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第3話 親切な客

各国は彼らを歓迎した。

歓迎式典は盛大だった。

軍楽隊が演奏し、政治家が握手し、花束が渡された。

彼らはそのすべてに感動した。


「あなたがたは、こんなに多くの儀式で友好を示すのですね」


通訳がそう訳すと、各国首脳は誇らしげにうなずいた。

その裏で、会議室では別の言葉が飛び交っていた。


「あの栄養合成技術を確保しろ」

「医療装置を解析できれば、我が国の優位は決定的だ」

「宇宙船の動力源だけでも手に入れたい」

「他国に先を越されるな」


宇宙人たちは、地球人の会議を不思議そうに眺めた。

「あなたがたは、同じ種族なのに、なぜ別々に願うのですか?」


ある外交官が笑って答えた。

「国が違うからです」

「国とは何ですか?」

「土地を分けたものです」

「なぜ分けるのですか?」


外交官は、急に喉が渇いたような顔をした。

「まあ、いろいろありまして」


宇宙人は納得したようにうなずいた。

ただし、何に納得したのかは誰にもわからなかった。


彼らは頼まれると、ほとんど断らなかった。

病院へ行き、治療の難しい病気を治した。

干ばつ地帯で土をよみがえらせた。

少量の水から大量の栄養を作る方法を教えた。


世界中の人々は歓喜した。

彼らを救世主と呼ぶ者も現れた。


しかし、救世主はしばしば商売敵でもある。


製薬会社は困った。

食料を握っていた企業も困った。

エネルギー利権を持つ者たちも困った。

軍需産業は、もっと困った。


なにしろ、彼らは武器をまったく理解しない。

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