・・不幸の手紙じゃないだろうな・・・。不幸なのに、不幸が来てどうするんだよ・・・。」


 中を開いて、目を通すと、そこにはこう書いてあった。



  親愛なる江嶋君へ


 良い休日をお楽しみでしょうか。


きっと、君の事だから、退屈にしているんじゃないでしょうか。


けど、退屈が吹き飛ぶ、とても面白い話をしてあげましょう。


2週間後、××市の港に1艘の船を用意しました。


そのふねに御乗船下さい。ヨロシク。



「はぁ?何で俺が・・・・・・。・・・面白そう・・・だな。」


 流れるような文字で、丁寧に、かつ力強く手書きの便箋が封筒の中に1枚、入っていた。


「けど・・・船に乗って何するんだ・・・。暇つぶしにはなる・・・か。」

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