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509 僕らを待ち伏せしていた盗賊を退治する

 朝、日の出から少し経って、食堂で朝食をいただいて、女将さんに挨拶した。

「ありがとうございました。またおいでください」

 女将さんに見送られて出発。

 例の目つきの悪い人たちはすでに出たそうだ。


 街を通り抜けた。門番も出る時は何も聞かない。あくびをしていた。朝が早いからね。お疲れさん。


『シン様、シン様。丘を三つ越えたところの林に10人、盗賊が待っているよ。その中に昨日の宿の3人もいるよ』

 観察ちゃんが教えてくれる。

『わかった。危ないことをしちゃだめだよ』

『はーい。見ているだけ』


「聞いたね。盗賊は10人だそうだ。リンに練習してもらおう。一人うっかり逃してしまったようにして、アジトまで帰ってもらおう。ドラちゃんとドラニちゃんは、小さくなって上空から追跡、ブランコは逃げた男を地上から追跡、アジトにたどり着いたところを三人でアジトと仲間ごと殲滅してもらおう」

「わかったー」

 ドラちゃんとドラニちゃんがパッパと服を脱いで人化を解いて小さくなって盗賊の上空に飛んでいった。


「あまり待たせては盗賊の皆さんに悪いから、潜んでいる場所の手前の丘までかけていこう」

 全員で走る。すぐ丘の麓に着いた。

「じゃここから歩いて丘を越えよう」


 丘を越えて素知らぬふりをして林に近づく。林の脇を通りかかると強盗がばらばらと出て来て僕たちの前後を塞いだ。5人づつだ。


「塩を出せ」

「宿にいた方ですね。品質の良い塩ですから高いですよ。お売りしましょう。砂金をお持ちですか」

「バカ。俺たちは強盗だ。早く塩を差し出せ」

「お断りします」

「それじゃ力ずくでいただく」

「そうですか。せっかく皆さんの為を思っての取引の申し出でしたが、断られてしまいましたね。残念です。それではリン、片付けてください」


 リンがショートソードを抜いた。片手で振ってみる。空気を切り裂く鋭い音がする。ニコッとした。

「参ります」

 強盗もショートソードだ。


 リンが前方の強盗にすたすたと近づいてショートソードを片手で軽く振る。盗賊の首が三つ飛んだ。

「く、来るな」

「盗賊さんがそんな薄情なことを言ってはいけません」

 またすたすた歩いて軽くショートソードを振った。首が二つ飛ぶ。

 実力が違いすぎると気を呑まれて動けなくなるらしい。前の盗賊はあっという間に片付いた。


 それを見た後ろの盗賊は逃げた。気づくのが遅くなったふりをして、少し走らせて盗賊がばらけてからジェナが後ろから4人をムジンボーケンでスパスパ。


 先頭の盗賊は後ろの仲間が斬られたとも知らず一人で必死に逃げていく。ブランコがそっと追っていく。しばらくしたらドーンと音がした。盗賊はアジトごと吹き飛ばされたようだ。


 キュ、キュと機嫌よくドラちゃんとドラニちゃんが空から帰って来て抱きついて来た。

「やったよ」、「やったよ」

 よしよし。


 ブランコも走って戻って来た。

 ブランコも褒めてやる。はにかんでいる。図体は大きいけど可愛いのだ。

 ドラちゃんとドラニちゃんはすぐ人化して、服を着た。


「リンもなかなかだったよ。盗賊の死体はそのままにしておこう。フィーニスの市場に行く人が通りかかって市場で話をして宿の女将さんの耳に届くだろう」


「手応えがありませんでした」

「そうだねえ。もっと盗賊には頑張ってもらわないと。少し距離を稼ごう。次の集落の手前までゆっくり走ろう」


 集落の手前までゆっくり走って、集落を抜けて、またゆっくり走ってを繰り返して、夕方に着くと言われていた宿場に昼前に着いた。途中でおやつもした。


 街の広場で砂金で串焼きを買って食べ、街を出て、街道から外れて、街道から見えない丘の陰で昼食にした。獣はいるが襲ってこない。


 耳の長い小さい獣がこちらを見ている。こちらに来たいようだ。

「これは神国にいなかったわね。こっちにおいで」

 アカが言うと何匹かぴょんぴょんとやって来た。


「狩人や怖い獣がいないところがあるんだけど、来る?」

 うんと返事をしたようだ。

「家族やお友達を連れて来なさい」

 ぴょんぴょん跳ねていって、すぐ20匹ほどで戻って来た。子供もいる。何家族かだろう。


「じゃあ綺麗にしてあげようね。病気も悪い虫も無くしたわ。私たちの国に送ってあげる。そこで他の動物と仲良く暮らしなさい。観察ちゃん送ってやって」


 観察ちゃんが転移して神国まで連れていってすぐ戻って来た。

 ぴょん(仮称)はぴょんぴょん跳ねて、コッコと追いかけっこをして駆け回っているそうだよ。


 ジェナの昼寝が終わってから街道に戻ってまた走って、小さい集落を通り抜けて、途中おやつをして、夕方前に街の手前に着いた。

 面倒なので街道から外れて目が届かないところにスパ棟を出して一泊。お狐さんももちろん来た。


 朝、街に入り、市場を見た。周りの集落から持ち込まれた野菜などを売っていた。

 取り立てて面白いことはないので、街を出て、走る。


 小さな集落をいくつか過ぎて、街の手前に到着。フィーニスからここまでは街といっても集落が少し大きくなったような小さな街であったが今度は少しは大きい。コシ並みの街だ。フィーニスの女将さんのところから普通に進むと2日というところだ。

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