薄い期待
学校が終わり、4人で帰ってる時うみが
「また4人で同じクラス嬉しいなあ」
「本当だな」と嬉しそうに笑った顔が微かに赤らんで、まるで恋をしている優しい顔のような気がした。
その顔を見て、夕日のせいにした。
「あついなぁ」
上を見ながら目頭が熱く感じた。
「まだ寒いだろー。」
こうきのその一言に私はぎこちない笑顔をした。
家に帰って天井を見ながら過去がリアルな夢だなあ。
「過去が変わっちゃったのかな」
あの頃の自分は精一杯で周りなんて見てなかった。
だから今日こうきのあの顔を見て確信してしまった。
私の恋は実らない。
ぼーっとしてそんなことを考えて
「だめだめ、弱気になっちゃ。」
「ねぇ、こうきー今日のゆりなんか変だったよね。」
「確かになあ。珍しく元気なかったよな」
ねぇ、こうき知ってる?ゆりはあなたが好きなんだよ。私もこうきの気持ちに気づかない振りしている
から同罪だよね。なぜか胸がギュッとなった。
こうきの背中にカバンを当てて
「鈍感野郎が久しぶりに気づいてえらいぞ」
「なんだよそれ」
はぁ。学生すんごい疲れる。まずさ、高校生の自分芋すぎる!自分大改造から始めないと。軽く化粧、髪の毛サラサラにして少しはマシになったな。過去変えるとしても何したら変わるんだろう。考えれば考えるほどわからない。
「おっはよー」
なんかいつもと周りの目線が違う気がする。
これは確実に今日なんか可愛くない?と言う目線な気がする。ちょっとくらいにやけちゃうよね。
「お前何ニヤニヤしてんだ」
「にやけてません」
「今日の、私可愛くない?」
「ん?唇テカリすぎ天ぷらでもくったんか」
え、とっても失礼。何この人そーゆう人だったわ。ツンとした態度にこうきは私の頬をつねる。
「うそだよ拗ねるな」
別に今までだって期待していたわけじゃない。なのに、私はこの時私の思いが報われるのだと少し期待をしてしまった。